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Contents
とりかえ・ばや 5巻とは?
出版社:小学館
発売日:2014/9/10
作者 :さいとうちほ
花のように 散ってみせよう―――
男の姿をしながら、実は女であることを親友・石蕗に見抜かれてしまった沙羅。
そして石蕗との過ちを嘆く沙羅だったが、
帝への忠誠を胸に、再び仕事へと邁進する。
しかしそんな彼女の身に、懐妊の兆候が―――!?
さらに、女として東宮に仕える睡蓮にも
新たな想いが膨らんできて…!?
とりかえ・ばや 5巻のネタバレ
episode 21 わかれ道のネタバレ
後悔
自分が懐妊してしまったのではないかと気になって仕方ない沙羅は、乳母のあぐりの館を訪れた。
それとなく懐妊の兆しのことについて尋ねる沙羅。
尋ねられたあぐりは、懐妊すると月のものが止まり、お腹が太くなりはじめ、胸が大きくなったりするという。
あぐりが挙げた全ての事柄が自分に当てはまる。
やはり自分は石蕗の子を身ごもってしまったのだと悟る沙羅は、どうしようと頭を抱えた。
あぐりなら味方になってくれるだろうが、両親にだけは話したくない。
そして睡蓮に相談をしても心配をかけるだけだ、と思い悩む沙羅。
本来であればお腹の子の父親である石蕗に話すべきなのだろうが、先日完全に別れる決意をしたばかりだ。
沙羅はとても話す気にはなれなかった。
いっそこのまま死んでしまった方がマシだという考えまで浮かんでしまう。
自分がこれまで性を偽って生きてきたことへの罰だと思い、激しく後悔する沙羅なのだった。
吉野の宮の助言
翌日。
沙羅は無意識のうちに、とある場所を訪れていた。
そこは、吉野山。
沙羅は吉野の宮の元を訪ねたのだ。
出迎えた吉野の宮は、よほど困ったことが起きたと見受けられると沙羅に言う。
そして沙羅は、事の顛末を洗いざらい話して聞かせた。
どうしたらいいのかと迫る沙羅に、吉野の宮はこれからどうやって生きるのかは自分で決めるべきだと進言する。
すると沙羅は死にたいと言って泣き出してしまった。
吉野の宮は何とか沙羅をなだめ、色々と説いて聞かせる。
そして沙羅を励まし、人生を諦めてはならないと言って聞かせた。
吉野の宮から色々と説教された沙羅は、これから自分がどうしたらいいのか自分で考えなければならないのだろうと思い直すのだった。
沙羅を探す石蕗
一方その頃、石蕗は沙羅のことを探し回っていた。
なかなか見つからない沙羅を探してあちこち駆けずり回る石蕗。
そしてとうとう数日後、沙羅の姿を見つけた。
石蕗は思わず沙羅に駆け寄る。
けれど沙羅は逃げ出そうとしてしまう。
慌てて追う石蕗。
ところがその時、沙羅は体調を悪くしてその場にうずくまってしまった。
それを見た石蕗は驚き、沙羅にどうしたのかと尋ねる。
目が回っただけだと言った沙羅だったが、尋常でないその様子に石蕗は送っていくと言って聞かない。
そのあまりの剣幕にとうとう沙羅は、これはお前の子どもが出来てしまったせいだと告げてしまったのだった。
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episode 22 決心のネタバレ
女に戻れ
自分の子を宿したということを知ってしまった石蕗は、顔色を変えて沙羅を人気のない室内へ連れ込んだ。
そしてそこで沙羅に「女に戻れ」と言い始める。
自分の子を授かってくれたことが嬉しい、自分がお前を守るから俺と夫婦になってほしい。
石蕗は真剣なまなざしでそう告げた。
それを聞いた沙羅は、四の姫はどうするのだと怒り始める。
ハッキリとした解決方法を提案してこない石蕗。
そんな石蕗を見た沙羅は、子どものことはお前を困らせるためについた嘘だと言ってのけた。
その言葉を信じようとしない石蕗だったが、沙羅はまだまだだなと言って笑うとその場を後にした。
決心
このままでいいわけがない。
まして、身ごもった自分が帝の側にいては邪魔になるだけだ。
そう思った沙羅は、あぐりに全てを話した。
桜が咲くころまでは仕事をし、それが終わったら姿を消して人知れぬ里で子を産みたいと言い出した沙羅にあぐりは仰天する。
そして相手の男に一言言わなければ気が済まないと怒り出すあぐりを、沙羅は必死に止めた。
自分は石蕗に話すつもりはない。
