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Contents
この愛は、異端。 1巻とは?
出版社:白泉社
発売日:2017/5/29
作者 :森山絵凪
天涯孤独の少女・淑乃は古本屋で見つけた1冊の本から悪魔を呼び出してしまう。呼び出した悪魔・べリアルが提案した契約は、一つ対価を支払えば、一つ願い事を叶えてもらえるが、淑乃が死ぬまでずっと悪魔と共に過ごすという物で…。
この愛は、異端。 1巻のネタバレ
1話のネタバレ
悪魔との契約
ある悪魔は、新婚旅行でイタリアに来ていた日本人夫妻の間に子供が宿る瞬間を目にした。
その命は輝いており、五千年に一人出会えるかどうかの代物だった。
是が非でも手に入れると、その悪魔は誓うのだった。
20年後、淑乃はバアルに箸の持ち方を注意されていた。
淑乃は少しためらった後、今回は画材代がかさんで絵具が買えないのだと言う。
バアルは少し微笑んで、契約しますか?と尋ねた。
淑乃は少し考えた後、お願い…とつぶやいた。
するとバアルは淑乃に深いキスをした。
バアルの手は淑乃の胸へと伸びていく。
淑乃の呼吸が乱れる。
数分後、バアルは淑乃から離れ、画材代としてお金を淑乃に手渡した。
淑乃は昔からとても運の良い子供だった。
まだ淑乃が胎児だった頃、母親が階段で転倒したにもかかわらず、流産一歩手前で奇蹟的に一命を取り留めたのだ。
また病気で死の淵をさまよった時も、誤飲でチアノーゼ状態の時も、他にも様々な場面で淑乃は一命を取り留めた。
しかし家族旅行の帰り父の運転の不注意で交通事故に遭った淑乃。
この時も両親は死亡したものの、淑乃は奇蹟的に生き残った。
親を亡くした淑乃は、施設が見つかるまで親戚の家を転々とすることになった。
しかし預かり先の叔母の家では、その息子に夜中襲われた。
そんなことが、別の叔母の家でも立て続けに起きるのだった。
絶望した淑乃は学校の屋上から飛び降りようと試みる。
しかし柵に足をかけたところで、淑乃の記憶は途絶え気が付けば屋上の柵の中で目が覚めた。
淑乃は両親が自分を守ってくれているのだと思った。
しかしもう叔母の家には帰りたくないと、寄り道をして帰っていた淑乃。
淑乃は本屋さんの前で足を止め、黒い本を手にとった。
それは悪魔の呼び出し方という本だった。
なんとなくそれを買って開いた淑乃。
その時、淑乃の頭上に悪魔が現れたのだ。
それは淑乃とバアルの出会いだった。
バアルは一つの願いにつき一つの対価を支払ってもらうという契約を持ちかけた。
その対価とは、淑乃の体だと言うバアル。
悪魔の好物は生娘であり、まぐわいによりバアルは力を持つことができるのだ。
そしてこの契約ではたとえ願いの無い日であっても最低月に一度は対価を払ってもらうとバアルは言う。
淑乃は愛する人に出会うまでは清くありなさいという母の教えを守りたかったため、何日もかけてバアルを説得した。
バアルは何日も交渉を持ちかけられ、ついに対価はキスだけで20歳になったら愛撫も加えることを契約内容に盛り込んだ。
だが、この先人間の命に関わるような大きな願いには淑乃の貞操と魂を追加契約しなければならないことになった。
契約成立後、バアルは人間の姿になって現れた。
メガネをかけた細身のバアルは、ずっと触れたかったのだと言って淑乃を抱きしめた。
その後、バアルは戸籍と記憶を操作し父方の遠縁という続柄として淑乃を引き取った。
それからバアルは食事や弁当、身の回りの世話などを全て引き受けてくれた。
まだ幼かった淑乃は両親の代わりとしてバアルに抱っこをねだったり、反抗期をぶつけたりした。
バアルはその全てを受け入れてくれた。
淑乃はずっと求めていた家族の愛を手に入れることができて嬉しかった。
しかし、状況は20歳の誕生日で激変する。
その日から、契約内容が変わったのだ。
バアルは今月分の対価を今いただきますと言って、淑乃に触れた。
甘く痺れるキスだった。
その日、淑乃はバアルが肉体と魂を受け入れるための虚構として今までのことをしてくれていたのだと悟った。
淑乃の目の前にいる男は、対価を払い報酬を得るためだけの悪魔なのだ。
しかしそれでも淑乃はバアルのことが嫌いではなかった。
そんなことを思いながら浮かない顔でバアルからカバンを受け取った淑乃は、学校へ行こうと家の出口に向かった。
