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Contents
私たちはどうかしている 4巻とは?
出版社:講談社
発売日:2017/12/13
作者 :安藤なつみ
一夜をともにし、距離が縮まったかに見えた七桜と椿だが、七桜の素性をつかんだ女将は監視の目をゆるめない。
何者かに狙われた七桜をかばいケガをした椿は、大事な茶会を前に七桜に自分の思いを告白する。
大旦那との確執を払拭するために、茶会をなんとしても成功させたい椿の壮絶な過去を知った七桜の心にも嵐が吹き荒れて!?
私たちはどうかしている 4巻のネタバレ
16話 偽りの心 のネタバレ
七桜の決断
お前はさくらなのかと問われる七桜。
七桜は必死に思いを巡らせる。
そして椿に閉じ込められた部屋で母の御菓子帳を見た記憶から、母が自分のことを愛していたのだと思い出した。
七桜には母の事件を明らかにするという決意がある。
そして再び覚悟した。
七桜はゆっくりと口を開き、私の名前は花岡七桜だと断言するのだった。
七桜には、地獄に落ちる覚悟すらあった。
椿は、15年前の記憶を呼び起こし、さくらは七桜のように真っ直ぐ自分を見たりしなかったと言う。
そして、七桜のその瞳が好きだと両手を頬に添えながら七桜にキスをする。
そして茶会へ出す御菓子は七桜が考えた落とし文のデザインに決定し、二人はその準備に取りかかるのだった。
七桜は振り返って掛け軸を見上げる。
掛け軸はさっきより大きく感じた。
落とし文
それからはひたすら茶会の準備を続けた。
何百個もの落とし文を作っていた七桜に見習いの城島が近付いてきた。
城島と七桜は御菓子作りの難しさについて意気投合する。
楽しそうに笑う二人を、椿は見ていた。
城島は七桜の御菓子に薄い色が多いのではと指摘する。
それは七桜が濃い赤色が苦手だからなのだが上手く言い訳できない七桜のところへ、椿がお前は全然分かっていないなと言いながら近付いてきた。
七桜の作る御菓子は薄い色ではなく淡い色で、この色は常人では出せないのだと椿は言う。
そして、七桜の作った御菓子を見つめながら七桜の色だとつぶやくのだった。
それを聞いた七桜は嬉しくなり頬を赤らめた。
城島が去った後、椿は七桜の笑っている顔を見たことがないと言う。
椿の前では緊張して上手く笑えない七桜の笑顔を見て、その顔が見られるのは俺だからなと言う椿。
そんな椿を見て、七桜は自分がさくらではないと嘘をついてしまったことに罪悪感のある七桜だった。
そこへ、先ほどのことを謝りに城島がやって来た。
落とし文という御菓子の意味についての話題になると、城島は親への想いとは違うもうひとつの意味の方が好きだと言う。
それは、隠された想いだった。
城島は七桜の顔をうかがいながら、その方がロマンチックだと言う。
それを聞いた七桜は城島からもらったお茶を飲みながら、昔の人は落とし文にどんな想いを隠していたのだろうと考えていた。
そして、気付かぬうちに七桜は眠ってしまった。
お茶会当日、完璧な落とし文が完成し満足げな椿と七桜。
その時、大旦那が先に茶会へ家を出るのが見える。
その姿を見た椿は、ひとつだけ自分に落とし文を作らせてほしいと七桜に頼んだ。
七桜はそんな椿を見て、昔大旦那と椿の間に何があったのかを尋ねるのだった。
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17話 嘘 のネタバレ
ゆうこの店
七桜の母親と名乗り光月庵に現れた女性、夕子は経営する?み屋で密かに七桜が来るのを心待ちにしていた。
すると、そこへ見慣れない客がやって来た。
その客は七桜ではなく、なんと女将だった。
夕子は女将に店のことを教えていないのに女将がやって来たことに驚いた。
実は先日城島が七桜に持って行ったお茶は女将が用意した物で、中には睡眠薬が入っていたのだった。
眠りについた七桜が来ていた服のポケットから、女将は夕子の店のカードを盗んだため、女将は夕子の店が分かったのだ。
そして女将は夕子が七桜の母親だという嘘を見抜き、その報復に夕子の店をつぶしに来たのだった。
女将が帰った後、悪いけど私は降ろさせてもらうよと夕子はつぶやく。
椿と大旦那
椿は七桜に茶会に行くための和服を着付けていた。
体に触れられるたび七桜は緊張してしまう。
そこで椿は、七桜に聞かれた大旦那との過去を語り始める。
15年前の事件以降、椿は父親と七桜の母がキスをしていたことを大旦那に隠していた。
キスしていると言う代わりに、もめていたと大旦那に伝えていたのだった。
