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バラ色の聖戦 7巻とは?

出版社:講談社
発売日:2012/2/13
作者 :こやまゆかり

モデルの世界には戻らない! 夫のため、子供のため、決意したはずなのに……。――モデルになる夢を捨てた真琴(まこと)は、辛い現実のなかで自分を見失っていく。親友の美鈴(みすず)はモデルとして頭角を現すが、紗良(さら)の逆鱗に触れ、新たなる標的とされる。再び仕掛けられる恐るべき罠! 紗良は、名声の先に何を手に入れたのか――。彼女を脅かすものとは?

 

バラ色の聖戦 7巻のネタバレ

Stage.31 笑顔の裏で……。 のネタバレ

紗良の財布紛失事件

野外での撮影後、ロケバスに戻った紗良は
“財布が無い…!!”
と言った。
 
スタッフや他のモデルたちも紗良の財布を探すが、見つからなかった。
 
スタッフが
“荷物を調べましょうか”
と言うと、紗良は
“こんなことで誰かを疑うなんてできない”
“さわがせてごめんなさい”
と言うのだった。
 

動き出した紗良

栄子は、紗良に
“さっきの財布の件ですがあれ…もしかして美鈴さんが盗ったんじゃないでしょうか”
“美鈴さんお金に困ってるみたいだし…”
と言った。
 
すると紗良は
“そう…じつを言うと私もそう思ってるの”
“でも証拠が無いしね…”
と言った。
 
紗良は
“あんな子と一緒に仕事したくない”
“現場をつかんで暴いていたらVENUSをやめさせることできたんだけど…”
と続けた。
 
それを聞いた栄子は、拳をぎゅっと握りしめるのだった。
 

美鈴を陥れようとする栄子

栄子は撮影に使われたシャネルのバングルを手に取った。
 
そして美鈴のカバンの中にそのバングルを入れるのだった。
 

シャネルのバングル紛失事件

シャネルのバングルが無くなったことに気付いたスタッフたちは
“大変恐縮なんですがみなさんのお荷物を調べていただきたいと思います”
と頭を下げた。
 
自分のカバンの中を見た美鈴が青ざめて固まっていると、モデルの1人が
“あったわ…!!”
“美鈴さんのカバンの中…!!”
と言った。
 
美鈴は青ざめた顔のまま
“あたし知りません、あたし…なんにもしてません”
と首を横に振った。
 
スタッフたちは
“わ…わかってるわ、こっちのミスです”
と苦笑いをした。
 
すると栄子は
“そんなミスあるかしら、盗ったとしか考えられない”
“さっきの紗良さんの財布も美鈴さんが犯人なんじゃないの”
と言った。
 
美鈴がなんの反論もせずに茫然としていると
“あー、ごめんなさい”
と茜子が話に入ってきた。
 
茜子は
“犯人はあたしだわ”
“買取したいなと思って手に取って見てたの、戻したつもりが美鈴さんのカバンに入れちゃったのね”
“さわがせて悪かったわ”
と言うのだった。
 

わざと余計なことを言う紗良

美鈴が茜子にお礼を言うと、茜子は
“気を付けなさい”
“出る杭打たれるならまだマシ”
“引き抜かれたらおしまいよ”
と言った。
 
その後紗良は
“美鈴さんがドロボーなんてするわけないよね、お父さんの入院費稼ぐために必死にバイトまでして頑張ってるもんね”
と言うのだった。
 

微笑む栄子

美鈴は現場での皆の視線やカバンの置き方から、自分は警戒されていると感じ取った。
 
美鈴は顔面蒼白で
“茜子さんが言ってくれても疑い晴れてなかったの”
“私のことやっぱりドロボーだと思ってるの”
と思うのだった。
 

微笑む栄子 2

美鈴は撮影が始まってもかなしい気持ちを引きずり、全く笑顔をつくれなかった。
 
カメラマンが
“モデル交代!こんな写真いくら撮ってもムダだ”
と言うと、栄子はすかさず
“私にやらせてください”
“絶対にいい表情キメる自信あります”
と言った。
 
