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Contents
赤髪の白雪姫 1巻とは?
出版社:白泉社
発売日:2007/12/5
作者 :あきづき空太
生まれつき赤い林檎の様な美しい髪の白雪。その珍しい髪色を悪名高いラジ王子に気に入られ困った白雪は国を出ることに――!! 隣国の森で出会い力を貸してくれた少年・ゼンとは一体…!? サマーラブ読切「八月の四季彩」も収録。
赤髪の白雪姫 1巻のネタバレ
1話 のネタバレ
家出
タンバルンという国のラジ王子は、情報屋から赤髪の美女がいるという噂を聞きつけ早速家来を手配した。
珍しい赤髪を持つ白雪姫は王子から愛妾になるように命令を受ける。
白雪は自分が街娘であることから、王子の恥になると断るも絶対命令ゆえに逆らうことができない。
白雪は自分のゆく道を貫くことを決意し、長い髪の毛を切り取って束ねた。
それをリボンで結んで家を出た白雪は、王子の追手から逃げるために森の奥へと進んだ。
そこで白雪は古い民家を発見する。
明かりが付いておらず空き家のようだったが、中には入ることができない。
日も暮れてきたため、白雪は進むのをやめて空き家の庭で夜を過ごした。
朝の光で目を覚ました白雪は、近くで人が話しているのを聞く。
頭の上でガサッという音が聞こえた瞬間、塀を越えようとした少年が白雪に驚いて転げ落ちてきた。
驚きのあまり絶句する二人。
するとその音を聞いてその少年の仲間であるミツヒデと木々が心配そうに駆けつけた。
その少年は二人からゼンと呼ばれていた。
ゼンは白雪に近付き、お前は誰だと尋ねる。
家出中だと答える白雪のフードを剣の鞘で外したゼンは、白雪の赤髪に驚いた。
そんなゼンに白雪は先ほどの転落で手を痛めていないかと尋ねる。
実は白雪は薬剤師の仕事をしていて、痛み止めの湿布を作ることができるのだ。
一時は拒否したゼンだったが、白雪が怪しい者ではないことが分かり怪我をした手首を白雪に差し出した。
ゼンたちは白雪を空き家の中に招き入れた。
空き家はゼンたちの遊び場だったのだ。
空き家の中で治療を終えた白雪は、ゼンと森を散歩する。
街中とは違う時間と空気の流れが好きだと言う白雪に、ゼンは同意する。
そんなゼンを見て、今の言い方は素直だねと笑いかける白雪。
ゼンは驚いて頬を赤らめる。
そこで、白雪は家出をしてきた理由をゼンに話す。
家出をするとき、その王子が赤髪を見飽きるように願いを込めて切った髪の毛を束ねて置いてきた白雪。
それを聞きゼンは良い判断だと笑った。
そして赤という色は運命の色だから今は厄介でも案外良いものに繋がっているかもしれないぞと白雪を励ました。
それを陰で聞いていたミツヒデと木々は、白雪が怪しい人物ではないことを確信した。
それどころか、ゼンは白雪のことを気に入っている様子だった。
連れ戻される白雪
空き家に戻った白雪たちは、タンバルンという国から届け物が来ていることに気付く。
中を開けてみると、そこにはリンゴと手紙が入っていた。
手紙には、王子がタンバルンの国境付近まで白雪を迎えに来ているということが書かれていた。
その王子がラジ王子だと聞いたゼンは立ち上がる。
一度欲しいと思った物は自分の所有物に数えるのかと嘆くゼンには何も言わず、白雪は入っていたリンゴを手に取りじっと眺めた。
それを見たゼンはスッと白雪の隣へ移動し白雪の持つリンゴをかじった。
行儀が悪いと笑われたゼンは反論していたが、急に意識を失い倒れてしまった。
リンゴには毒が入っていたのだ。
急にドアが開く。
入って来たのはタンバルン国の兵士だった。
白雪は解毒薬と引き替えに、王宮へ同行することとなった。
ゼンの正体
王宮ではラジ王子が喜々として白雪が来るのを待っていた。
ラジ王子の部屋へ入る白雪。
すると、ラジ王子は白雪から王子の愛妾になることを申し出ろと命令する。
この条件を受け入れなければゼンは助からない。
他に為す術はなく、どうぞお好きにお連れ下さいと言う白雪。
