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Contents
私たちはどうかしている 3巻とは?
出版社:講談社
発売日:2017/9/13
作者 :安藤なつみ
光月庵に住み始めた七桜(なお)は、とあることから大旦那の逆鱗に触れる。
椿は七桜と部屋をともにすると宣言。
肌を重ねた二人だが、椿の口から出た「さくらが目の前に現れたら消えてもらう」という言葉に凍りつく。
憎しみに囚われている椿の本当の心はどこに!?
“七桜の母”を名乗る人物も現れて混乱する七桜を、椿はある部屋に閉じ込めてしまう!!
私たちはどうかしている 3巻のネタバレ
11話 15年まえの春 のネタバレ
さくらと七桜
さくらが現れたら俺の前から消えてもらうと言う椿。
その理由は、さくらの母が椿の父親を殺したからだった。
15年前、椿は父が死ぬ前の夜に父親とさくらの母親が抱き合っているところを目撃したという。
その日から、椿にとってさくらという存在は真っ黒な闇のような憎しみに変わってしまったのだ。
七桜は母親が椿の父と不倫関係にあったことにショックを受け固まってしまう。
七桜の様子を心配し髪の毛に触れようとする椿の手を払いのけ、七桜は椿を拒んでしまった。
そして七桜は自分がさくらであることを絶対に知られてはいけないと決心する。
正体がばれた!?
次の朝、七桜は女将に呼ばれてタンスを整理する手伝いをすることになった。
椿と七桜が結婚式を挙げると聞き、女将は光月庵に代々伝わる着物を用意したのだ。
その着物は、なんと真っ赤な椿の花柄だった。
赤色が苦手な七桜は着物を見てパニックを起こしてしまう。
呼吸が荒くなる七桜に、女将は七桜の母親について尋ねる。
頭が真っ白になる中、七桜は必死に交通事故で亡くなったのだと嘘をついた。
実は、女将は七桜が15年前母親に連れられて光月庵に来た子どもなのではないかと勘付いていたのだ。
これを盗み聞いていた椿は、さくらの面影に似た七桜を見て七桜がさくらなのではないかと疑い始めた。
七桜が何かを言ってごまかそうとしているちょうどその頃、七桜の母親だと名乗る女性が光月庵を訪れたのだった。
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12話 現れた母 のネタバレ
椿の回想
15年前、大旦那はさくらの作る御菓子に惚れ込んでいた。
しかし椿の父が亡くなった後さくらは追い出され、大旦那は息子を失ったショックから何日も臥せってしまった。
幼い椿は大旦那を元気づけようと自分でこしらえた御菓子を大旦那に食べてもらうが、大旦那は喜ぶどころか違う、こんなものはいらないと言い放った。
そして、さくらの作った御菓子が食べたいとつぶやいた。
一生懸命作った御菓子が全く受け入れてもらえず、椿の目の前は真っ暗になった。
七桜の母親
現れたのは、黒い短髪をしていて着物を着た女性だった。
七桜はこの女性を全く知らなかった。
その自称母親の女性は、光月庵の親族に対し事実ではない故郷の話や七桜の経歴を話した。
何が起きているか分からない七桜だったが、自分がさくらであることを隠すため必死で話を合わせる。
一通り話した後、その母親という人はお店の迷惑になるからと足早に店を出て行った。
見送ると言ってその女性を追う七桜。
その女性の正体を問い詰めると、女性は近くの町の外れで小さな?み屋を経営しているという。
今回の件は、その?み屋の常連の頼みだったと女性は言う。
七桜は、女性の言う常連客が雨の日にしゃがみ込む七桜に手紙を渡した眼鏡の男性ではないかと思い、なんとかその人に会わせてほしいと頼み込む。
その男性なら、母親の潔白を証明してくれるのではないかと七桜は考えていた。
女性は経営する店の住所を七桜に渡し、その男性に会えるかは分からないが来たら良いと告げ帰って行った。
閉じられた部屋で
見送りを終え光月庵の屋敷に戻った七桜を椿が待っていた。
椿は、結婚式には七桜の母親も来てもらうよう勧める。
七桜はさくらではないかと疑われていたが、その疑いが晴れたのだと思い胸をなで下ろした。
そして、椿は結婚式のために作りたい菓子があると七桜を奥の部屋に七桜を連れて行く。
人気の無い薄暗い部屋に着いた時、椿はただならぬ雰囲気で七桜を見ていた。
七桜は、疑いが晴れたのではなくこれから問い詰められるのだと悟り、部屋から出ようとするがそこへ立ちふさがる椿。
俺は信用ならないヤツほど手元に置いておく主義なんだと七桜にささやき、後ろ手で部屋の鍵を閉めるのだった。
