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Contents
僕の初恋をキミに捧ぐ 10巻とは?
出版社:小学館
発売日:2008/1/1
作者 :青木琴美
事故以来、原因不明の頭痛に襲われていた昂は、恋人の五十嵐との電話中に倒れ、脳死と判定される!その昂の心臓が逞に移植されることに。昂の死と引き換えの移植に悩む逞は…!?
僕の初恋をキミに捧ぐ 10巻のネタバレ
51話 廃棄 のネタバレ
心臓移植
心臓移植すると、性格が変わって殺人鬼になってしまったという物語を思い出していた逞。
映画だったか、小説だったかに出てきたそんなストーリーを、逞は恐ろしいと感じていた。
窓の外を見つめると、そこには手を振る繭が立っていた。
繭を見つけるたびにトクンと跳ねる逞の心臓は、心臓移植をすると一体どこへ行くんだろうと逞は思うのだった。
繭の父親である主治医に、逞は相談をしていた。
実際に心臓移植をして人格が変わったという例は報告されているという。
逞は摘出された逞の心臓はどうなるのかと尋ねる。
先生は何のためらいもなく、廃棄されるよと言うのだった。
ゴミになるってことですか…と逞は途方に暮れるのだった。
一方、昂は食堂でタバコを吸おうと一本咥えた後、ライターを探したがそこには無かった。
そこへやって来たのは同じ学部の五十嵐だった。
五十嵐は昂が吸おうとしているタバコにライターで火をつけた。
しかし火をつけたタバコを奪い取った五十嵐は、自分でそのタバコを吸ったのだった。
病院行くまでタバコは没収って言ったよね?と五十嵐は言う。
実は昂は今まで頭痛に悩まされており、病院に行けと急かされていたのだった。
そんな昂を勉強に誘った五十嵐。
勉強会の日になり昂が五十嵐の家に行くと、そこには他に誰もおらず五十嵐と昂だけだった。
戸惑っている昂に対して、私の気持ちに気付いていたよね?と五十嵐は言う。
他には誰も来ないよ?と言われた五十嵐は昂のもとへ近付いた。
そんな五十嵐の顔に手を伸ばし、五十嵐は美人だしスタイルいいし気合うし、断る理由なんてないよと昂は言う。
しかし昂の脳裏には別の女の子の笑顔が浮かんでいた。
昂は五十嵐とキスをする直前で止まり、友達だからやめておくよと言うのだった。
そして泣き出しそうな五十嵐の頭を撫でて、俺なんかやめとけよと言うのだった。
帰り道、昂はキスしておけば良かったと後悔するも、一途に繭のことを思う自分に呆れたのだった。
次の瞬間、昂をまたもや頭痛が襲った。
昂はその場に座り込んで頭痛に耐えるのだった。
52話 灯火 のネタバレ
昔の恋
昂に振られた五十嵐は、少し落ち込んでいた。
そんな朝、昂は五十嵐に抱きついて挨拶を交わした。
昂は五十嵐が気まずく思っているだろうことを察して、無理に明るく振る舞っていたのだ。
五十嵐は昂のそういうところが好きだと言った。
俺様キャラを装っているけれど実は誠実で純情なところも、好きだと五十嵐は言う。
五十嵐は昂の胸に手を当て、私のこと好きになってと言うのだった。
その夜、昂は高校の同級生である耕太郎たちと飲みに行っていた。
耕太郎はそろそろ彼女でも作ったらどうなんだと言われるが、その質問には答えず黙っていた。
それとも…耕太郎は少し間を置いて、逞が死ぬのを待ってるとか?と言うのだった。
起こるぞ、と昂は耕太郎を睨み付ける。
事実を言っているんですよ、と耕太郎も冷静だった。
このまま待ち続けたら、いつか繭がフリーになるって思ってるんでしょ?