その瞬間、大きな声とともにドアが開く。
そこにいたのは却下だと叫ぶゼンだった。
そしてゼンは、自分が隣国のクラリネス王国の第二王子であることを名乗る。
ゼンが王子であったことに驚く白雪。
実はミツヒデと木々はゼンの側近だったのだ。
ラジ王子が毒を盛ったという悪事をばらさないことを条件に、ゼンは白雪の解放を求めた。
渋々条件を受け入れたラジ王子。
白雪は解放された。
自分はゼンの毒にしかならなかったと謝る白雪に、ゼンは目線を合わせるようにしゃがみ込んだ。
そしてゼンは白雪と会えたことは、運命と言われた方が嬉しいと微笑む。
その運命のつながりを選ぶか、その他の道を選ぶかは白雪の自由だと言うゼン。
白雪はゼンの考え方に感心し、ゼンから差し出された手を握るのだった。
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2話 のネタバレ
白雪の夢
ゼンが第二王子を務めるクラリネス王国の宮殿にやって来た白雪。
実は白雪はゼンに連れられてクラリネスに移住していた。
白雪は港から船に乗り、近くの山まで薬草を採りに行く予定だった。
しかし、その前に宮殿に来るようゼンに言われたのだった。
ゼンは白雪と二人きりで話したかったが宮殿では側近や見張りが多く落ち着かない。
仕方なくゼンは白雪を港へ送っていくことにした。
道中、宮廷薬剤師になるための勉強に励んでいることを打ち明ける白雪。
それを聞いて嬉しく思うゼンだった。
離れ島にて
離れ島では色々な薬草が生えており、白雪は採集で忙しかった。
白雪が人気のない林の奥に入ったその時、見知らぬ男が背後に現れた。
その瞬間から、白雪は気を失っていた。
気付くと手首を縛られ牢屋に入れられている。
扉を開けて牢屋の中へ入ってくる男は、巳早と名乗った。
巳早の目的は、珍しい赤髪を持つ白雪を金持ちに売り渡すことだった。
白雪は逃げようとするが手首を縛られているため動くことができない。
巳早の一瞬の隙を狙った白雪は、巳早の体勢を崩し部屋を飛び出した。
1階に降りた白雪だが鍵がかかっていて外に出ることができない。
出口を求めて走った先は行き止まりになっている。
絶体絶命の中、七桜はランプの中にあるものを入れて巳早を待ち伏せた。
ゆっくりと近付く巳早。
そして巳早が白雪に触れようとしたとき、白雪はランプを壁に投げつけた。
ランプに入っていたのは薬草だった。
薬草が燃えることで発生する気体が巳早から力を奪っていく。
動けなくなった巳早のそばを白雪は全力で走り抜け、やっと出口を見つけた。
閉じ込められていた建物を脱出した白雪だったが、森の中は薄暗く進むことができない。
白雪は、回復した巳早にまたもや捕まってしまう。
巳早が強引に連れ帰そうとしたところへ現れたのは、ゼンだった。
まだ完全には回復していない巳早を手早く倒し、ゼンは白雪のそばに来る。
薬草採取は日帰りじゃなかったのかと微笑み、大事ないことに安心するゼン。
白雪は驚きのあまり固まっていた。
宮殿に帰った白雪とゼン。
白雪はゼンの目を見て礼を言おうとするが、ゼンは白雪の頭をなでてそれを遮った。
そしてゼンはなぜ白雪がこの国に移り住んだのかを尋ねた。
それに対し白雪はゼンがどんな風に生きているのかが見たいと思ったのだと微笑んだ。
ゼンは白雪の手を包み無事でいてくれてありがとうと笑い返すのだった。
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3話のネタバレ
臣下の不満
宮殿にやって来た白雪は、窓辺でゼンと話していた。
ゼンはいずれ名ばかりの王子になるそうで、そのために大量の執務に追われているようだった。
窓からクラリネスの街を見ながら、俺はこれが好きなのだとつぶやくゼン。
それを見て心が温かくなる白雪であった。
一方で、ゼンの家臣であるハルカ侯爵は白雪が城に出入りすることを良く思っていなかった。
白雪が帰った後、ハルカ侯爵は軽率に外の女性と会わないようにゼンへ忠告した。