あぐりをなだめながら、沙羅は覚悟を決めた顔をしていた。
真実
──桜が散るその時までは、帝に全力でご奉仕しよう。
そう決めた沙羅は、今まで以上に仕事に打ち込んだ。
そんな沙羅をずっと見ていた石蕗だったが、どんどん衣が豪華になっていく沙羅に明らかに違和感を覚える。
たくさんの着物を着てごまかせばお腹のふくらみが目立たないと考えてのことなのだろうと悟った石蕗は、あぐりの元を訪れて本当のことを教えてくれと土下座して頼み込んだ。
沙羅を不幸にしたくないと必死に訴える石蕗の様子を見たあぐりは、とうとう真実を話してしまう。
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episode 23 花の宴のネタバレ
最後の仕事
そしてとうとう沙羅が男として生きる最後の日が訪れた。
まるで沙羅の最後を彩るように、桜が美しく咲いていた。
今日は花の宴が催される日。
色んな顔ぶれが集っていた。
そこには睡蓮の姿もあり、声をかけられた沙羅は嬉しそうに答える。
色々な人と言葉を交わし、最後の仕事を全うする沙羅。
そして帝に向けて奏でた笛の音は、聞いていた者たちの心を強く揺さぶるものだった。
失踪
その夜、沙羅は人知れず都を離れようとしていた。
すると沙羅の元に1人の影が近付く。
それは何と石蕗だった。
自分と一緒に都を出ようと言い出す石蕗に、沙羅は驚いて抵抗するが石蕗は決して退かない。
結局沙羅は石蕗に言われるまま、石蕗の父の別荘に身を寄せることになってしまった。
自分とお前の2人の子なのだから、無事に生まれるまでは自分に任せろと言う石蕗。
沙羅はそんな石蕗に身をゆだねてしまうのだった。
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episode 24 霧の迷いのネタバレ
いなくなった沙羅
沙羅が都から行方不明になってしまったという事実は、すぐに都中を駆け巡った。
誰もが沙羅を探して都中を駆けずり回ったが、誰も沙羅の姿を見つけだすことが出来ない。
父も母も、そして四の姫もまた心を痛めていた。
自分の不義を嘆いて出家してしまったのではないか、全ては自分のせいなのではないかと涙する四の姫なのだった。
皆の心配
沙羅の失踪は神隠しではないかという噂までたち始めた。
そしてそれは帝の耳にも入ることとなる。
沙羅の失踪を帝に報告しに訪れた父に、帝は沙羅には何か悩みでもあったのかと尋ねた。
あの子の悩み多き人生は自分の不徳の致すところで…と思わず涙を浮かべる父。
すると帝は、その悩みを解くことは出来ないのかと言い出した。
これは人の手ではとても解けない鎖ですと言うことしか出来ない父。
皆が沙羅を心配していた。
そしてそれは睡蓮も同じだった。
沙羅がいなくなったことを吉野の宮に報せていた睡蓮の元に、吉野の宮からの返事があった。
そこに綴られていたのはこの吉野には沙羅はいないということと、沙羅を信じて待たれよと言う言葉だけだった。
沙羅が吉野にもいないということを知り、落胆してしまう睡蓮。
そんな時、東宮が上皇の平癒祈願のお参りに行くことになり、そのお供に睡蓮を選んだ。
自分は父の病気平癒を祈りに行くから、そなたは兄君の無事を祈りに参れ。
東宮の心遣いに感謝し、睡蓮は東宮にお供することになった。
心地よい
道中、天気が荒れ始めた。
すると家臣の1人が足を滑らせ、東宮の乗っていた輿が崩れてしまう。
睡蓮はとっさに東宮を抱きとめて東宮を助けた。
輿が崖から落ちてしまっていて、とてもすぐには乗れそうもない。
すると東宮は、自分で歩くと言い出してしまった。
それを聞いた睡蓮は、自分が背負いますと言い東宮を背中に抱えた。
東宮の重みや息遣いを背中に感じながら、睡蓮はそれを心地よいと思うのだった。
意識する2人
山中に社を見つけた東宮たちは、雨宿りの為に社に入ることにした。
しかし、後を追ってくるはずの供たちがなかなか姿を現さない。
睡蓮以外の女中たちは辺りを探しに行き、社の中には東宮と睡蓮が2人きりになる。
すると東宮が足を痛めたと言い出し、様子を見てほしいと言って睡蓮に足を晒した。
東宮の生足を目の当たりにした睡蓮は思わず顔を真っ赤にしてしまう。
睡蓮のその様子を見て何かを察したような顔をした東宮。
その時、2人の元に他の供の者たちがようやく戻った。
