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私たちはどうかしている 2巻とは?

出版社:講談社
発売日:2017/6/13
作者 :安藤なつみ

七桜(なお)を15年まえの幼なじみだと知らずに結婚を申し込んだ椿。
 
殺人罪の濡れ衣を着せられた母の真実を探りたい一心の七桜はそれを受け、光月庵に住み始める。
 
しだいに明らかになる確執と大旦那の恨み。
 
リベンジに動き出す七桜だが、椿が言い出した提案に息を呑む。
 
憎しみと同時に湧き上がる熱い思い。
 
七桜は彼を拒絶できない――!?

 

私たちはどうかしている 2巻のネタバレ

6話 嘘の代償 のネタバレ

七桜、大ピンチ

赤い色を見て一時はパニックを起こしたものの、回復した七桜は白藤屋の女将に頭を下げる。
 
優しい顔の女将は、和菓子は贈る側の気持ちが込められているものだと語る。
 
そして優しかった女将は冷徹な目を向け、七桜さんの気持ちは十分伝わったと薄ら笑いを浮かべた。
 
その瞬間、七桜はこれから白藤屋に二度と出入りすることができないことを悟った。
 
帰り道、雨の中落ち込んだ気持ちから傘を差せないでいる七桜に、椿はひどい顔だなと声をかける。
 
七桜は誰が和菓子を赤く塗ったのかに思いを巡らせていた。
 
椿は立ち止まり、七桜に向かってなぜ嘘をついたのかと問いただす。
 
実は七桜が白藤屋に向けて光月庵を出た後、椿は白藤屋に電話を入れていた。
 
そんな注文はしていないという白藤屋からの連絡で、椿は七桜の嘘に気がついたのであった。
 
けれども、全く七桜を責めるつもりはない椿。
 
分かっていることは光月庵の大切なお客様がひとり減ったという事実だと、椿は七桜に言い放つ。
 
七桜は母親を失ってから何度も何度も光月庵がなくなればいいと願っていたことを思い出した。
 
しかし光月庵がなくなってしまえば15年前の事件の真相が分からなくなってしまうと感じた七桜は、次の行動へ進むことを決意する。
 
翌日、早朝に光月庵の和菓子作り工房にやって来た七桜。
 
そこへ、見習いの城島が入ってくる。
 
工房でお茶を飲みくつろいでいる七桜は工房で過ごす時間が心地良いと感じていた。
 
これに共感した城島は七桜と意気投合し、二人は小豆の香りや年季の入った道具の奥深さを楽しげに語った。
 
話の中で、七桜は白藤屋に持って行った和菓子のことを口に出す。
 
見習いの城島は、光月庵の女将である椿の母親が白藤屋に持って行く和菓子のチェックを行っていたと七桜に言った。
 
今まで女将はそのようなことを一切行っていなかったから珍しかったと言う城島。
 
それを聞き、七桜は女将の元へ急いだ。
 
探し回ってようやく見つけた女将は、七桜の荷物をまとめている最中だった。
 
お客様に失礼をする人間は光月庵に置いておけない、出て行ってもらうと女将は言う。
 
女将は七桜を光月庵から追放するために、白藤屋へ持って行く和菓子を赤く塗ったのだと七桜は確信した。
 
冷徹な目で七桜を見下す女将。
 
七桜は女将から手土産にと握らされたお金を差し戻し、私は出て行かないと言い切った。
 
これには、白藤屋に許しを得ることが条件だった。
 
そんな強い七桜の姿勢に怒りがこみ上げた女将は、側にあった花瓶を疫病神と避け叫びながら七桜に投げつけた。
 
そして女将は何かに取り憑かれたように、蝶は同じ美しい蝶としか子孫を残さないのだと言った。
 
蛾を決して家族にしたりはしない、よそ者はいらないという女将の主張に、七桜は何も言い返すことができないのだった。
 