白雪の目的は高い身分や財産だと言われたゼンは、白雪はそんな期待など持ち合わせていないと反論する。
ゼンの強い主張に、ハルカ侯爵は話を切り上げて部屋を出て行った。
その後、ハルカ侯爵は何者かに作戦の実行を告げるのだった。
後日の朝、門番にある通達が入った。
それは臣下たちの非難が相次いだため、ゼン王子が白雪の城への侵入を禁止したというものだった。
それを聞き門番は焦りだす。
なぜなら、ついさっき白雪を城へ入れたばかりだったからだ。
一方、白雪は警備の目を何とかくぐりぬけゼンを見つける。
白雪の入城がゼンの名前で禁止されていることを聞いた。
もちろんゼンはそんな命令を下してはいなかった。
その命令を下した本人と話をすると意気込む白雪。
ゼンは、その相手が引かなかったときはゼンの名前を出してでも白雪の入城を認めてもらえと言う。
ゼンにはその命令を出した犯人に見当が付いていたが、確信はなかった。
俺はどうやら敵を作りやすいらしい、とゼンは下を向いて話す。
白雪はゼンが下を向いて話すのを見るのは初めてだった。
ハルカ侯爵と白雪
入城禁止命令を出したのは誰なのかを考えていた時、白雪は偶然にもハルカ侯爵と出会う。
ハルカ侯爵は白雪を侵入者とみなし、剣を抜いて白雪に向けた。
白雪はハルカ侯爵こそが白雪の入城禁止命令を出した本人であることを見極めた。
私がここにいてはいけないのなら、その剣で斬り払って止めればいいと白雪は言う。
その言葉に呆然としたハルカ侯爵は、剣先へずんずんと向かってくる白雪を見て思わず剣を鞘に収めた。
そこへハルカ侯爵が作戦を告げていた男が現れる。
今回の事件の犯人はこの二人であった。
騒ぎを聞きつけてやって来たゼン。
ゼンはハルカ侯爵にとって権威や地位が何よりも大事であることを理解しており、その価値観を受け入れていた。
しかし今回のハルカ侯爵の行動はゼンのためであっても行きすぎた行動だったことを指摘した。
ハルカ侯爵は改めてゼンの心の広さを認識し、服従を誓った。
一方で共犯だった男はゼンのことを気に入り、これからはゼンのために働くことを申し出る。
この男はオビと名乗った。
その時、ゼンのそばに木々とミツヒデが騒ぎを聞きつけてやって来た。
木々とミツヒデを見るゼンの横顔は優しく、その顔を見た白雪はゼンに信頼できる仲間がいることを嬉しく思う。
そして自分もゼンの味方になりたいと言う白雪。
それに対しゼンは、俺も白雪が宮廷薬剤師になるまでこの城で白雪を待つとつぶやくのだった。
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4話のネタバレ
薬剤師試験当日
宮廷では薬剤師の見習い志願者審査が行われていた。
その内容は城内の小薬草園のいずれかを3日間一人で担当し、園内の環境や薬草を管理することだった。
白雪が配属されたのは第3薬草園だった。
いよいよ、試験が始まった。
次の日の明け方、庭を散歩していたゼンは薬草園にいる白雪を見つける。
扉の陰からその姿を見ていたゼンだったが、ふと後ろに気配を感じる。
次の瞬間ゼンは薬草園に押し込まれ、扉も閉められてしまった。
長い髪の毛を後ろで一つにくくった人物が足早に走り去って行った。
薬草園に二人きりで閉じ込められた白雪とゼン。
白雪はあまりに唐突なことが起き、驚いていた。
ゼンは試験中に自分と一緒にいたことがばれたら大変だと出ようとするが、扉は開かない。
仕方なく白雪の作業を見守ることにしたゼン。
そこで、白雪はあることに気がついた。
今まで上に向かって咲いていた薬草の花がうなだれていたのだ。
白雪が水路を確かめると、そこには毒が流れていた。
白雪はすぐに上流にある薬草を調べ、毒素を流している薬草を見つけた。
その薬草の土から全て植え替えなければ、下流の薬草は枯れてしまう。
白雪とゼンは朝まで休みなく作業を行い、無事植え替えることができた。
そこへ、薬室長が入って来てその状況に驚いた。
事情を聞いた薬室長は、白雪の適切な判断力と行動力に感心した。