どうしました?と聞かれた淑乃は、悪魔だったら心くらい読んだら?と言う。
それに対して、バアルは契約者の心は読めないのだと返した。
あなたの魂は眩しすぎて私にはのぞくことができない…とつぶやきバアルは淑乃の頬に手を伸ばした。
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2話のネタバレ
家族の愛
その日も、今月の支払いとしてバアルと淑乃はキスをしていた。
バアルは次第に我慢できなくなり、淑乃にお願いは他にないのかとねだった。
しかし、淑乃は今月の分は終わりだと言って学校へ行く支度をした。
下着は替えなくていいのかと聞かれた淑乃は一瞬でそれを履き替えて学校へ向かった。
バアルはそれを拾って舐めながら、少し仕事でもしてくるか…と部屋を後にした。
淑乃は大学の授業を聞いていたが、教室で隣に座ってきたのは同じクラスの男子だった。
淑乃は軽く会釈したその男子のことを少し気になっていた。
そのことをバアルに話した淑乃。
するとバアルは、一度でも契約を結んだ人間がそんな普通の幸福を手にできるとでも思っているのですか?と迫ってきた。
そしてバアルは淑乃の頬に手を当て、私は死んでもあなたを手に入れる所存なのですよと言った。
淑乃は涙を流しながら、バアルは時々親みたいに優しくしてくれるからバアルにも心があるんじゃないかって勘違いしちゃうんだよねとつぶやいた。
バアルは淑乃の涙に少し戸惑いながらも、もともと愛などという感情は持ち合わせていないのだと邪悪な笑みを浮かべた。
淑乃は、やっぱりあんたは悪魔だわと苦笑いしそのまま眠りについた。
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3話のネタバレ
旭との交流
とある課外授業の日、淑乃は気になっていた男子である旭と同じ班になった。
旭も淑乃の事が気になっているらしく、淑乃に対して軽い会釈をした。
その後の飲み会ではお決まりの恋愛話になり、淑乃は男性経験を聞かれた。
心から好きになった人でないと付き合いたくないし、体の関係も持ちたくないと言う淑乃。
周りの男子は真面目だなと笑ったが、旭だけはそれを肯定した。
普通は周りに流されてしまうけれど、ちゃんと守り通してきたのはすごいと思うと旭は言うのだった。
こんなことを言ってくれる人もいるのかと、淑乃は心が温まった。
帰り道、旭と2人きりで帰ることになった淑乃。
バアルとは違う、普通の会話ができて淑乃はとても嬉しかった。
旭は顔を赤らめながら話していた。
そこへやってきたのはバアルだった。
淑乃は思わず叔父だと嘘をつき、旭と別れることにした。
旭は何も言えずに淑乃の後ろ姿を見送ることしかできなかったが、ふとバアルが淑乃の肩に手を置くのを見て不思議に思うのだった。
一方の淑乃は、旭のような人とだったら幸せになれるのかな…と考えていた。
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4話のネタバレ
デート
それから旭は積極的に淑乃に話しかけ、2人はよく昼食を食べる友達になった。
そして旭は淑乃を美術館に誘うのだった。
淑乃はデートの日、旭の優しさに包まれている気がして、デートの楽しさを実感するのだった。
バアルとは違う同世代の会話が楽しくて、すっかり日が暮れてしまった。
バアルはそんな2人の様子をずっと見ていたのだった。
淑乃を家まで送って行った旭は、そこで淑乃と別れた。
ドアを開けて淑乃を迎え入れるバアル。
バアルは一瞬だけ淑乃にハグをして、旭の方をギロリと睨みつけた。
旭は恐怖のあまり呆然としているのだった。
その夜、旭は悶々と淑乃とその叔父であるバアルとの関係を勘ぐっていた。
すると、彼女は実の叔父と寝ているという声が旭の頭の中に響いた。
旭は冷や汗をかきながらベッドのシーツを握りしめた。
その犯人はバアルだった。
バアルは旭の心の中に話しかけ、淑乃から旭を遠ざけようとしていたのだった。
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5話のネタバレ
研修旅行
淑乃は1週間研究旅行に行くことになった。
研修先の宿泊施設で、女子たちは風呂に入って恋バナをしていた。
淑乃は恋愛経験を聞かれたので、愛撫とか首筋にキスしたり…とためらいながらもいくつか挙げた。