大旦那と椿

祖父と同じ部屋でくつろぐ椿。
 
祖父は椿が幼い頃さくらと呼んでいた女の子は見つかったかと椿に聞いた。
 
またその話ですか、と真面目に取り合わない椿。
 
家人に呼ばれ、部屋を後にしようとする椿に、祖父は自分がこの世で一番大切にしていることは何か分かるかと話しかけた。
 
何も答えない椿に対し、おまえは絶対にこの店を継ぐことはできないと冷たく言い放つ祖父であった。
 

追放

一方、女将はますます興奮して七桜の荷物を庭の池に捨てようとする。
 
それを必死に止める七桜であったが、一瞬の隙に荷物を奪われ池に落とされてしまった。
 
荷物の中には七桜は母親からもらった大切な桜の型抜きが入っていた。
 
なりふり構わず池に飛び込む七桜。
 
池の泥で汚れてしまった七桜に、女将はそんな汚い服で光月庵に二度と踏み入るなと言い放つ。
 
そこへ椿がやって来た。
 
七桜は光月庵では自分に手を差しのべてくれる人なんていないと失望していた。
 
そんな中、椿は何も言わずに七桜がいる池の中に入っていった。
 
驚きのあまり声が出ない女将と七桜。
 
椿は七桜の荷物を拾い上げながら、七桜にはまだここにいてもらうと言った。
 
先ほど白藤屋から和菓子の注文が入り、職人として七桜が指名されていたのだった。
 
その頃、白藤屋の女将は茶室でゆったりと抹茶を楽しんでいた。
 
女将は茶道の先生が点てたお茶に感動しながら、その先生の指示通り光月庵に和菓子を注文したことを伝えた。
 
その先生こそが、雨の降る夜しゃがみ込む七桜に母親からの手紙を渡した男性なのだった。
 
 
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7話 金科玉条 のネタバレ

究極の最中作り

白藤屋に指定された和菓子は最中だった。
 
中秋の名月という意味を持つ最中。
 
光月庵の最中は極限まで練り上げた粒あんで、口の中で最中の皮と一体となるのが特徴だった。
 
七桜はさっそく小豆作りに着手する。
 
小豆が炊き上がったら砂糖を加えて練り上げる。
 
一番のポイントは、照りが減り赤紫色になってくる練り上がりのタイミングを正確に見極めることだった。
 
そうして、和菓子職人としての経験で得た知識を発揮したあんこが完成した。
 
椿に食べてもらった結果は、全然ダメ。
 
和菓子の命とも言えるあんこを美味しく作るために、七桜は努力し続ける決心をするのだった。
 

女将の思惑

仕事終わりの夜、光月庵の職人である富岡のところへ椿の母親である女将がやって来た。
 
女将は七桜が厨房に入ることによって富岡の仕事がやりにくくなっているのではないかと心配し、富岡に酒をついだ。
 
小娘がちょろちょろして本当にやりにくいと答える富岡。
 
それを聞いた女将は富岡の肩にもたれかかり、光月庵の今があるのが富岡のおかげだとささやいた。
 
そして、自信を持って仕事がやりやすいようにやってちょうだいと富岡に七桜の邪魔をするようそそのかすのだった。
 

椿の秘密

翌日、七桜は富岡から作業の邪魔なので工房を使わせないと言われる。
 
隅だけでもスペースを貸してくれないかと頼む七桜。
 
しかし富岡は聞く耳を持たず、とにかくさっさと出て行けと言い捨てた。
 
厨房を使うことができなければ七桜はあんこを作ることができない。
 
絶望する七桜の後ろから、椿がやって来た。
 
椿は七桜が白藤屋からの注文品を完成させるまでは我慢してもらえないかと富岡に話す。
 