そして夜中にゼンを第3薬草園に閉じ込めたのは、受験者のうちの一人だった可能性があることを知らせた。
とにかく無事に試験が終わったことを安堵する白雪。
そんな白雪が赤い花を咲かせる薬草について話し出すと、ゼンは赤ならもうとびきりのを知っているとつぶやきながら白雪の赤髪に触れるのだった。
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番外編 八月の四季彩 のネタバレ
出会い
葉月は夏の暑い日、海の近くを散歩していた。
そこで出会ったのは、気さくな少年ナツ。
ナツは年の離れた兄妹と一緒に遊んでいた。
自己紹介をした葉月はナツにアキと呼ばれるようになった。
それからというもの、葉月は頻繁にナツや幼い兄妹と遊ぶようになる。
ナツのおばあちゃんの家で絵を描いていたとき、その兄妹から赤色の色鉛筆をとるように言われたナツは鉛筆の色の名前が書かれた面を見て赤を探し当てた。
そんなナツを見て、葉月は不思議に思う。
次の日、ナツと二人で海に来た葉月は、今日も海と空はきれいだとナツに言う。
その時、ナツは空と海がどんな色をしているのか自分には分からないんだと答えた。
ナツは生まれつき色盲で、色が分からないのだった。
アキは俺といて楽しいかとナツは海の方を向いたまま尋ねる。
葉月はもちろんだと即答した。
それはナツが空と海の色みたいにキラキラしているからだと葉月は笑った。
ナツは頬を赤らめて、そのキラキラは俺にも分かるとつぶやいた。
しかし葉月は夏休みが終わる頃には遠くへ引っ越すことになっていた。
それを打ち明けた葉月は、涙を流す。
別れ
そして最後の日、ナツと葉月は兄妹を連れて海へ来ていた。
小さい兄妹が遊んでいるのを眺めるナツと葉月。
ナツは、好きな季節を聞かれアキが好きだと答える。
そしてナツは葉月の手をそっと握った。
葉月はまたナツと会いたいという気持ちを我慢していたが、ナツはそんな葉月の髪をなでた。
二人はこの夏に出会えたことや一緒に過ごした楽しい思い出を語り合い再会を誓った。
葉月にとってはこの夏の全てがナツからの贈り物だった。
葉月は夏の終わりに、海を離れた。
葉月は緊張した面持ちで転校先の教室に入る。
なんとそこにいたのはナツだった。
実はナツは夏休みの間だけ海の近くの街に来ていたのだ。
葉月の転校先とナツの行く学校が同じだったことに驚くナツと葉月。
新しい一年が、また始まった。
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赤髪の白雪姫 1巻の感想
白雪は無事ラジ王子から逃れることができました。
森の中を進み、そして庭で一晩過ごしてしまうことから、白雪のパワフルさが感じられます。
またハルカ侯爵に剣を向けられても、斬るなら斬れと堂々としている白雪には圧倒されました。
そんな白雪を気に入っているゼン。
ゼンはやんちゃな男の子という印象でしたが、実はクラリネス王国の第二王子。
第二王子というと第一王子が出てきそうな予感がしますが、本巻では言及されていませんでした。
ゼンは普段にこやかではあるけれども、いざとなれば王子らしい威厳を感じさせる行動をとります。
そんなゼンの人間性に惹かれたからこそ、白雪はクラリネス王国への移住を決めたのでしょう。
個人的には木々とミツヒデのキャラクターが好きです。
ゼンの側近としてゼンを誰よりも大切に思い、そして陰からゼンを見守っている存在です。
ゼンもこの二人には絶大な信頼を置いているのが分かります。
側近の二人がゼンを冷たくあしらっている場面は少し笑ってしまいました。
一方、白雪は宮廷薬剤師になるために奮闘します。
広い薬草園を見て異変に気付く白雪の洞察力や行動力には薬室長も感心する程でした。
果たして、白雪は宮廷薬剤師試験に合格することができるのか。
次巻に期待です。
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