結局美鈴の位置は栄子に取られ、美鈴は青ざめた顔で撮影の様子を見ているのだった。
 

うまくいかなかった撮影の帰り道

美鈴は、現場へ同行してくれたまどか社長に謝った。
 
まどか社長は
“人から露骨に陥れられたことや周囲に猜疑心持たれるなんてことなかった子だからダメージが強すぎまる”
“まずいなこのままじゃ…”
と思うのだった。
 

負のスパイラル

まどか社長から7件の不合格通知を受け取った美鈴は
“うそ…”
とショックを受けた。
 
美鈴は仕事が無くなっていく不安と、悔しい気持ちを経験し
“真琴さんもこんな気持ちだったんだろうな”
“何度も紗良に陥れられて”
と思った。
 
そして
“少しだけならいいよね”
と拳を握りしめ、ドーナツ店に入るのだった。
 

落ちていく美鈴

モデル仲間から美鈴がドーナツを大量買いしていたと聞いた紗良は、涼しい顔で
“あんなに恵まれた子なのにどうしたのかしらねえ”
と言った。
 
その後紗良は
“そろそろとどめの時期かもねえ”
とひとり言を言うのだった。
 
 
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Stage.32 深みにはまって……。 のネタバレ

らしくない美鈴

美鈴の変化にひと目で気付いたまどか社長は、美鈴を呼び
“あんた何キロ太った?”
と聞いた。
 
美鈴は重い口を開き
“…4キロです”
と答えた。
 
するとまどか社長は
“たった1週間で!?いつ仕事が入ってくるかわからないのにそれでもプロか!?”
“今すぐ走って身体しぼってこい!”
と叱った。
 
まどか社長が
“プロ意識の高い美鈴がこんなことになるなんて…ちょっと休ませたほうがいいか…”
と考えていると、美生館から電話がかかるのだった。
 

美生館からの電話

美鈴は
“バガだ私、自分が情けない”
“だけどどうしたらいいの”
“なんでこんなことになっちやったの…”
と思いを巡らせながらランニングしていた。
 
そんなときまどか社長から呼び出され、美鈴は美生館へ向かうことになったのだった。
 

泣き崩れる栄子

美生館の社員は美鈴に自社CMの出演依頼をし、当初出演予定だった栄子に降りてもらうと話した。
 
紗良は驚く栄子に対し、美鈴のカバンにバングルを入れるところを見たと話した。
 
そして
“私あなたのようなやりかたする人間許せないの”
“美生館のにそういう人間使いたくない”
と言った。
 
美生館の社員は
“お帰りください栄子さん”
“もうお話はありません”
と、冷たく言うのだった。
 

取引

紗良は栄子の事務所のマネージャーと共に、まどか社長と美鈴に詫びを入れた。
 
そして
“みんなにも美鈴さんはそんなことする人じゃないって話しておきます”
“おわびと言ってはなんですが…ぜひこの機会にCMに出ていただきたいの”
と言った。
 
この取引は悪い話ではないと思ったまどか社長だが、美鈴がベストな状態ではないことを理由に断るのだった。
 

美鈴の本音

まどか社長と2人になった美鈴は
“あたし…出たいです”
“全国ネットのCMなんて…こんなチャンスめったにありません”
と言った。
 
まどか社長は
“…だけど私は賛成できない”
“以前の真琴のこともある…万が一ワナだったら”
と心配した。
 
すると美鈴は
“紗良が私を陥れる理由はないと思います”
“お金も必要なんです、CMはギャラが大きい”
と話した。
 
美鈴の事情を考慮したまどか社長は、CMの話を引き受けることにしたのだった。
 

一抹の不安

美鈴は真琴に、CMに出演することになったことを電話で報告した。
 
