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ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~ 3巻とは?

出版社:講談社
発売日:2018/12/13
作者 :丘上あい

愛。裏切り。絶望。――いつも大人の恋は、不条理だ。35歳の爽(さやか)は、結婚して10年経つ夫とふたり暮らし。子供が欲しいと思っているが、夫の一真(かずま)には拒否されてしまう。そんな一真は、じつは爽の友人である瑠衣(るい)と不倫をしているのだった――! 再会した元彼へときめきながらも、夫を大事に思う爽だったが、ついに不倫現場を目撃してしまう。豹変し本性を現した瑠衣に侮辱を受けた爽の反撃とは――!

 

ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~ 3巻のネタバレ

10話のネタバレ

母親の口癖

不倫した男性芸能人がそれをネタに笑いをとっているのを爽の母親は見ていた。
 
女の不倫は絶対許してもらえないのに、男ってずるいよね…と母はつぶやく。
 
爽はゲームをしながら、何でこの人は男と女で分けて話すのだろうと不思議に思っていた。
 
不倫がバレた時、お父さんは笑ってたんだって…と続ける母。
 
爽はまたその話に持っていきたいのかと少し呆れた顔で母を見た。
 
だからお母さん、あの女に言ってやったのよ…と母は言うが、その後の言葉を爽は耳にタコができるくらい聞いていたのだった。
 

瑠衣への言葉

心の浮気と体の浮気はどちらが罪なんですか?と爽に尋ねる瑠衣。
 
爽が黙っていると、答えられないか…とつぶやき瑠衣は帰ろうとした。
 
それを引き留めた爽は、私と旦那は三日三晩寝ないで話し合ったって別れたりしないと断言した。
 
すごい自信ですねと冷たい微笑を浮かべる瑠衣。
 
爽は瑠衣に近付き、ある言葉を投げつけた。
 
その後、爽は全速力で走って帰り一真に実家へしばらく帰るということを伝える爽。
 
爽は瑠衣の前では自信があるように振る舞ったが、本当は自信なんてあるわけが無かった。
 
爽の意識は過去へと遡る。
 
いつものように母が暴れた次の日の朝、爽の父親は爽を置いて出て行ってしまった。
 
爽はそれを話しながら、当時付き合っていた秋山の前で泣き崩れた。
 
秋山は爽を抱きしめることしかできなかった。
 
その時、突然の着信音で爽は我に返った。
 
それは秋山からの電話だった。
 
以前取材をした秋山の店の記事がまだ届いていないという。
 
爽はすぐに届けに行くことになり、秋山の店の前にやって来た。
 
店にいたのは秋山ではなく、秋山の奥さんだった。
 
平凡で優しそうな秋山の奥さんは、主人なら駅前で飲んでいるから直接渡しに行ってくださいと微笑んだ。
 
爽が帰った後、奥さんは爽の名刺をじっと見つめていた。
 
駅前の居酒屋には、秋山が1人で飲みに来ていた。
 
爽が店に入ってくるのを見つけた秋山は手を振り、ビールを二つ注文した。
 
2人で飲んだ帰り、爽は秋山の奥さんに会ったと話した。
 
秋山は変わったやつだろ?と言い、結婚はもう少し後でも良かったんだけどなと話した。
 
今日は秋山がよく喋るな…と思っていた爽に、秋山は昨日言い過ぎたことを謝った。
 
秋山は結婚している爽に気を遣って、雑誌を届けるという用事を作り爽に会って謝りたかったのだ。
 
爽は作り笑いを浮かべ、そんなの気にしないよと言い笑った。
 
秋山はそれを見て、お前はしんどい時そんなふうに笑うやつじゃなかったじゃんと言う。
 
爽の脳裏には学生時代支えてくれた秋山との思い出が巡っていた。
 
父がいなくなった時、母と2人きりは耐えられないと泣きわめく爽を抱きしめ、秋山は俺だけ見てろとささやくのだった。
 
爽は母のようにだけはなりたくなかった。
 
しかしふとした時に爆発する怒りは止めることができず、ついに爽は瑠衣を前に母が口癖のように言っていた言葉を投げかけてしまうのだった。
 
ゲスで下劣で下品で頭のネジも股もゆるい嘘つきのバカ女に、うちの旦那が本気になるわけがないでしょう、と爽は言ってしまったのだ。
 
秋山の前で泣き出してしまう爽。
 
学生時代とは違いそれぞれ結婚している2人の間には、1人分の距離があった。
 
秋山の手を離した爽に秋山の前で泣く資格はないが、それでも秋山がお前らしいと言ってくれるなら素直に向き合おうと爽は前を向いた。
 
 
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11話のネタバレ

最後の一回

瑠衣は終わりにしたいと一真に打ち明けていた。
 
もう奥さんのところに戻りなよと下を向く瑠衣に、その理由を尋ねる一真。
 