そう言われた昂だったが、昂は黙っていた。
違うならもう忘れるべきだと耕太郎は言う。
耕太郎も昂の苦しむ姿を見るのはもうたくさんだったのだ。
昂はタバコに火をつけてそれを深く吸った。
あいつは死なないよと、昂は言う。
繭のために、逞は絶対生き延びる。
俺は何だかそんな気がしているんだと、昂は言うのだった。
昂がバイトへ出勤すると、そこには何と五十嵐が新しいバイトとして入っていた。
昂は流石にストーカーみたいだぞと言うが、丁寧にバイト先の仕事を教えていった。
昂は五十嵐とはあまりコミュニケーションを取らないようにしていた。
優しい態度をとると五十嵐が傷ついてしまうことを知っていたからだ。
しかし昂がふと目を向けると、五十嵐は多すぎる食器を運ぼうとしていた。
昂は危ない!と思うも、それを助けたのは同じバイトの桜井だった。
桜井は五十嵐を狙っているようで、今夜バーに誘うと言っていたことを昂は知る。
昂は五十嵐のことなんて構うなと自分に言い聞かせるが、気付いたらバーまで来ていた。
バーでは桜井がロングアイランドアイスティというお酒を五十嵐に頼んでいた。
それを見た昂は、五十嵐の腕を引いて遅れてごめんなと言うのだった。
困惑している桜井。
そんな桜井をよそに、昂は五十嵐を店の外へ連れ出した。
実はロングアイランドアイスティは飲みやすいが酔いやすいお酒で、桜井はそんなことを知らない五十嵐を酔わせていやらしいことをしようとしていたのだ。
それを聞いた五十嵐は、昂に好きになってもらえないなら誰でもいいと思ったのだと、昂に言った。
しかしそんな五十嵐の口を塞ぐように、昂は五十嵐にキスをした。
俺にしとけば?と昂は聞く。
五十嵐は、小さく頷いてキスを続けるのだった。
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53話 不意 のネタバレ
五十嵐
次の日の朝、夜を一緒に過ごした五十嵐と昂は同じベッドで目が覚めた。
下着をとってと言われた昂は近くにあった下着をじっと見て、五十嵐が恥ずかしがる様子を楽しんだ。
そんな五十嵐にキスをして、可愛いと昂はつぶやくのだった。
今夜電話すると言って家を出た昂は、携帯電話を取り出して繭の携帯にかけるのだった。
そして繭に、俺彼女できたんだと言った昂は、そのまま電話を切った。
昂は上がって来た朝日を見ながら、ふっと笑うのだった。
その夕方、昂は逞の見舞いに来ていた。
昂は逞に高速で五十嵐の良いところを説明する。
逞はそれを黙って聞いていたが、昂が五十嵐との夜のことを話し始めたところで昂を帰らせることにした。
昂はまた来るよと言って病室を出たが、その近くにあったカードをスッと一枚手に取り、ポケットに入れたのだった。
約束の通り、昂は五十嵐に電話をしていた。
嬉しそうに電話に出る五十嵐。
昂に会いたいと五十嵐は言う。
そんな五十嵐に、今夜は絶対家に行くからと昂は言うのだった。
その時、鈍い音と共に昂の声が途切れた。
周りからは人が駆け寄ってくる声が聞こえる。
昂は駅のホームに1人、倒れ込んでいた。
54話 幸運 のネタバレ
ドナーカード
昂は逞が入院している病院の上の階に搬送された。
逞はその知らせを聞き見舞いに行ったが、そこには管に繋がれて眠っているような昂がいた。
心臓の波形はきちんと動いている。
そばにいた母親と律。
母親は、6時間経っても同じ状況なら脳死判定するそうよと逞に言うのだった。
自発呼吸がなく、脳幹反応もない。
それが脳死の判断材料となってくるのだ。
昂の母親は、昂がポケットに入れていたあるカードを出して、逞に手渡した。
それはドナーカードだった。
昂はそのカードの心臓の欄に大きく円をしていた。
昂は逞のために、もしもの時は心臓を移植することを認めていたのだ。
実は昂の父親も心臓病でこの世を去っていた。
必ず治すと約束していた昂とその父親だったが、結局父親は死んでしまい昂は嘘つきだと父親をしばらくの間恨んでいた。
しかしそんな昂も、最近は仏壇の前に手を合わせるようになる。
それが母親は嬉しくて、本当に嬉しくて…と呟き、大粒の涙を流した。
逞と出会って、昂は自分の父親が弱い人間では無かったということに気付いたんです。
母親はそう言って逞に近付いた。
昂の心臓移植に同意しますと、母親はドナーカードを手渡して逞に言った。
逞は一瞬何を言われたか分からず固まっていた。
あなたは生きるのと叫んだ母親。
心臓移植して、あなたは生き延びるのよと、逞は昂の母親から言われる。
その病室に入って来たのは繭の父親、つまり逞の主治医だった。
地理的条件や血液型から言ってもピッタリ合っている。