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13話 閉じ込められた部屋で のネタバレ
閉じ込められる七桜
ここでならゆっくり話ができるな、と七桜に近付く椿。
七桜の目的は何なのか、七桜はなぜ椿との結婚を承諾したのかと椿は聞いた。
七桜は、ただ御菓子が大好きで御菓子を作りたかったのだと訴える。
それを聞いた椿は、それなら他には何もいらないのだなと七桜を部屋に残したまま出て行き鍵を閉めてしまった。
七桜は必死に出ようとするが扉はびくともしない。
どうしていいか分からず途方に暮れる七桜であった。
母親の御菓子
閉じ込められてからどれくらい経ったのかも分からない七桜。
部屋の隅にある棚をのぞいてみると、そこには美しい型抜きがたくさんしまってあった。
本棚にはレシピを蓄積した資料が綺麗に整頓されている。
その中から七桜は15年前に書かれたレシピを開き、そこに母の文字を見つける。
母が書いたレシピは桜をモチーフにしたものばかりで、幼い頃病気がちで桜を見に行けなかった七桜のために母がせめて桜の和菓子を作ろうとしていたのだと七桜は知った。
椿の証言から母が不倫をしていたのではないかと疑っていたことを、七桜はひどく反省したのだった。
こんなところで大人しくしていられないと力が湧いてくる七桜。
そして七桜はある作戦を思いつくのだった。
いざ、脱出
次の日、部屋の扉を開けた椿は七桜が仰向けで倒れているのを発見する。
椿が焦って揺り起こしたところ、七桜はふと目を開けて逃げようとする。
それをすかさず制止する椿に、七桜は深いキスをするのだった。
椿の一瞬の隙を見計らい、七桜は部屋を飛び出し屋敷の出口を探す。
そこには、1階の七桜を見下ろす人物が。
次の瞬間、その人物は七桜に向かって大きな壺を落とすのだった。
七桜はまだ知らなかった。
椿が七桜を閉じ込めた本当の意味を。
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14話 お茶会の菓子 のネタバレ
危機一髪
落ちてくる壺を前に七桜は動くことができない。
そこへ、走ってきた椿が七桜に覆い被さり七桜を守ったのだった。
幸い、椿は右手の指を切っただけだった。
布団に横たわる椿の側で、七桜は椿が大事ないことに安心し涙をこぼす。
一方で椿は、女将が椿と七桜の結婚を妨害するために壺を落としたのではないかと予想していた。
つまり椿は女将が七桜の身を危険にさらすおそれがあると考え、七桜を屋敷の奥の部屋に閉じ込めたのだった。
七桜を守るために椿が部屋に閉じ込めたことを知った七桜は、椿の不器用さに呆れながらもその優しさに胸をときめかせる。
医師から処方された痛み止めが効いてきたのか、七桜は俺のそばにいろと寝言のようにつぶやく椿。
椿の看病をしながら、七桜は少しずつ椿への思いを膨らませていく。
もう一人の共謀者
薄暗い部屋の中で、女将はある人物に話しかけた。
あなたなのでしょう、余計なことをしたのは。
椿に光月庵を継いでもらわないといけないから、単独行動はやめてちょうだい。
こう告げた女将の方へ、その人物は暗闇の中でゆっくり振り向いた。
草薫会
目を覚ました椿の元へ、職人たちがやって来た。
彼らが言うには御菓子職人の憧れである茶会、草薫会に出す御菓子を椿に作ってほしいとのことだった。
せっかくの誘いだが、椿はきっぱりと断ってしまう。
右手の傷があるため、下手な御菓子を出して茶会を台無しにするかもしれないと考えたからだった。
しかし、七桜は椿の全身から御菓子を作りたいという意志を感じた。
そこで七桜は、引き受けてくださいと彼らに言うのだった。
私が手伝うからやってくださいと、七桜は椿の目を見て言う。
椿は職人たちを退出させ、また白藤屋の時のように俺に恥をかかせるのかと七桜に迫る。
違うと言いかけた七桜の手をつかんで椿は七桜を押し倒す。
七桜は、椿に光月庵を立て直してほしいこと、そして自分はその力になりたいことを真っ直ぐに伝える。
それを聞いた椿は起き上がり、あんたにしてもらいたいことがあると七桜を連れ出した。
椿の指示で和服を着た七桜が通されたのは茶室だった。
茶会では、御菓子ではなくお茶が主役。
茶会へ出す御菓子を七桜とともに作るために、椿は七桜に茶の世界を見てもらおうと考えていたのだった。
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15話 茶室 のネタバレ
椿のお茶
七桜が通された茶室は大旦那が師範の資格を取ったときに作ったものだ。
椿は幼い時から8歳頃まで大旦那に茶を教わっていた。
椿は、七桜に茶道の基本を教えていく。