瑠衣はそれには答えず、最後に一回だけしようと言って服を脱ぎ始めた。
 
本気?と尋ねる一真に、忘れられないやつにして…とつぶやく瑠衣。
 
一真は瑠衣に、全部が好きだとささやきながら首筋を噛むのだった。
 

若菜の回想

爽の親友である若菜は爽の結婚式のことを思い出していた。
 
若菜がトイレの個室に入っている時、結婚式に参加していた女子たちは一真のことを噂していた。
 
一真は手癖が悪く、受付の子にも手を出していたとヒソヒソ話す2人。
 
若菜は個室から出て、それは今日しなきゃいけない話ですか?と言った。
 
噂していた2人とは初対面だった若菜はイライラしながら個室を出た。
 
その時2人は若菜を呼びとめて、ある事を話すのだった。
 
着信音で我に返った若菜。
 
連絡の主は爽だった。
 
爽は、今日一真ときちんと話すことにすると若菜に報告した。
 

修羅場

一真が家に帰ると、爽は真っ暗な部屋で座っていた。
 
一真が帰るとすぐ、爽は私と結婚してよかった?と尋ねる。
 
訳がわかっていない一真は黙っていた。
 
カズくん、浮気してるよね?とハッキリ言いなおす爽。
 
一真は愕然としていたが、急にどうしたの?と平静を装う。
 
爽は一真が女の人の家から出てくるところを見たと言い、心当たりはあるでしょ?と尋ねる。
 
その日は仕事で…と言い逃れようとする一真に、爽は瑠衣の写真を突きつける。
 
一真の心はざわついていたが、一真は落ち着いた声で誰それ?とはぐらかす。
 
私がカズくんとのことを相談している時、ずっと腹の中で笑ってたんだろうねと言う爽。
 
一真はそれきり何も言えなくなった。
 
一真は笑顔を作って、何の証拠もなしにどうしたの?と尋ねる。
 
爽はカッとなって、よく笑えるね!と叫び飲んでいたワインを一真にかけた。
 
瑠衣の家から出て来て玄関先でキスをしているところを見たこの目が証拠だと泣き叫ぶ爽。
 
浮気相手と私が友達だったなんて、瑠衣もカズくんのことを裏切ってたってことだよね?と爽は言う。
 
一真の頭の中には、瑠衣が言う好きだよという言葉が響いていた。
 
一真は膝に手をつき項垂れる。
 
正直爽の顔を見ているとしんどい時期があって…と言う一真に、また私のせいにするの?と呆れて笑う爽。
 
バレたくないなら墓まで持っていくつもりでやりなさいよ!と言い暴れる爽を、一真は抱きしめる。
 
しかし爽は触らないで!とそれを押し返した。
 
次の日、目を温めていた爽。
 
泣き腫らした顔に化粧をし、爽は仕事へ向かった。
 
マンションを出ると、そこにいたのは瑠衣だった。
 
瑠衣は良いことを教えてあげると言い、笑った。
 
あの人、子供いますよと瑠衣は言うのだった。
 
 
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12話のネタバレ

一真の過去

一真をカズくんと呼ぶ人間はこの世に2人いる。
 
1人目は一真の母親だった。
 
一真の母は父に絶対服従し、一真が暴力を振るわれてもかばったことは一度もなかった。
 
一真はそんな両親が嫌いだったため、自分で人生を切り開く努力をし続けた。
 
そんなある日、一真はお見合いを提案される。
 
しかし一真の父は自分の会社を拡大するために、一真を婿として送りつけようとしていたのを知る。
 
自分の力で得たと思っていた昇進も、全ては父親の手の中だった。
 
一真は争うことなく見合いの申し込みを受けたが、妻以外にも女性関係がいくつもあった。
 
そのうち一真と妻の間には子供が生まれたが、一真はその子供を全く好きになれなかった。
 
一真はある日、全てを捨てようと決意した。
 
ありとあらゆる関係を断ち、一真は新しい場所でリセットすることにした。
 
そこで出会った爽は綺麗で強くて、一真にとっては完璧な存在だった。
 
爽にだけは、母と同じカズくんという呼び方を許すほど一真は爽を信頼していた。
 
家族との関係がよくないことは爽と一真の共通点であり、それによって干渉しすぎない関係性が生まれた。
 
一真にはそれが心地よかった。
 
子供が欲しい爽の気持ちに気付きながらも、一真は爽に我慢を強いた。
 
自分が父親のように他人に強いていることを自覚し、一真は嫌になった。
 
それなのに一真の頭には、傷つきながらも本気でぶつかってくる昨日の爽の顔が浮かんでいた。
 
強いその後ろ姿を、一真は綺麗だと思ってしまったのだ。
 
そんなことは口が裂けても言えなかった。
 
 
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13話のネタバレ

家出

職場に着いた爽は瑠衣が言っていた言葉を思い返していた。
 
子供がいたなんて、嘘だと自分に言い聞かせる爽。
 
食欲もなくパンを少しだけかじっていた爽のもとに、後輩の寺嶋がやって来た。
 
