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ふれなばおちん 11巻とは?

出版社:集英社
発売日:2014/12/25
作者 :小田ゆうあ

私が生きている間にあなたに出会えたこと、その奇跡に深く深く感謝。そして、あなたも同じように感じてる。この想いは本物で、私たち以外の誰にも邪魔されない、邪魔できないものです。そのことを私たちは知っています。それだけでいいのです。

 

ふれなばおちん 11巻のネタバレ

41話のネタバレ

再会

佐伯が出演するテレビ番組を見ながら、夏は呆然としていた。
 
記者は佐伯にどんどん質問していく。
 
好きだと言った佐伯のアドリブにはどんな意味が込められていたのかと聞かれた佐伯。
 
佐伯は少し考えて、あれは好きな女を想って言いましたと答えた。
 
優美香や真樹夫が佐伯の気取った様子にお腹を抱えて笑っている中、夏の表情は暗かった。
 
佐伯はインタビューを続ける。
 
以前自分の芝居で泣いてくれた人がいて、あの時は本当に嬉しかったですと佐伯は言う。
 
インタビューはそこで終わってしまった。
 
優美香は夏に、すごいねと話しかけた。
 
夏は無理やり笑顔を取り繕ってそれに答えたのだった。
 
その夜、夏は佐伯の部屋で考え事をしていた。
 
夏の足元には佐伯と決別するためにビリビリに破いた信田の名刺が綺麗に並べられていた。
 
もう一度だけ会って、声が聞きたいと夏は思っていたのだった。
 
次の日、会社では佐伯のことが噂になっていた。
 
上条は佐伯の番組を見ていなかったため、部下にあとで俺にも見せてくれと笑いかけた。
 
若林はそんな上条に、奥さんの様子は大丈夫かと尋ねる。
 
夏は佐伯と会えなくなってから急激に太り、若林はそれを心配していたのだ。
 
上条は夏が再びダイエットを始めたのだと答えた。
 
その言葉に若林はほっとした。
 

消えない想い

その夜、夏は震える手で携帯電話の番号を押していた。
 
もう一方の手には信田の名刺が握られている。
 
沖縄行ってらっしゃい、頑張ってください。
 
それだけ言ったら電話を切ろうと思っていた。
 
夏は電話をかけた。
 
携帯電話からはコール音が聞こえる。
 
信田の事務所では佐伯が引っ越しの準備をしていた。
 
誰も手が離せない状態だったので佐伯は仕方なく手を止め、受話器に手を伸ばした。
 
佐伯が受話器を取ると、そこからはプーという音が流れていた。
 
夏は直前のところで電話を切ってしまったのだ。
 
何やってるんだろうとため息をついた夏のところへ、上条が帰ってきた。
 
夏は驚いて振り向き、ずいぶん早いのねと焦っていた。
 
子供たちは?と聞かれた夏は今日塾のバスがないのだということに気付き、急いで家を出て行った。
 
焦るあまり携帯を家に置いてきた夏。
 
上条は夏が出て行った後、その携帯に手を伸ばした。
 
リダイヤルのボタンを押して待っている上条。
 
その電話を取ったのは、佐伯ではない事務所のスタッフだった。
 
信田企画です、と言われた上条は何も言わずに電話を切った。
 
上条は夏の動揺っぷりを不振に思っていた。
 
疑いが消えては生まれて、上条はずっとモヤモヤしていたのだった。
 
一方、電話を取ったスタッフのもとへやってきた信田は、女からの電話だったか?と聞いた。
 
その後、独り言のように番号は教えたんだけどな…とつぶやく信田。
 
佐伯はそれを聞いて信田に掴みかかった。
 
俺らの気持ちで遊んでんじゃねえと佐伯は叫ぶ。
 
信田はそれを振り払って、決定的な別れになるんだからそんなに会いたいならあと先考えずに会えばいい!と言った。
 
そして信田は前日の壮行会に佐伯は来なくていいと告げた。
 
そしてホテルスプリームの豪華な部屋を予約した信田は、そこで一日好きにやれと言うのだった。
 
佐伯は夜の街を歩きながら、夏に電話をかけていた。
 
会いたくて我慢できない。
 
来週22日ホテルスプリームに泊まるから来てほしい。
 
佐伯は手紙ではなくメールで夏に連絡した。
 
それを受信した夏の携帯は震えた。
 
上条はそれに気付いたが、同時に上条の携帯に電話がかかってきた。
 
それはファミリーレストランに寄ってから帰ると言う優美香からの電話だった。
 
それを聞いた上条は夏の携帯を置いて風呂に入ることにした。
 
次の日、上条は佐伯のインタビュー番組が焼かれたDVDを部下から受け取っていた。
 
以前自分の芝居で泣いてくれた人がいて、と言う佐伯の言葉を聞いて上条が思い出したのは、夏が風呂場で泣いていたことだった。
 