白藤屋からの依頼は店にとって名誉挽回するチャンスで、大切な注文だった。
 
そんな椿のお願いに富岡は知らないなと一蹴り。
 
これがお願いでなく命令でも七桜に厨房を使わせないのかと圧をかける椿。
 
富岡はそんな椿の態度を嘲笑した。
 
富岡が従うのは大旦那、すなわち椿の祖父のみだった。
 
光月庵の権限は大旦那にあり、お前には何の命令権もないと言われた椿は悔しさから拳を握りしめる。
 
しかし椿は悔しさを顔に出すことなく富岡の言うとおりだとだけ告げ、工房を後にした。
 
椿を追いかける七桜。
 
一人になった椿は柱に拳をたたきつけながら悔しさを滲ませていた。
 
それを陰で見ていた大旦那は、大事な手をそのように使うなと注意した。
 
椿は大旦那に厨房の指揮権をくださいと頼み込む。
 
しかし、大旦那は光月庵を正式に継ぐ者だけに譲ると言って聞かない。
 
その後継者はある道具を使うことができるという。
 
しかし、椿にはその道具を譲ることはできないと大旦那は言う。
 
それは、椿が大旦那の本当の孫ではないからだった。
 
居合わせた七桜はその事実を聞いて驚きのあまり言葉も出なかった。
 

光月庵の過去

大旦那が去った後、椿は光月庵で代々受け継がれている道具を七桜に見せた。
 
それは極上の和菓子作り道具であった。
 
光月庵では120年前、当時の名物だったまんじゅうの製造方法を店主の愛弟子が盗むという事件があった。
 
その愛弟子は新しく自分の店を開きそのまんじゅうを販売したため、光月庵はそのまんじゅうを作れなくなった。
 
それから光月庵では血縁を何より重要視し、秘密事項を家族内でのみ共有するようになり今に至るのであった。
 
光月庵の伝統的な道具は、ここ15年間使う者がおらずに眠っていると椿は言った。
 
15年と聞き、幼少期の事件を思い出す七桜。
 
そして、七桜は大旦那の本当の孫ではないという真意を椿に聞く。
 
大旦那は椿のことを女将が不貞したためにできた子どもだと思っていると、椿は言った。
 
そして、血のつながりよりも和菓子に対する愛情や意志の方が大切だと椿は自分に言い聞かせるようにつぶやく。
 
父親から光月庵はいずれおまえのものだと言われた過去、そしてずっと一緒に和菓子を作ろうと言った幼き日のさくらとの思い出が椿の頭に巡った。
 
光月庵は絶対誰にも渡さないと、椿はまっすぐ前を向いて言った。
 
一方七桜は、15年前にどうして椿があんな証言をしたのかを聞くことができず後悔していた。
 
そして同時に、その答えを聞くのが怖いとも思っていた。
 
そんな中、光月庵の屋敷の中で七桜は見習いの城島と会う。
 
城島は、七桜に渡したい物があって七桜を探していたのだった。
 
城島が渡した物とは、光月庵のあんこだった。
 
城島は七桜にはまだ光月庵にいてほしいという思いから職人の富岡に秘密であんこを七桜に手渡した。
 
七桜は城島の思いに感動し、白藤屋に許しを得るため最高の最中を作ることを決意する。
 

だまし討ち

その夜、富岡は女将に呼び出され屋敷の部屋にやって来た。
 
さすがに屋敷の中はまずいといいつつも、背中を向けている女将に近寄り後ろから抱きしめ、早く自分に新しい店をくれよとささやく。
 
すると富岡が女将だと思っていた人物は立ち上がり、下衆いですねと告げる。
 
なんと、そこには女将の着物を羽織った椿が立っていた。
 
 
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8話 美味しいあんこ のネタバレ

嫉妬…?