その時から、睡蓮と東宮の様子が少しずつ変わっていくこととなる。
四の姫の不義
一方その頃、四の姫の父は婿の沙羅の居場所を躍起になって探し回っていた。
その時、ある噂を耳にする。
それは、四の姫の生んだ子どもである雪姫が沙羅の子ではないのではないかと言う噂だった。
それに嫌気がさした沙羅が四の姫の元から去ったのではないかという噂を聞いた四の姫の父は、雪姫の元に急ぐ。
そして顔をまじまじと見て、確信してしまった。
──この子は確かに婿の沙羅には似ていない。
そして、最初に四の姫に言い寄ってきた石蕗にそっくりだということに気付いてしまったのだった。
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episode 25 睡蓮のめざめのネタバレ
勘当
四の姫の父は四の姫の元を訪れ、いきなりその頬をぶった。
不義を犯したことについて責め立てた父は、四の姫と雪姫、そしてそのお付きの左衛門に勘当を言い渡して屋敷から追い出してしまう。
そしてその噂は都中を駆け巡り、帝の耳にも入った。
帝は東宮を呼び出し、睡蓮の尚侍はどうしている?と尋ねた。
兄である沙羅の件で睡蓮が心を痛めていないかを心配しての言葉だったが、東宮の心は浮かない。
すると帝は、近々右大臣を慰めるために舟遊びを催すのだが、その時に睡蓮を寄越してくれないかと言い出してしまう。
それはつまり、帝が睡蓮に会いたがっているということだった。
東宮は断ることはできずに、睡蓮は帝の元に行くこととなる。
上手くいけば、睡蓮は帝の元に入内することになるだろう。
そう思った東宮は、睡蓮とは別れを覚悟して睡蓮を見送るのだった。
舟遊び
舟遊びで、帝は睡蓮に池の眺めはどうかと尋ねる。
しかし口下手な睡蓮は上手く答えることが出来ない。
それを見かねた右大臣が代わりに答えていると、沙羅の話が飛び出した。
その名前を聞いた睡蓮は、初めて帝の前で直接口を開く。
その声を聞いた帝は、何かに気付いたような顔をしていた。
東宮様の元へ
その夜、睡蓮は東宮の元へと戻った。
ところが東宮様は臥せっている、と他の女中から聞かされる。
それを聞いた睡蓮は、東宮の元へと急いだ。
帰ってまいりましたと声をかける睡蓮に驚く東宮。
睡蓮はもう帰ってこないかと思った…と口にして涙をうかべている東宮を見て、睡蓮は思わずそれを否定する。
帰ってこないなど有り得ない、自分はいつまでも東宮のお傍にお仕えしたいのですと告げた睡蓮。
それを聞いた東宮は睡蓮に抱き着き、よかったと呟いた。
そんな東宮を抱き締めた睡蓮は、思わず東宮に口づけを施したのだった。
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とりかえ・ばや 5巻の感想
自分が妊娠してしまったのではないかと気が気ではなくなってしまう沙羅。
一体どれだけの苦難が沙羅を襲えば気が済むのでしょうか…!
本当にこの子は不憫でなりません…
今と違って妊娠検査薬があるわけでもないですから、自分が妊娠しているかどうかなんて1人では分かりようもなく、結局あぐりを頼ってしまう沙羅。
でもこれはこれでよかったのかもしれません。
沙羅がこれ以上孤独にならないように、あぐりがいてくれて本当に良かったです…。
そして自分の妊娠を確信し、それでも四の姫の為に身を退こうとする沙羅。
どこまでも優しく、人の為に自分を犠牲にしてしまうのですね…。
優しすぎて不幸を自分から背負ってしまう沙羅が本当に心配です。
それから石蕗が事実を知り、沙羅が姿を消すその当日に沙羅の逃亡の手引きをします。
1人ではどうしようもなかった沙羅は、結局その手を掴んでしまいました。
これが吉と出るか凶と出るか…
沙羅には幸せになってほしいのですが、どうなってしまうのでしょうか。
そして四の姫の不義が世間にバレてしまい、四の姫は勘当されてしまいました。
当然と言えば当然なのですが、身重の身体なのにこれもまた可哀想…。
全員が幸せになるなんてことは難しいのは分かっているのですが、皆それぞれに辛い思いをして生きているのですね…。
今後、それぞれにどんな運命が待ち受けているのでしょうか。
先がとっても気になります!
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