上条は表情を変えずに佐伯のインタビューを最後まで聞いたのだった。
 
一方家にいた夏は携帯が点滅していることに気付いた。
 
未読のメールがあるのだ。
 
掃除機をかけながら携帯を開いた夏は驚きのあまり掃除機を持つ手を話してしまったのだった。
 
 
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42話のネタバレ

最後のデート

メールの内容を小牧に相談する夏。
 
行くのはやめておきなさいと、小牧は言い切った。
 
今回は今までのように何にもなくて帰ってくることはできないと小牧は言うのだった。
 
せっかく立て直してきたのに彼に抱かれてしまったら一生忘れられない肩とか汗とかに包まれたまま生活していくのよと小牧は言う。
 
そんな思いを夏っちゃんが人知れず抱え込むなんて私は耐えられないと、小牧は言った。
 
夏は電話を切った。
 
そして携帯を握りしめて、少し考えた。
 
人を好きになれたというこの気持ちは否定しないと決めた夏。
 
会っても私は大丈夫だと心に決めた夏は、前を向いて佐伯に返事を打った。
 
一方稽古をしていた佐伯のもとには夏からの返信が届いた。
 
そこには行きますとだけ書かれていた。
 
佐伯はそれを見て少しだけ笑った。
 
一方で夏は上条に、若林と劇団の壮行会に行ってきてもいいかと尋ねた。
 
盛大にやるから人数は多い方がいいと若林に誘われたのだった。
 
上条はそれを快諾し、佐伯によろしく言っておいてくれと夏に言った。
 
夏は、会ったら言っておくと笑うのだった。
 
上条は野球の延長戦の結果をみようとパソコンを開いた。
 
そこにはホテル・スプリーム・アネックスのホームページが開いたままだった。
 
上条はこのホテルで壮行会をやるのだと思い、そのページを閉じた。
 

壮行会当日

壮行会の日、上条は若林と話していた。
 
夏をよろしくなと言った上条は、若林の様子を観察し壮行会が本当にあることを悟った。
 
実は上条は壮行会を口実に夏が佐伯と会うのではないかと考えていたのだ。
 
上条は壮行会をホテルでやるなんて豪勢だなと言った。
 
しかし若林は、会場はそこじゃなくて、西北沢のカフェレストランだと言う。
 
上条はその言葉に驚愕した。
 

佐伯と夏と、その夫

その夜、壮行会で夏を待っていた若林。
 
夏は全然来なかった。
 
そこへ夏からメールが来た。
 
メールには人と会う用事ができたから今日は壮行会に行けないという内容が書かれていた。
 
一方ホテルでは佐伯が落ち着かない様子で待っていた。
 
すると部屋のインターホンが鳴る。
 
佐伯はのぞき穴からその姿を確認し、息をふう…と吐いた。
 
ドアを開けると、そこには少し顔を赤くした夏が立っていた。
 
久しぶりですねと笑った夏は、部屋の中へ入り重い荷物を下ろした。
 
こんなところに泊まらせてもらえるようになって、佐伯さんはすっかりスターですねと笑う夏。
 
佐伯はそんな夏をぎゅっと抱きしめた。
 
そして佐伯は夏をベッドに押し倒した。
 
一方その頃、上条はホテルスプリームに向かう西湾岸線の電車に乗っていたのだった。
 
 
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43話のネタバレ

大芝居

同じ頃若林は信田から佐伯と夏がホテルスプリームで会っていることを聞いた。
 
そして上条が昼間、若林に聞いてきた場所もホテルスプリームだった。
 
若林は上条が夏と佐伯のもとに向かっていると悟った。
 
そして若林は大急ぎでシゲの元へ向かった。
 
シゲは若林を家まで送り届けるために酒は飲んでいなかったので、若林はすぐ車を出すようシゲに頼んだ。
 
一方ホテルでは佐伯が夏の首元にキスをしようとしていた。
 
そんな佐伯にストップ!と言う夏。
 
離してください!と抵抗する夏に、佐伯は動揺した。
 
私はただ会いにきたのだと夏は言う。
 
すると佐伯はそっぽを向いて帰れよと言った。
 
夏は下を向いて部屋の出口に向かった。
 
それを急いで追いかけた佐伯は後ろから夏を抱きしめる。
 
あなたのことが好きだけど、その先にあることは絶対にダメなのだと夏は言う。
 
離れてしまう前に、たくさん言いたいことがあってそれを言いたくて来たのだと夏は話し始めた。
 
体に気をつけてください、お芝居頑張ってください…と夏は考えていた言葉を思い出しながら佐伯に伝えた。
 
佐伯はそんな夏を抱きしめた。
 
最後に夏はありがとうと佐伯に言う。
 
夏を抱きしめていた佐伯は、グゥーとお腹が鳴った。
 