城島からあんこをもらった七桜だったが、自分であんこを作りたいという気持ちからあんこを城島に返してしまう。
 
七桜は夜の10時以降ならこっそり厨房を使うことができると考えていた。
 
何回も何十回も試作できることを考えたらワクワクすると、七桜は和菓子作りを愛する気持ちを思い出すのだった。
 
七桜の情熱に、城島も早く実家の菓子屋を継いで親を安心させたいという思いを吐露する。
 
そんな中、七桜は城島の目の下にあんこが付いていることに気付く。
 
城島は気付いていないようなので取ってあげようとすると、城島は顔を赤らめた。
 
そこへ、偶然やって来た椿が割って入る。
 
おい、俺の嫁だぞと注意された城島は気まずさを感じその場を立ち去った。
 
ずいぶん城島と親しくなったんだなと椿に言われ、別にそんなのではないと否定する七桜。
 
一方で、椿が七桜にやきもちを焼いたのかと気になる七桜であったが、今はあんこづくりに集中しようと意識する。
 

椿とのあんこ作り

あんこを作りながら、七桜は母親との思い出を椿に語った。
 
どんなに忙しくても絵本を読んでくれる母だったが、あんこを作っているときだけは一日中ずっとあんこの側を離れずあんこを見つめていた。
 
その時、七桜は子どもながらにあんこの魅力を感じた。
 
それを聞いて、椿は七桜の母親が菓子職人だったことを知る。
 
そして、あんこは自分を映す鏡だと椿は言った。
 
自分の感情や置かれている状況によって味が大きく変化するからである。
 
だからあんこ作りの時、俺は少し怖いとつぶやく椿。
 
七桜には、椿の言葉の意味が理解できなかった。
 
次の日、女将は七桜が厨房を使ってあんこ作りをしていたことを知り富岡に問いただした。
 
富岡は先日、椿に騙され女将との関係を知られてしまったため厨房の使用は椿に任せていた。
 
自分の思惑に反して七桜に厨房を使わせた富岡に女将は呆れかえり、富岡との関係を絶ってしまうのだった。
 

あんこの完成

 
何回も試作を重ねた七桜は、光月庵のあんこを作る技術を身につけた。
 
加えて椿は七桜に自分が美味しいと思うあんこを作ってみろという課題を課す。
 
そこで七桜が隠し味として使ったはちみつが功を奏し、オリジナルの美味しいあんこが完成したのだった。
 
これを食べた椿は白藤屋にこのあんこを使った最中を持っていくことに決める。
 

リベンジ

後日、七桜と椿は2人で白藤屋へ向かった。
 
そこで七桜が出した最中を口にした白藤屋の女将は、昔から食べていた光月庵の最中の味と全く変わらない味だと言う。
 
椿は予想外の出来事に驚きその最中を一口食べると、七桜が開発したオリジナルのあんこではなく確かに光月庵の最中の味であった。
 
七桜は、注文された最中を作る前に白藤屋からの注文履歴を調べていた。
 
過去の注文履歴に最中はひとつも無かった。
 
つまり、白藤屋にとって最中はふと思い立ったときに買いに行く身近な存在であったのではないかと七桜は考えた。
 
いつもと変わらない味に意味もなく嬉しくなるようなそんな最中を作ることにしたため、オリジナルのあんこではなくあえて光月庵伝統のあんこを使ったのだった。
 
白藤屋の女将は、あまりの美味しさに笑みがこぼれた。
 
 
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9話 夫婦らしいこと のネタバレ

結婚式

七桜の最中を食べ、これからも光月庵の和菓子を買うと言った白藤屋の女将。
 
光月庵に居続けることができるとほっとした七桜に、女将は結婚式の予定を尋ねた。
 
式の予定はないと椿が答えると、女将は大反対。
 
人生の節目や行事に菓子を作る職人なら、なおさら結婚式は大事にしなさいと女将は言うのだった。
 

夫婦

帰り道、気まずい空気の中七桜は椿の意向に反して光月庵のあんこを使った最中を作ったことを怒っているのかと聞いた。
 
椿は立ち止まり、七桜に向かってどうしてひと言も相談がなかったのかと返す。
 
二人の間には険悪な雰囲気が漂う。
 
椿はふっと笑い、こんな仲で結婚式なんて挙げられないよなとつぶやきながら七桜の前を歩いて行った。
 
冷たく言い放たれてうなだれる七桜は、仲睦まじく手を繋いだ夫婦が歩いて行くのを羨ましそうに見つめる。
 
それを見た椿は手を差し出して一度夫婦らしいことをやってみるかと言い七桜の手を握った。
 
七桜はドキドキなんてしていないと自分に言い聞かせつつも頬を赤らめる。
 
心の距離が縮まったと思った七桜は、椿に大旦那とちゃんと話すことを提案する。
 
しかしそれを聞いた椿は繋いでいた手を離し七桜の目も見ずに、白藤屋に少し褒められたくらいで分かった気になるなと冷たい言葉をかける。
 
七桜が言い返すひまも無く、椿は足早に先に帰って行ってしまった。
 

光月庵の親族との食事会

その夜、雨戸を閉めている七桜のところに大旦那がやって来た。
 
白藤屋には昔ながらの最中を持っていき、そして白藤屋の許しを得たことを大旦那は知っていたのだった。
 