そう言って繭の父親は病室に入って来た。
君はもう充分に待ったのだから、移植を受けてもいいだろうと言われた逞は、しばらく黙っていた。
逞へ昂の心臓を移植することが決まったのは、それからすぐのことだった。
これで心臓移植が受けられると、繭の父親は嬉しそうだった。
おめでとうと言われた逞は、昂の綺麗な寝顔だけが脳裏に張り付いていたのだった。
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55話 表裏 のネタバレ
脳死
繭もその知らせを聞き、病室へとやって来た。
逞の頭を撫でた繭。
逞とは目が合わなかった。
逞はもう一度昂に会いに行こうと思い、上の階へ上がった。
エレベーターが開いた時、逞より先に走っていく女性がいた。
それは五十嵐だった。
五十嵐は眠っている昂の近くへ行って涙を流した。
昂の母親に事情を聞いた五十嵐は、心臓移植をするなんて嫌だと言うのだった。
昂はまだ生きているのに…と五十嵐は言う。
昂はヒゲも生えてきたし、呼吸もしっかり聞こえているのだ。
昂の心臓を移植して昂が死んでしまうなんて嫌だと、五十嵐は昂に抱きついた。
昂は生きているわ!と五十嵐は叫んだ。
うわああああ!と五十嵐を叫ぶ声を病室の外で聞いていた逞は吐き気がしてトイレへ駆け込んだ。
俺だって昂は生きていると信じたい。
そして俺は簡単には死なないし、生き延びなければいけない。
それは繭と結婚すると約束したからでもあった。
繭を幸せにしたいが、そのためには昂の心臓を移植しなければいけない。
逞はどうしていいか分からず、嗚咽をこぼすのだった。
56話 無私 のネタバレ
決断の時
繭は自分の父親が、脳死が本当に人の死なのかについて悩んでいた。
心臓外科医である繭の父親は、心臓移植をした時に、脳死の患者から心臓を摘出して腕が震えた。
俺が殺したのだと、父親は強く思ったのだった。
昂が俺のせいで死ぬなんて信じられないと、逞は叫ぶ。
それを男子トイレの外で聞いていた繭は堪えきれずにそこから立ち去った。
繭は昂との思い出を思い起こしていた。
どんなシーンでも、繭といる時は笑っていた昂。
ごめんね先輩、と繭は思う。
私は逞と一緒に生きたいと、繭は強く願うのだった。
病室で待っていると逞が帰ってきた。
私は逞に生きてほしいと思ってる。
繭は入ってきた逞に言った。
うん、と逞は力無く笑った。
だけど逞が嫌なら断ってもいいよ。
繭は言うのだった。
私のために心臓移植しなくてもいいよ。
繭は涙を流しながら、震える声でそう言うのだった。
逞は繭を抱きしめる。
ごめん…繭…。
と逞は言うのだった。
もっと生きたい… のネタバレ
怪談
病院に入院していたタクマは病院に出ると言われている幽霊が怖くて仕方が無かった。
午前2時になると、昔入院していたが病気で死んでしまった女の子の霊が出ると噂されていたのだ。
僕だったら絶対嫌だし、もっと生きたいとタクマは思う。
そう思ったタクマは病院の庭でボール遊びをすることにした。
それを陰から見ていたのは、何と幽霊の女の子だった。
女の子は子供たちを見て、もっと外で遊びたかったしもっと友達が欲しかったと嘆いた。
そして目から涙をこぼし、もっと生きたかったと言うのだった。
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僕の初恋をキミに捧ぐ 10巻の感想
逞の病気に関して、新たな進展がありました。
それは、心臓移植です。
心臓が悪い逞は、心臓を取り換えることで延命ができるのです。
しかしドナーとして候補になったのは昂でした。
昂は事故の衝撃で頭を強く打ってしまい、脳死状態になってしまいます。
そんな昂のポケットから出てきたのはドナーカードでした。
そこには心臓だけに大きな丸が付いています。
昂は繭を自分のものにしたいという気持ちより、繭に幸せになってほしいと思う気持ちの方が大きかったのではないでしょうか。
そんな昂のことを、五十嵐は好きになりました。
やっと結ばれた五十嵐と昂でしたが、昂が倒れてしまい五十嵐は途方に暮れます。
そして逞は昂の心臓を自分に移植することが決定し、ひどく動揺しました。
脳死は自発呼吸などがないとは言え、心臓は動いている状態。
その状態から心臓をとってしまえば、殺したように思う人もいるでしょう。
逞は自分が生きたいという思いと、昂への思いに板挟みになってしまいます。
さて最後に逞が言ったごめんという言葉の真意はどういったものなのでしょうか。
これからの展開に目が離せません。
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