すると周りの女子は吹き出した。
そして女子たちは愛撫とはどういうものなのかを、淑乃に教えた。
淑乃が固まっていると、女子たちは先に上がっていきバアルが入ってきた。
突然のことに驚いた淑乃だったが、淑乃はバアルに旭のことは諦めたことを報告した。
バアルに、旭とは幸せになれないと聞いた淑乃は思い直し、旭との恋愛を諦めることにしたのだ。
それを聞いたバアルは今月分の対価だと言って淑乃に愛撫をした。
淑乃はバアルに対価を払っている間はどうでも良くなってしまうのだった。
息が乱れる中、淑乃はバアルになぜいつもこのくらいで対価を済ませてくれるのかと聞いた。
バアルは、これ以上したら怒られると思ったからと言うのだった。
淑乃はそんなバアルの首筋を甘噛みするのだった。
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6話のネタバレ
手
ある日、バアルは数日間出張に行くと言って魔除の玉を渡し去っていった。
バアルは他の悪魔とともに淑乃について話していた。
すごい魂の持ち主だと悪魔たちは口を揃えて言うのだった。
そしていつものように情報交換が始まった。
どうやら大天使のラファエルが人間と契約している悪魔たちを狩っているそうなのだ。
淑乃は旭とご飯に行こうと道を歩いていた。
旭は淑乃と叔父の関係を聞こうとするが、なかなか聞くことができない。
その時対向車線から旭たちスレスレに車が走ってきた。
旭は淑乃の手を引いてそれを避けた。
車が去った後も淑乃の手には旭と繋いだ手の感覚が残っているのだった。
その夜、その手の感覚が忘れられずにどうしようもなく寂しくなった淑乃は、バアルを呼び出した。
何も言わずに淑乃はバアルに抱きつき、2人は手を繋いで夜を過ごした。
バアルは淑乃の寝顔を見ながら人間と結婚した悪魔の話を思い出していた。
下等な人間など玩具に過ぎないのだから…と言い聞かせながら、バアルは淑乃の手を固く握ったのだった。
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7話のネタバレ
夏祭り
淑乃は着物に着替えて夏祭りに参加していた。
もちろんそばには叔父を装ったバアルが付いていた。
バアルは手を繋ごうと言って淑乃の手に自分の手を絡ませた。
そして淑乃に微笑んだ。
淑乃は普段とは違ったバアルの表情に、ドキッとしてしまうのだった。
それを遠くから見ていたのは、旭だった。
何も言えず立ち尽くす旭は、やっぱり実の叔父と淑乃はそういう関係にあるのだと確信した。
旭は吐き気がしてうずくまるのだった。
バアルは悪魔の顔に戻りほくそ笑んでいた。
その夜、淑乃が寝静まった後バアルは一年分のアルバムを台所の方へ投げた。
お前たちがどれほど懇願しても、もうお前たちの女は私のものだとバアルは言うのだった。
バアルの言葉の先には、霊となった淑乃の両親がいたのだった。
両親が帰った後、バアルは淑乃の寝顔を見ながら、この娘は私の一番のお気に入りなのだから何があっても必ず自分のものにすると心に誓った。
命を投げ出してでもバアルは淑乃のことを手に入れようとしていたのだった。
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この愛は、異端。 1巻の感想
謎の美少女である淑乃とドS悪魔のバアルの2人暮らしのシーンから始まるこのストーリー。
いろいろな悪魔がいますが、バアルは性欲をつかさどる悪魔なのでしょうか。
望んでいる対価や言動が性欲の塊のような悪魔です。
そしてバアルは淑乃に対する執着が半端なく強いことも分かります。
それは淑乃の過去となんらかの関係がありそうですが、バアルが言うには魂が輝いているそうですね。
個人的にはバアルのドS発言にキュンとしてしまいました。
淑乃は叔母の家でも続けて男性に襲われてしまいましたが、これも魂が輝いているからなのでしょうか。
五千人に一人会えるかどうか、という確率だそうです。
いつも一緒にキスをしたりする2人ですが、2人の間には全く愛という感情がありません。
契約で引かれた一線を超えてしまえば、2人はどうなってしまうのでしょうか。
次巻に期待が高まります。
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