白藤屋の信頼を失わずに済んだのは七桜のおかげだと、大旦那はお礼にと七桜を光月庵の親族の食事に招く。
 
椿がお酒を取りに席を立つと、大旦那は七桜に落雁という和菓子について語り始めた。
 
落雁は職人のセンスが追求される和菓子で、長く食べてもらえることが特徴だ。
 
この落雁の売れ行きが良くため販売を中止すると言っている椿のことを大旦那は激しく批判した。
 
それに対し七桜はそんなことはないと思いますとハッキリした口調で言い返した。
 
そんな七桜に、椿のことを愛しているのかと問う大旦那。
 
はい、と七桜が答えたとたん大旦那は嘘をつくなと大きな声で叫ぶ。
 
大旦那は語り始めた。
 
この家に入り込んできた女は二人。
 
一人目は大旦那の息子を愛していると言って近付き違う男との子どもを残した女将。
 
二人目は職人だと言って入って来て大旦那の息子、つまり椿の父親を殺した。
 
七桜は、この二人目の女性が自分の母親だということがすぐに分かった。
 
お前は私の大切な何を奪うつもりだと叫びながら、鬼の形相でじりじりと七桜に近付く大旦那。
 
恐怖ゆえに声も出ず心の中でやめてと叫んだ瞬間、椿が大旦那の頭にコップの水を浴びせた。
 
僕の妻をいじめないでもらえますか、と椿は大旦那を見下しながら言う。
 
そして怯えた七桜の肩を抱いて、俺の部屋に来いとささやくのだった。
 
 
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10話 ひとつの部屋で のネタバレ

同じ部屋

椿は七桜と部屋を一緒にすることで、夫愛し合っているということを大旦那に証明したかった。
 
部屋を出ようとする二人に大旦那は、椿が今までも女性をさんざん傷つけてきたのだから今回も上手くいくはずないと吐き捨てる。
 
険悪な雰囲気の中、七桜は椿との結婚を認めてくれたことを改めて大旦那に感謝し頭を下げる。
 
七桜の思いがけない行動に、大旦那は何も言わなかった。
 

さくら

大旦那の前では平静を装っていた七桜だったが、大旦那にひどい言い方をされた自分の母親のことを何も言い返せなかったことに悔しさを滲ませた。
 
その夜、風呂を終え寝室に入った七桜は二つ並んで布団が敷かれている布団を見て少し緊張してしまう。
 
椿は先に奥の布団で横になり背中を向けていた。
 
隣の布団に入った七桜に、椿は七桜という名前には桜という文字が入っているんだなと言う。
 
そして七桜に、昔さくらという名前の女の子がいたことを話し始める。
 
さくらは大人しくて泣き虫だったが、暗い部屋の中で唯一の明かりだったと椿が言う。
 
七桜は、椿がさくらは幼少期の自分だとは分からなくても、さくらという存在を覚えていてくれたことに胸をときめかせる。
 
椿は七桜が光月庵の資産や名誉を狙う他の女とは明らかに違う雰囲気を感じていた。
 
そして、いつしか七桜を求めている自分がいることに気付く。
 
頬を赤らめてそっぽを向く椿に七桜の思いは溢れた。
 
七桜は椿を後ろから抱きしめる。
 
椿はそれに応えるように振り向き、七桜の手を取りゆっくりとキスをした。
 
そして、今夜二人は初めての夜を過ごした。
 
後ろから抱きしめる椿に、七桜はもしさくらという子が目の前に現れたらどうすると尋ねた。
 
それに対し、椿は怖い目つきで俺の前から永遠に消えてもらうと答えたのだった。
 
 
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私たちはどうかしている 2巻の感想

ついに椿と七桜の恋愛が動き出し、キュンキュンが止まりません。
 
前半部分は心の距離が近付いたり離れたりの繰り返しでした。
 
しかし、最後には二人が互いに好きという感情を自覚し、お互いに歩み寄っていきます。
 
個人的には爽やかで少し可愛らしい見習い職人の城島くんと七桜のやりとりがとても好きです。
 
3巻以降、この二人の関係性にも進展があればなと密かに期待しています。
 
10話にあった椿が七桜を心のよりどころとしていたことに気付くシーンは、椿が顔を赤らめていましたね。
 
椿が普段見せない顔を見せるということから、二人の距離が確実に縮まっていると分かります。
 
一方、椿の光月庵での立場や15年前の事件については未だ進展なし。
 
ただ、椿の立場については七桜の奇想天外な行動により少しずつ良い方向に向かっているのではないかと思います。
 
椿の妻として、そしてビジネスパートナーとしての七桜のポジションに目が離せません。
 
そして10話に終わりには、さくらが現れたら消えてもらうという椿のひと言が衝撃的でしたね。
 
暗い部屋で唯一の明かりだったさくらという存在を、なぜ消さなければならないのか?
 
15年前の事件と関係がありそうです。
 
第3巻への期待が高まります。
 
 
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