寺嶋は食堂のそばとパンを取り替えて、ちゃんと食べてくださいと言うのだった。
 
気分が沈んでいる爽に、話を聞きましょうか?と尋ねる寺嶋。
 
しかし爽は不意になぜ瑠衣が自分の家を知っていたのか疑問に思った。
 
一度家に来たことがあるのかもしれないと思い至った爽は吐き気がして席を立った。
 
耐えられなくなった爽は若菜に会うことにした。
 
話を聞いていた若菜は、突然一真には子供がいると証言した。
 
実は若菜は結婚式の時トイレであの2人から、一真には子供がいるということを聞いていたのだ。
 
若菜は爽があまりにも幸せそうで黙っていた。
 
その2人の女子のうち1人はゆうきと呼ばれていた。
 
爽は絶望しながら、一真と住んでいた部屋に帰った。
 
爽の気持ちは爆発する。
 
爽は我に返り部屋を片付けた後、荷物をまとめて部屋を出た。
 
一方で、一真は瑠衣にどうして爽と知り合いということを黙っていたのか問い詰めた。
 
言ったら会ってくれなかったでしょう?と尋ねる瑠衣。
 
爽のことも一真のことも好きだったと涙を流す瑠衣に、一真は理解を示した。
 
その夜、瑠衣はある人物と連絡をとっていた。
 
家の外で見られたのは想定外だったと伝える瑠衣。
 
そっちはどう?と聞かれた相手は、時間の問題だと返す。
 
瑠衣は居場所がなくなるまで追い込んで、と命令した。
 
 
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14話のネタバレ

ありえないミス

ある日、職場でデータがなくなっていることに気付いた爽。
 
確かにフォルダに入れておいた今日締め切りの記事原稿が見当たらないのだ。
 
上司は最近ぼんやりしすぎじゃない?と爽を叱った。
 
その翌日、撮影の準備をしていた爽は、担当のヘアメイクさんがなかなか来ないことを心配していた。
 
また何か連絡ミスをしてしまったのかと不安になる爽に、後輩の結は自分たちでメイクしようと提案した。
 
なんとか乗り切った爽は、机に突っ伏して疲労困憊していた。
 
コーヒーを出した結は爽の肩を揉んで先に帰って行った。
 
その後上司から呼び出された爽は、編集部のメアドからヘアメイクにキャンセルの連絡が届いていたことを知る。
 
心当たりがない爽は混乱するが、謝るのだった。
 
仕事帰りの爽に秋山から連絡が来たので、2人は一緒に飲むことになった。
 
仕事でミスをしてしまったことを話す爽に、それ偶然か?と尋ねる秋山。
 
察しのいい秋山は、爽の顔色を見て旦那と何かあったのかと聞いた。
 
爽は秋山に一真とのことを話そうとする。
 
その時突然携帯が鳴り出した。
 
電話に出た爽は愕然とする。
 
母が、爽の持っていたストールで首を吊ろうとしたという。
 
爽の手は震え、しっかりと立つこともできなくなった。
 
急いで秋山は病院に向かうタクシーを拾い、爽とともに乗り込んだ。
 
秋山は爽の手を握り締めた。
 
その頃、爽の職場ではある人物がパソコンの画面を見ていた。
 
それは爽が送っていないはずの、撮影日変更のお知らせだった。
 
このメールのためにヘアメイクは来なかったのである。
 
差出人には爽の名前が入っている。
 
その人物はメールを削除しパソコンを閉じた。
 
その人物は、爽の後輩である結だった。
 
 
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ギルティ ~鳴かぬ蛍が身を焦がす~ 3巻の感想

 
ついに爽は一真に不倫の証拠を突き出します。
 
最後まで言い逃れようとした一真。
 
バレた時のことを考えられないようなら不倫なんてしなければいいのに…と思ってしまいますが、あのシーンは本当に修羅場でした。
 
爽は一真への失望感や怒りなど複雑な感情を暴力で表現してしまいます。
 
落ち着いた後、自分は嫌いだった母と何も変わらないではないかと項垂れる爽。
 
一方の一真もまた、両親の重荷に苦しんでいました。
 
一真にとって爽は絶望の中で見つけた一輪の花だったのでしょう。
 
しかし慣れとは恐ろしいもので、ずっと一緒にいると思うと他の子に手を出してもいいや…となってしまうのかもしれませんね。
 
私にとって一番の癒しポイントは笑顔の絶えない秋山です。
 
なんだか学生時代の面影を感じる人懐こい性格の秋山は、壊れた爽の気持ちを癒していきます。
 
母のもとへ向かう間、ずっと秋山は爽の手を握っていました。
 
爽と秋山は昔の恋心が再燃し一線を超えてしまうのでしょうか。
 
全く展開が読めないドキドキ感がたまりませんね。
 
爽を陥れようとする黒幕の正体は一体なんなのか。
 
次巻に期待が高まります。
 
 
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