大旦那に問い詰められ椿は本当のことを自白するも、椿は大旦那に失望されその時から椿の御菓子を食べてもらえなくなった。
また一方で大旦那は自分の息子の死を病死だと世間に嘘をつき、そのことについて自責の念を抱えていた。
椿と大旦那はそれぞれ心に傷を負い、二人の関係はすれ違っていったのだ。
椿が愛されて幸せな時間を送っていたと考えていた七桜は、それを聞き何も言えずに立っていた。
時間だ、行こうと椿は茶会へと準備を始める。
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18話 大事な茶会 のネタバレ
大旦那が来ない
茶会が始まる時刻になり、椿と七桜の緊張は高まっていく。
しかしまだ茶室に大旦那が来ていないことに気付く。
七桜と椿は大旦那を探しに茶室を出る。
二手に分かれて探していたところ、七桜が息苦しそうに歩く大旦那を見つける。
茶室へ行こうと階段を上る大旦那。
それを七桜が支えようとすると大旦那は激しく抵抗し、なれなれしく触るなと叫ぶ。
そして、お前は椿のどこが好きなのだと尋ねた。
大旦那は七桜が光月庵というブランドに惹かれて椿と結婚したのだろうと考えていた。
七桜はそれを否定し、椿がどれほど御菓子のことが好きかを語り始める。
そして、椿の御菓子に対する純粋さが好きだと大旦那に伝える。
大旦那は何も言わず、茶室へと向かうのだった。
まさかのアクシデント
茶会に向けて裏の台所で御菓子を出す準備をする七桜と椿。
すると、椿は七桜を後ろから抱きしめた。
椿の手は震えていた。
舌の肥えた客が満足するような御菓子かどうか、椿は少し弱気になっていた。
そして、大旦那に御菓子を食べてもらえるかどうか不安でいっぱいの椿に、七桜は絶対大丈夫だと力強く言った。
その言葉に安心したのか、椿は心が落ち着いたように見える。
そこへ茶会の主催者である亭主がやって来た。
亭主は完成した落とし文を見て感動するが、もう一つ頼んでいた商品がないと椿に言う。
亭主は小豆アレルギーの子どものために一つ御菓子を用意してほしいと光月庵に頼んでいたのだった。
そんなことは聞いていない椿と七桜。
誰かの仕業に違いないと思う椿だったが、茶会までの限られた時間の中でその御菓子作りに挑戦するのだった。
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19話 父と息子 のネタバレ
危機一髪
椿が選んだ御菓子は落雁だった。
落雁は粉をふるいにかけて型に押し込むだけのシンプルな御菓子で、小豆を使っておらず手間も少ないものだ。
材料は茶会が開かれる屋敷から借りることができたため、七桜は落雁を作るための型を光月庵まで取りに行く。
茶室では酒の振る舞いが行われ、茶会まではあまり時間が無かった。
もう間に合わないかもしれない、と椿が思ったちょうどその頃七桜が型を持ってきた。
二人は急いで落雁を完成させ、無事時間に間に合ったのだった。
椿の想い
茶会では、椿が御菓子の説明をすることになっていた。
椿は落とし文の意味を淡々と説明していくが、一通り言い終えたところで七桜の手を握る。
そして自分にとって外敵から自分を守ってくれる葉が光月庵で、それは父が遺してくれた大切な愛だと続ける。
しかし七桜の母とキスをしていた父親を見てからは、父のことが信じられなくなってしまった。
だが父の考えを継いで大切に残しておけば、いつかもう一度信じられる日が来る。
光月庵を継ぐ高月椿として、父のことをもう一度信じたい。
そんな思いから、椿は今まで御菓子作りから一度も目をそらさず努力を重ねてきたのだった。
大旦那は椿の想いを受け取り、御菓子を食べてくれるのだろうか。
そして、大旦那の前に、椿が作った落とし文が置かれた。
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20話 残された御菓子 のネタバレ
大旦那の決断は
茶会の参加者が落とし文を食べ美味しいと喜んでいる中、大旦那は身動き一つせずじっと御菓子を見つめていた。
そこで突然、すみませんと人を呼び御菓子を下げさせた。
七桜と椿はそれを見て何も言えなかった。
茶会が終わった後、椿は後片付けをしながら今日の茶会は成功だったと七桜に話しかける。
しかし、七桜は浮かない顔で大旦那に食べてもらえなかった御菓子のことを悔やんだ。
椿は少し笑って、分かっていたことだと七桜の頭をなでる。
そういう椿に対し、あんなに緊張していた椿の本心ではないことを七桜は悟る。
そして七桜は、茶会が終わり帰って行く客の中からずっと探していた謎の男性を見つける。