それを聞いた夏は笑いながら、持って来た大量のお弁当を広げた。
 
佐伯は目を輝かせてそれを口に運び、夏っちゃんの味を忘れないぞと心に刻むのだった。
 
そこへ若林から電話がかかって来た佐伯。
 
佐伯は若林から上条がそっちに向かっているかも知れないことを聞いた。
 
私たちもすぐ合流するから、何とか誤魔化しておいてと言われた佐伯。
 
夏と佐伯は慌てた様子でどうしようかと焦っていた。
 
そんな中、部屋のインターホンが鳴った。
 
佐伯は夏をクローゼットに隠し、絶対に出てくるなと約束させた。
 
最後まで守り切るんだ!と夏に言い聞かせる佐伯。
 
佐伯はドアに近付き、深呼吸をして集中した。
 
一世一代の大芝居をうつぞと佐伯は誓った。
 
ドアを開けると、そこには上条がいた。
 
上条はズンズンと部屋に入っていき、夏がいつも使っている弁当箱を見つけた。
 
やっぱり夏が来ているんだな!と言って部屋中を探し始めた。
 
佐伯は、お弁当を置いてすぐ夏は帰ってしまったと言った。
 
上条はその言葉に激怒し、そんなわけあるかと佐伯を殴りつけた。
 
妻を誘惑してくれないかと言ったのは上条だったが、こんなことになるなんて思ってもいなかったのだ。
 
全く抵抗しない佐伯は、課長結構強いですねと笑った。
 
神樹はヘラヘラしやがって…と拳をもう一度振り上げたが、それを掴んだのは何とシゲだった。
 
若林とシゲは何か誤解があるんじゃないですか?と上条に言った。
 
若林のお腹には赤ちゃんがいて、それを知っていた夏や佐伯、シゲの4人で今夜は過ごそうと約束していたと若林は言う。
 
でも夏は家のことが心配だからと先に帰ってしまった、と若林は言うのだった。
 
それに続いて、佐伯は課長…と口を開いた。
 
正直俺は夏さんのことが好きだったけど、夏さんは家族のものですよと佐伯は言う。
 
帰っちゃいましたよとつぶやく佐伯を見て、上条は何も言わずフラフラと部屋を出て行った。
 
3人が部屋を去った後、夏は泣き腫らした顔でクローゼットを開けた。
 
そんな夏に、佐伯は笑いかけた。
 
 
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44話のネタバレ

日常

夏を抱きしめていた佐伯は夏を離して、家へ帰れと言った。
 
そして夏も一世一代の嘘をつけと、佐伯は言うのだった。
 
夏は最後に佐伯の手を取り何かを祈った。
 
そして夏は立ち上がり部屋を出て行った。
 
静かになった部屋で、佐伯は息を吐きながら涙を流すのだった。
 
上条が家に帰ると、そこにはいつものように夕食を用意する夏の姿があった。
 
壮行会は?と聞かれた夏だったが、子供たちのことが気になったから帰って来ちゃったと夏は言った。
 
そうか…と上条はつぶやいた。
 
そこへ帰って来た優美香や真樹夫。
 
夏は上条が嘘を信じたことにほっとした。
 
そして人生で一番激しかった今日の記憶は、日常を繰り返してゆっくりかき消していこうと夏は思うのだった。
 
次の日、佐伯は信田に夏とどうだったのかと聞かれた。
 
佐伯は恋をして、愛に負けたと言ってタバコの煙を吐き出した。
 
その日、佐伯は沖縄に飛び立ったのだった。
 
手紙のやり取りが9回、2人だけで会ったのが1回、キスが3回という儚い2人の恋は人知れず消えていこうとしていた。
 
でももし彼に次の世で会えたら、私は今度こそ落ちていくだろうと夏は思う。
 
今度こそ女として深く、どこまでも。
 
夏は人知れずそっと、佐伯との手紙を押し入れの奥にしまったのだった。
 
 
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ふれなばおちん 11巻の感想

ついに佐伯と夏は別れました。
 
最後の日、何とホテルに乗り込んできたのは上条でした。
 
いつも温厚な上条が感情的に佐伯に殴りかかっている様子はとても印象的でした。
 
佐伯がクローゼットに隠れる夏に言った、何があっても守りきれという言葉は、自分に言い聞かせているようにも見えましたね。
 
若林やシゲの協力もあり上条は夏の浮気に気付く事なく家に帰りました。
 
いつも通りの日常に戻った夏は、日々を過ごしていく中で佐伯のことを忘れていこうと誓います。
 
激しくも儚い恋。
 
特にラストシーンの描写は心を揺さぶられるものがありました。
 
ぜひ漫画版でそのシーンをチェックして欲しいと思います。
 
 
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