茶室に入ったらまず掛け軸の方を向いて一礼する。
これは、神聖な床の間に飾られる掛け軸が茶室を形作るもっとも大事な道具であるからだ。
礼をした後、椿は茶を点て始める。
丁寧かつしなやかで流れるような椿の動作に七桜は見とれてしまう。
そして、七桜は椿の御菓子の美しさはこの茶道という世界に触れてきたからなのかと考える。
茶の飲み方にも数々の作法があり混乱している七桜に、椿は一期一会について語り始めた。
同じ季節に同じ客で茶会を開いても、それは二度と同じにはならない。
茶会で必要とされるのは、一期一会に似合う御菓子なのだと、椿は言う。
そこへ、大旦那がやって来た。
椿は大旦那に言われ茶を点てた。
それを飲んだ大旦那は、草薫会では御菓子を食べることはなさそうだなと吐き捨てた。
椿が御菓子を出す草薫会には大旦那も招待されている。
偽りの心を持つ者が作った物を食べる気にはならないと大旦那は言い、部屋を去るのだった。
大旦那が去った後、大旦那が食べずにはいられなくなる御菓子を作るよね、と七桜は椿の意志を確かめるように話しかける。
そう聞かれ、椿はもう作る御菓子は決まっていると言った。
それは、落とし文という種類の御菓子だった。
落とし文はオトシブミという昆虫が葉に卵を産み付けることを模した和菓子で、親の愛を伝える意味を持つ。
これは茶会が6月の父の日に開かれることから、茶会の主催者が希望した御菓子だった。
そして椿は大旦那の嫌みには慣れているから安心しろと七桜に言った。
七桜は、慣れていると言った椿が少し心配になった。
落とし文
夜になっても七桜は眠れなかった。
心ない言葉を浴びせられるたびに椿がお茶で心を落ち着かせてきたのではないか、心を殺してきたのではないかと考えてしまう七桜。
そんな中夜が明け、椿が目覚めた時には隣で寝ていたはずの七桜はいなくなっていた。
必死で七桜を探す椿。
それを見た城島は、あの人でも焦ったりすることがあるのかと驚いた。
椿は茶室でやっと七桜を見つけた。
七桜は一晩中、落とし文のアイデアを描いていた。
茶室の畳にはアイデアを描いた紙が無数に散らばっていた。
七桜は椿のこと、そして御菓子のことをもっと知れば15年前の事件の真実が見えてくるのではないかと考えていた。
椿は自分のために一晩中考えてくれた七桜を抱きしめ、俺のそばから離れるなって言ったよなとささやいた。
どんなことがあっても真っ直ぐ向かってくる七桜に、こんな女は初めてだと思う椿。
椿は、茶室に飾ってある掛け軸の意味について話し始める。
そこには不妄語戒と書かれており、この茶室で嘘をついたものは地獄に落ちるという意味だった。
嘘のつけないこの掛け軸の前で、椿は七桜に言う。
たぶん俺はあんたに惹かれている。
自分の我を通すための結婚相手としてではなく、一人の女として。
七桜は驚きのあまり何も言えずにいた。
しかし、椿はもし七桜がさくらならばこの気持ちを消さなければならないと言う。
そして次に七桜に問いかけた。
あんたは花岡七桜なのか、それともさくらなのか。
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私たちはどうかしている 3巻の感想
15年前の事件の真相が少しずつ明らかになってきました。
七桜の母親が椿の父親と不倫をしていたかもしれないということが分かり、七桜はショックを受けていましたね。
そして、なぜ椿がさくらを憎んでいるのかもこれで分かりました。
椿もまた、さくらの母親に自分の家族を壊されたと思っているのかもしれません。
そして大旦那に認められたいと思うも、大旦那はさくらの御菓子ばかり褒めることにも嫉妬していたのだと思います。
まだまだ真相は分かりませんが、椿の証言は3巻で公開されました。
次のヒントは眼鏡をかけた謎の男性でしょうか。
なぜ母親を名乗らせて女性を送り込んだのか、なぜあのタイミングだったのか。
その男性がキーパーソンなのは間違いありませんね。
加えて、女将だけではない黒幕の存在も明らかになりました。
2階から壺を落とした人物は誰だったのか。
またひとつ謎が深まったようです。
そして七桜は自分から全てを奪った椿のことを好きになってはいけないと思いつつも、徐々に椿に惹かれていきます。
近付かれた時にきゅんとしたり、椿の美しい作法に見とれてしまったり。
しかし、自分がさくらだと椿にばれたら家を出て行かなくてはならない七桜。
七桜は茶室の掛け軸の前で真実を打ち明けるのか、それとも嘘をついてしまうのか。
結果は第4巻を楽しみに待つことにしましょう。
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