茶会に参加していた人が言うには、その男性はこの辺り一帯の土地の持ち主でいろんな事業を手広く行っているという。
急いで追いつき、その男性に話しかける七桜。
男性は多喜川と名乗り、茶会の御菓子は君が作ったのだねと七桜に言う。
初めて多喜川と七桜が会ったとき、多喜川は七桜の母親のファンだと言っていた。
茶会の御菓子は七桜の母の味に似ていたのだと多喜川は説明する。
昔、多喜川の家では七桜の母親が働いていた光月庵と長い付き合いだった。
光月庵に年の行事ごとに通う父が亡くなったとき、多喜川が父から七桜の母親の手紙を七桜に渡し七桜を助けるように頼まれたのだ。
多喜川は家族の思い出が感じられる和菓子の味にもう一度出会えたことがとても嬉しかった。
そして、七桜が御菓子を作り続ける限り僕が君を見守っていると多喜川は言うのだった。
七桜の心は温かい気持ちでいっぱいになった。
椿に呼び戻された七桜は、亭主のもと挨拶に行く。
そこで大旦那の残した御菓子を持ち帰りたいと告げると、御菓子は全て無くなったと亭主は言う。
実は、大旦那は御菓子を下げさせたのではなく持ち帰るために包むよう頼んでいたのだった。
涙
自分の部屋で椿の御菓子を口にしながら、息子のことを思う大旦那。
お前は椿のことを認めていたのかと遺影に問いかけるも、当然ながら返事はない。
食べ終わった後しばらく目を閉じ、まだまだだなとつぶやく大旦那。
それを見た椿は、涙を流していた。
部屋に戻った椿に、七桜は祝い酒を用意していた。
いいな、と笑顔を見せる椿は、七桜が正座をしているところへ寝転んできた。
膝枕をする七桜に、あんたどんな魔法を使えるんだと椿は問う。
10年間も自分の御菓子を食べてくれなかった大旦那が、桜と協力して御菓子を作ることで食べてもらえたからだった。
一度は諦めた茶会をやると言ってくれた七桜に、椿は礼を言った。
そして、御菓子を食べていた七桜の手を取り残った御菓子を舐め取った。
心臓が高鳴る七桜に、椿は優しくキスをする。
全部俺のものにしたいんだとささやく椿を、七桜は受け入れる。
全てを奪った憎い椿のその手を、七桜は振り払わず握り返した。
夜が更ける中、二人は体を重ね愛し合った。
黒幕の正体
女将は厨房である人物と話していた。
お茶会の御菓子に小豆を使わないものが必要だという変更を伝えなかった犯人はあなたなんでしょう、と女将は言う。
その人物はいつも涼しい顔をしている椿の絶望した顔を見たくなるんですよと返す。
あの子はそんなことで落ちたりしないと言う女将に、その人物はもっと良いことを思いついたのだとほくそ笑む。
大事な物を奪うんです、と言うその人物はなんと見習いの城島だった。
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私たちはどうかしている 4の感想
七桜は自分がさくらではないと嘘をつきました。
母の事件の真相を必ず明らかにするという七桜の強い意志が感じられました。
そして、明かされる大旦那と椿の過去。
実は椿が直接犯人を見たというわけではなく、犯人は絶対七桜の母親だという憶測で彼女を摘発したことも分かってきました。
加えて七桜はついに謎の男、多喜川に会って話を聞くことができました。
多喜川は事件について何も語りませんでしたが、七桜が御菓子を作る限りずっと見守っているという多喜川に、七桜は親のような安心感を抱いたのではないでしょうか。
なんと言っても今回の見所は大旦那が椿の御菓子を食べてくれたことだと思います。
椿は大旦那に嘘をついてしまったこと、父親を信じられなくなったことを後悔していました。
しかし、和菓子を作ることでもう一度やり直したいと考え、その想いを落とし文に乗せたのだと思います。
大旦那が自分の和菓子を食べてくれたことを知り涙する椿。
大旦那の意地悪には慣れていると口では強がっていたものの、10年間食べてもらいたくてたまらなかったのでしょう。
そんな大成功を収めた茶会を支えたのは七桜。
今回の茶会を経て、椿はさらに七桜に惹かれていきました。
二人の情熱に溢れた御菓子職人が起こす奇跡は、これからも続きそうです。
最後のシーンでは、女将とともに七桜と椿の結婚生活を邪魔していた人物が城島だと分かります。
あれだけ爽やかで人柄の良いキャラだったので、すこしショックでした。
城島は大切なものを奪うと言っていましたが、それはいったいなんなのか。
次はどんな仕打ちを行うのか。
少し不吉な雰囲気で幕を閉じた4巻。
七桜、そして椿のこれからに目が離せません。
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