とても喜ぶ真琴だったが、その話に紗良が関わっていることを知ると
“なにもなければいいけど…”
と不安に思うのだった。
 

青ざめる美鈴とまどか社長

現場に到着した美鈴は、衣装を見て青ざめた。
 
紗良から
“身体に布を巻きつける”
と聞いていたまどか社長と美鈴は
“身体のラインをかくせる”
と思っていた。
 
美鈴は、衣装を着た紗良と彩希を見ながら
“2人ともなんて細くてキレイなの…!!”
“こんなんじゃあたしの身体出せない…!!”
と思うのだった。
 

さらし者

この日のために過酷なダイエットをしてきたという2人と並んだ美鈴の身体は、カメラを通すとよけいに太く見えた。
 
どう見せるか悩んでいるスタッフを見た美鈴は
“あたしのせいでみんなが悩んでる…”
とショックを受けた。
 
そこへ観光客が集まって来て
“なんかひとり太くね?”
“後のふたりすごくキレイなのにー”
という声がした。
 
さらし者になっているうえ、転んでしまった美鈴は
“私…もうこれ以上できません…”
“このお仕事辞退させてください…!”
と言った。
 
その様子を見ていた紗良は、薄ら笑いを浮かべるのだった。
 

紗良の魔の手 2

紗良は
“最低ね、引き受けた仕事を自分から降りるなんて”
“今やめたら賠償金支払ってもらうことになるわよ”
と言った。
 
賠償金と聞いた美鈴は、頭が真っ白になった。
 
まどか社長は
“賠償金はかならずお支払いします”
“このままではみなさんにご迷惑をおかけするばかりです、この子を連れて帰らせてください”
と頭を下げた。
 
すると紗良は
“そうですか”
“今回のことがどんなにありえない失敗かおわかりでしょうね”
“もうモデルやる資格ないわ”
と言った。
 
そして続けて
“美鈴さん実家に帰ったら?”
“お父さんはどんなにみっともない娘でも受け入れてくれるんでしょう”
とも言うのだった。
 

最悪の結果になった撮影の帰り道

まどか社長は謝るばかりの美鈴に
“そんなことよりもう一度出直すのよ!”
と叱咤激励した。
 
しかし美鈴は
“自分がこんなダメ人間だとは思いませんでした”
“紗良の言うとおりあたしはもうプロ失格です…”
と頭を抱えた。
 
一方紗良はクスクスと笑い
“温室育ちの優等生は自滅も早いわ”
とひとり言を言っていた。
 
まどか社長は、頭を抱えて項垂れる美鈴を見ながら
“これは…真琴のときと同じ…?”
と紗良のことを疑うのだった。
 

緊急事態

タカコは真琴に電話をかけ
“真琴さんて美鈴さんちの合いカギ持ってたよね”
と言った。
 
真琴は
“えっうん…東京いったときいつも泊めてもらってたから…”
と答えた。
 
するとタカコは
“今すぐ取りにいくから貸してくれない?美鈴さんがおかしいの”
“部屋にいるはずなのに出てこないの…”
と話すのだった。
 
 
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Stage.33 不意の再会。 のネタバレ

美鈴を心配する真琴

美鈴がCMの仕事で失敗したこと、栄子が美鈴をドロボーに仕立てあげたことをタカコから聞いた真琴は
“あたし今から東京へ行くわ”
と言った。
 
真琴は東京へ向かいながら
“まさかまた紗良のワナじゃ…?”
と不安になるのだった。
 

みじめな姿

東京に着いた真琴はまどか社長やウェイブのモデルたちと合流し、美鈴の家へ向かった。
 
美鈴の家からは物音がし、美鈴の携帯の着信音も聞こえた。
 
しかしインターホンを鳴らしても美鈴は出て来ないため、真琴が持っている合鍵を使って中へ入った。
 
