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わたしの幸せな結婚 12話とは?

出版社:スクウェア・エニックス
作者 :顎木あくみ(著), 高坂りと (著), 月岡月穂

異能の家系に生まれながら、その能力を受け継がなかった娘、斎森美世。能力を開花させた異母妹に使用人のように扱われていた。親にも愛されず、誰にも必要とされない娘。唯一の味方だった幼馴染も異母妹と結婚し家を継ぐことに。邪魔者になった美世は冷酷無慈悲と噂される久堂家に嫁ぐことに…。「小説家になろう」発! 和風ファンタジー×嫁入り。結婚から始まる恋愛の物語。

 

わたしの幸せな結婚 12話 “お礼の宴” のネタバレ

初めての宴

着物が出来上がり、久堂家に届いた。
 
たくさんの着物に驚く美世だが、清霞は組み紐のお礼だと言う。
 
清霞が美世に似合いそうだと選んだ着物が1着あり、それは母の形見に似ている物である。
 
美世は嬉しそうな笑みを浮かべて、清霞にお礼を言った。
 
自分の部屋で、髪をときながら母に少しは似てきたように感じる美世。
 
時間を確認し、宴の準備に取りかかった。
 
この宴は、美世が五道へのお礼に手料理でもてなす。
 
そのために、清霞は五道を迎えに行く。
 
お礼なら清霞がご飯を奢り、もう済ませていた。
 
だが、美世から五道にお礼がしたいと言われたのだ。
 
五道は美世からのお誘いを受けて、上機嫌である。
 
そんな五道に、清霞は嫉妬した。
 
理由はどうであれ、美世から他人に会いたがることが素敵な変化で嬉しくなる。
 
家に帰るまでの道中、やはりいつもの見張りが付き纏っていた。
 
うまく撒けたのか気になる五道だが、清霞はそんなことでヘマはしない。
 
それにしても、最近の異能者は質が落ちている。
 
西洋文化が入ってきて、帝国の科学技術は発達してきた。
 
それにより、異能者はお役御免になりつつある。
 
異形が正体不明とされ、不気味がられるようになってきた。
 
正体不明の現象が、科学で証明されるようになり異形は力を失ってきたのだ。
 
このことから異能者の力は落ちていき、今じゃ清霞でさえ優秀とは言えない。
 
そして、ようやく清霞の家に着いた。
 

感謝

玄関を開けると、綺麗な着物に身を包まれて以前よりも血色のいい顔で美世が出迎える。
 
以前よりも綺麗になった美世に、清霞は見惚れていた。
 
美世にどうかしたのかと問われ、よく似合っていると答える清霞。
 
二人は恥ずかしそうな表情であるが、美世はこの着物が気に入っている。
 
そんな二人を、羨ましそうに眺める五道。
 
美世は、五道を中へ案内した。
 
机にたくさん並べられている手料理、五道は美味しそうに食べる。
 
普段実家暮らしの五道は、毎日美味しい手料理を食べているはずだ。
 
だがこういう場所で食べる手料理と、実家で食べる手料理は全く違う。
 
美世は五道にお酒を注ぎながら、花と再会できたことへお礼を言った。
 
五道はただ送迎をしただけなのだが、あの日花や清霞と話ができたのは五道のおかげだと考えている。
 
普段清霞からもまともに相手されない五道は感激して、美世の手を握った。
 
鬼隊長とは別れて、自分と一緒になろうと申し出る五道。
 
清霞は殺気立ち、五道の胸ぐらを掴む。
 
美世は五道の申し出に、清霞がいいからごめんなさいと丁重にはっきり断った。
 
どうやら清霞は、とんでもない勘違いをしていたようだ。
 
美世は住む場所さえあれば、誰と一緒でもいいのだと思い込んでいた。
 
最初はそうだったかもしれないが、今はある程度心を開いてくれていることがわかる。
 
その後五道は、清霞の仕事中の恐ろしさを好き勝手に話して帰っていった。
 

今までの苦しみの涙

風呂から上がった清霞は、五道が言いたい放題言っていたことを思い出す。
 
明日は少し、五道をしごく必要がありそうだ。
 
そんなことを考えながら家の中を歩く清霞、随分と静かな様子が気になった。
 
慌てた様子の清霞は、部屋のドアを開ける。
 
そこには、うたた寝している美世がいた。
 
わずかな異能が使われる気配を感じ、美世を起こそうとする。
 
夢でうなされている美世、なかなか起きないため大きな声で名前を呼んだ。
 
清霞に気づいた美世、清霞は大丈夫かと心配する。
 
すると美世の目から、大粒の涙が溢れ落ちた。
 
泣き出す美世をギュッと抱きしめる清霞は、気が済むまで泣けばいいと胸を貸す。
 
前にも言ったが、思ったことは素直に話せる仲になりたい。
 
もっと頼ってすがって、甘えてもいい。
 
そうすることで、本当の夫婦になれる。
 
美世の抱えている傷はかなり深く、簡単には消えないだろう。
 
だが、もうそこから解放してあげたい。
 
たくさん泣いて、その後に笑ってほしいと思った。
 

悪夢の原因は!?

美世はここに来てから、毎晩同じ夢を見ていると話した。
 
母の形見を、壊して燃やされる夢。
 
清霞は辛い思いをしている美世を、さらにギュッと抱きしめる。
 
美世は本当にそばにいていいのか、再度確認した。
 
死ぬまで、一生手放すつもりはない清霞。
 
無能でも、役立たずでも構わない。
 
清霞にとっては、無能でも役立たずでもないのだ。
 
美世はこのまま清霞と一緒にいたいと願い、清霞の役に立てるように頑張りたい。
 
このとき清霞は、この言葉が今の美世の精一杯なのだと悟った。
 
それにしても、さっきの異能の気配が気になる清霞。
 
悪夢の原因が異能だとしたら、薄刃家の人間以外に考えられない。
 
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わたしの幸せな結婚 12話の感想

花と会ってから、清霞と心が通じ合いました。
 
美世は今までとは別人のようで、身も心も大きく変わりましたね。
 
清霞が花に連絡してくれたのですが、ここへ花を連れて来てくれた五道。
 
そんな五道に、美世は感謝の気持ちでいっぱいです。
 
二人を出迎えた美世は、見違えるほど綺麗でした。
 
ちゃんと母に、近づいています。
 
清霞の仕立ててくれた着物も、遠慮することなく受け取りました。
 
今までの美世からは、考えることのできない行動ばかりです。
 
こんな美世を見ていたら、もっと早くに本当のことを話していたらよかったですね。
 
そしたら今まで、一人で悩んで苦しむことはなかったはずです。
 
五道と一緒に帰ってきた清霞ですが、美世に見惚れている姿が印象的でした。
 
あの冷徹無慈悲と言われていた清霞が、誰かに見惚れるなんて考えられません。
 
清霞の存在が美世を変えたのですが、清霞も美世の存在に心を動かされています。
 
やはり二人は、これからも一緒にいなければいけない存在になったようですね。
 
五道の突然の告白、すごく驚きました。
 
冗談でも、ビックリですね。
 
そんな五道にも、美世は誠意を込めて答えました。
 
美世らしい答えで、清霞以外の人を考えられないとハッキリ断ります。
 
清霞も、この答えを聞いて嬉しかったはずです。
 
五道も、早くこんなに素敵な人を見つけなきゃいけませんね。
 
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