食べ物や飲み物で散乱した部屋を見た真琴たちは
“まさか全部美鈴さんが食べたの…!?”
と驚いた。
 
真琴たちは自分の指を突っ込んで、便器に向かって嘔吐している美鈴の姿を見た。
 
真琴やまどか社長に気付いた美鈴は
“いや見ないで”
“出ていってー!!”
と叫ぶのだった。
 

みじめな姿 2

美鈴は摂食障害を起こし、かなりネガティブになっていた。
 
まどか社長は
“少しぐらい失敗したっていいの!”
“美鈴はなんでも完璧にやろうとしすぎなの”
と言った。
 
なんとか美鈴の力になりたいと思った真琴は
“ね…ねえ美鈴さん、あたし今日泊まっていっていい?”
“久しぶりにこの部屋来たしなつかしいんだ”
と言うのだった。
 

外に出て話す真琴たち

真琴はまどか社長たちに
“今からまだみなさんお仕事ですよね”
“今日は私、美鈴さんについてますから”
と言った。
 
まどか社長は真琴に美鈴のことを頼み、仕事先へ向かうのだった。
 

仕事について語る2人

実家と敦司に連絡を入れ、真琴は美鈴の家へ泊まることになった。
 
真琴の手作り雑炊を食べながら、美鈴は少しずつ話し始めた。
 
2人でしばらく話した後、真琴は
“またいつか必ずできるよ”
“今は神様がくれた休憩時間だよ”
と言うのだった。
 

真琴の思い付き

真琴は寝る前に
“あたしと一緒に主婦にウォーキング教えてあげてくれない?”
“子供の学校の行事で…美鈴さんも一緒なら心強いよ”
と話した。
 
美鈴がすぐに返事できないでいると、真琴は
“あ…無理にとは言わないよ”
“ただ仕事じゃないし気楽にと思って”
と言うのだった。
 

美鈴の笑顔

翌朝美鈴は、真琴に
“ママたちのウォーキング講師やってみようかな”
“今ここで動くチャンス逃したらこのままずっも前へ進めない気がするの”
と言った。
 
そして続けて
“ありがとうただ寄りそってくれて”
“なにより力になった”
と笑顔を見せた。
 
真琴は涙を浮かべて、美鈴が前向きになったことを喜ぶのだった。
 

敦司を説得する真琴

敦司は厳しい顔で
“また子供や家のことほったらかして東京かよ”
“それもいきなり”
と言った。
 
真琴は謝った後、ママたちのレッスンの講師を引き受けることにしたと話した。
 
すると敦司は
“オレはもうモデルなんて言葉聞くのもイヤなんだよ”
“お前のモデルのせいでオレが会社でどんな目にあったか…トラウマなんだよ”
“断れ!”
と言った。
 
そんなときレッスンの案内プリントがFAXで届き、”教頭とPTA会長に承認済み”と書かれていた。
 
敦司も今更断れないとわかったのか
“ったく…もしこれでまたモデルに復帰したいなんて言い出したら今度こそ知らねーからな”
と言うのだった。
 

レッスン当日の控え室

前より顔色の良くなった美鈴を見た真琴は
“よかった”
と思った。
 
そして真琴は鏡の前でポージングし、久しぶりに人に見られる緊張感を楽しむのだった。
 
 
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Stage.34 よみがえる日々。 のネタバレ

ママたちのレッスン開始

美鈴は、大盛り上がりの主婦たちに圧倒されつつ
“楽しい”
“パワーもらえるよ”
と言った。
 
主婦たちは、きれいにウォーキングできるとうれしそうな顔を見せた。
 
また
“あたし…やってみようかなモデルウォーキング”
“キレイになりたいもんね”
と、主婦たちがやる気になっているのを見た真琴と美鈴は
“うれしい”
と思うのだった。
 

釘をさす敦司

仕事の帰り道、散歩のついでにレッスンをしている誰かのママを見た敦は
“女ってムダなことするよなあ”
“なんになるのそんなことして”
と真琴に話した。
 
そして続けて
“この程度のおアソビなら許すけど、くれぐれも深入りはすんなよ”
と言うのだった。
 

ママたちのレッスン最終日

あるママの提案で、真琴と美鈴はウォーキングを見せることになった。
 
真琴はショーの前の緊張とトキメキ、モデル時代のことを思い出しながら堂々とウォーキングした。
 
主婦たちは、息ピッタリの真琴と美鈴のウォーキングに見とれた。
 
ウォーキングを終えた真琴は
“ああ…あたしやっぱりモデルが好きだ”
“あたしにはやっぱりこれだ”
と確信するのだった。
 

立ち直った美鈴と…

レッスンを終えた美鈴は
“初心を思い出したよ”
“ありがとう真琴さん、あたし…もう一度モデル頑張ってみるよ”
と言った。
 
そして
“待ってるよ真琴さん”
“はっきりわかったはずよ、自分がいるべき場所はモデルの世界だって”
“もう一度一緒の舞台で仕事すること信じてるから”
と続けた。
 
真琴は美鈴を見送りながら
“どうしよう”
“気持ち出さないように封印してきたのに”
“あたし…モデルに戻りたい”
と葛藤するのだった。
 

ママたちの打ち上げ

真琴は子供たちの面倒を実母と敦司に頼み、打ち上げに参加した。
 
モデルをやめた理由を聞かれた真琴は
“ムリなんだ…ダンナが反対してて…離婚になっちゃう”
と話した。
 
すると離婚経験のあるママが
“ホンットにイヤになったらね、金だろーが子供だろーがなんとかしてやるって思えるもんよ”
と言った。
 
その後も主婦たちは、ふだんしないようなふみ込んだ話をして盛り上がった。
 
二次会に誘われた真琴が敦司に電話すると、子供たちが騒ぐ声が聞こえ
“主婦がいつまで遊んでんだよ!”
“帰ってこい!”
と言われてしまうのだった。
 

確信から決意へ

真琴が帰宅すると、敦司のそばで子供たちが喧嘩をしていた。
 
敦司は
“疲れて帰ってきてんのにくつろぐこともできねーよ”
“さっさと寝かしつけてくれ”
と言い、テレビを見始めた。
 
真琴は敦司の方を見ながら、打ち上げで離婚経験者が語った言葉を思い出すのだった。
 
 
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Stage.35 愛を乞うもの。 のネタバレ

新たな悩み

真琴は家事をしながら
“あたしがモデルに戻りたいって言ったら敦司はどう言うだろう…”
“認めてくれるはずはない”
“だったら離婚…?”
と、あれこれ考えていた。
 
さらに
“この家族をバラバラにするの?”
“だけどもうこのままの生活じゃいられない”
“私はどうすればいいの…”
と思い悩むのだった。
 

喜ぶ紗良の母親

紗良は両親を新居に招いた。
 
紗良の母親は
“ああ…私もこんな家に住みたいわあ”
“うちはもう築30年以上の狭いボロ家でしょ”
“建て替えられたらいいのにねえ…”
と口にした。
 
紗良はその場の思いつきで
“やればいいわ!費用は出してあげる”
“私のお金で足りなければ信輝さんに言えばいくらでも出してくれるわ”
“ねえ信輝さん”
と提案した。
 
すると信輝は
“ああ紗良の両親はぼくの両親だ”
と言った。
 
紗良は喜ぶ母親の顔を見ながら
“さすがのお姉ちゃんたちもここまではしてあげられないでしょう”
と思うのだった。
 

通帳の残高

父親の入院費を滞納していた美鈴は、通帳と睨めっこしていた。
 
美鈴は
“家賃払って実家に仕送りしたらほとんど残らない…生活費切りつめて家賃を待ってもらうしかないか…”
と頭を抱えるのだった。
 

事務所へ行く美鈴

元気になった美鈴を見たまどか社長は喜び
“…よく帰ってきてくれたわ”
と声をかけた。
 
そして
“よし!今から出版社めぐりするよ”
“すべて一から出直しよ”
と言って、早速出かける支度をするのだった。
 

美鈴の復帰に驚く紗良

出版社で美鈴とまどか社長を見かけた紗良は
“戻ってきたの!?”
と声をかけた。
 
そして頭の中では
“あんなに叩き潰したのに…”
と思った。
 
美鈴たちがCMの件のことを謝ると、紗良は
“キャンセルになってお父さんさぞかしガッカリされたでしょう”
と言った。
 
美鈴が口をつぐんでいると、紗良はクスクス笑いながら
“美鈴さん気の毒に”
“これでもうお父さんにあきれられちゃったわね”
と言った。
 
美鈴が
“そんなことで父は変わりません”
と言うと、紗良は
“あなたこれからお父さんの治療続けさせてあげられる?お金の切れ目は命の切れ目なのよ”
と言い返した。
 
紗良はさらに
“仕事があったらこんな思いしなくてすんだのにね”
“よかったらお金貸しましょうか?どんな治療でも受けさせてあげられるわよ”
と言ってクスクス笑った。
 
そのやり取りを見ていたまどか社長は
“紗良…この子もしかして親になにかトラウマかかえてる…?”
と思った。
 
そんなとき出版社の社員がやって来て
“じつはロビーに美鈴さんのお父さんが来られまして…”
“かなり体調悪そうなんですが…”
と知らせるのだった。
 

良き父

美鈴の父親は編集部に案内されると
“編集部のみなさんにこれを食べてもらおうと思ってな”
と言って、ジャガイモを見せた。
 
そして
“こんなもんしかありませんがお世話になってる皆さんに感謝の気持ちです”
と言って帰ろうとした。
 
美鈴が
“お父さん…病院は!?”
と聞くと、父親は
“もう…断って出てきた”
と言った。
 
父親は、美鈴が病院のスタッフに入院費の支払いを催促されているところを偶然見ていたのだった。
 
父親が
“もうこれ以上お前に迷惑はかけられん”
と言うと、美鈴は
“なに言ってんの病院出てきちゃったら悪化しちゃうよ…”
と言った。
 
すると父親は
“お前の気持ちはありがたくもらっとく”
“でもわしのことより自分のこと考えろ”
と言った。
 

良き父 2

紗良は
“嘘でしょ!?そんなのキレイごとよ”
と思った。
 
そして紗良は美鈴の父親に
“でも本当はつらいですよね、命かかってるんだもの”
“娘さんに仕事があったらどんなにいいかって思いますよね”
と言った。
 
すると父親は
“ああ…そうですね”
“仕事があったら美鈴はどんなにうれしいでしょうなあ”
と言った。
 
美鈴は
“ごめん…あたしに力がないばっかりに…”
“これから頑張るから、必ずまた病院に戻してあげるから”
と言って涙を流した。
 
父娘のやり取りを見ていた出版社の社員たちは
“いいお父さんですね、美鈴さんがステキな女の子なのわかるわ”
と、声をかけた。
 
紗良だけは
“どうして…!?なんの役にも立たない娘なのに…”
と驚いた顔をしているのだった。
 

怒る紗良の義母

紗良の義母は
“聞きましたよ、信輝から”
“あなたご実家を建て替えてあげるなんて言ってるんですってね”
と言った。
 
義母は続けて
“でもうちは1円も出しませんよ、援助なんてあつかましい!あなた自分にどれだけの力があると思ってるのこの家で!?”
とも言った。
 
そしてさらに
“やりたきゃ身の丈に合った家建てたら?”
“やっぱり金めあてで結婚したんだなんて思われたくなかったらね”
と睨みつけた。
 
紗良はその場に立ち尽くし
“そんな…どうしよう”
と思うのだった。
 

ため息をつく紗良の母親

紗良は実母に家の建て替えの金が桐島から出ないこと、3千万くらいなら自分の金を出せることを電話で話した。
 
すると母は
“なにそれ!?3千万なんかじゃ話にならないじゃない”
“だったらどうしてあんな大きなこと言うの?あんたはいつもそう!クロダのショーの時だって”
と言った。
 
そして
“よかったわ親戚に言わなくて!恥かくとこだった”
“もういいわ、がっかりさせられるのは毎度のことよ”
と言って電話を切ってしまった。
 
紗良は泣きながら
“どうして…私は努力しても愛されない”
“なにもできなくてもあたり前に愛される子もいるのに”
“結局私はなにひとつ手に入れてない”
と思うのだった。
 
 
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バラ色の聖戦 7巻の感想

ターゲットにした美鈴を陥れるために自分の手は汚さず美鈴を泥棒に仕立て上げた紗良の悪女っぷりは、悪い意味で感心しました。
 
美鈴の立場になって読むと、心のがマイナスな感情でいっぱいになってしまって苦しかったです。
 
美鈴は突然舞い込んだCMの仕事で結果を出そうと意気込んだにも関わらず、さらし者にされてしまいましたね。
 
美鈴が摂食障害になっているシーンは、気の毒で見ていられなかったです。
 
真琴のときといい、人を陥れるためにたたみかけて攻撃する紗良。
 
性格がねじ曲がっているうえに賢いから余計に厄介なんですよね。
 
紗良の人生は”お母さんに認められたい”という気持ちに支配されていて、でもその願いは叶うことはなく…かわいそうな人ですよね…。
 
個人的には、美人で賢く金持ちとも結婚したのだから毒親との縁は切ってしまえばいいのにと思ってしまいます。
 
母親への思いに支配されている自分に気付き
“こんな親こっちが恥ずかしい”
ぐらいの考え方ができれば、紗良はもしかしたら良い人になれるかもしれない…。
 
しかし紗良がいることで漫画の内容がより面白くなっているので、これからも悪女・紗良には頑張ってもらわなければいけませんね。
 
最後に美鈴の転落からの仕事復帰までの真琴の働きは大きかったですね!
 
さすが主人公!頼りになる女性、真琴!
 
その真琴がモデル熱を再燃し始め、三木家の雲行きが怪しくなってきましたね。
 
敦司との今後も気になりますが、次巻で1番気になるのは真琴がどういう流れでモデル復帰するかという点です。
 
またイキイキとした笑顔の真琴が見れると思うと、次巻が楽しみです!
 
 
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