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赤髪の白雪姫 3巻とは?

出版社:白泉社
発売日:2009/3/5
作者 :あきづき空太

クラリネス王国、王城ウィスタル――。第一王子イザナの帰還により穏やかな日々はその流れを変えた…。第二王子ゼンと宮廷薬剤師の白雪、2人の関係を快く思わないイザナは白雪が国を出る原因にもなったタンバルン国のラジ王子を城に招待する…!?

 

赤髪の白雪姫 3巻のネタバレ

9話のネタバレ

ラジ王子の来訪

白雪は宮廷の廊下を歩いている最中、ミツヒデに遭遇した。
 
いつもゼンと一緒だったのではと聞かれ、イザナが帰還してからゼンが出歩かなくなったから今は1人でいるのだとミツヒデは言う。
 
イザナという名前を聞いて萎縮した白雪は、ミツヒデの前から立ち去ってしまう。
 
それを不思議に思うミツヒデであった。
 
その頃ゼンは寝室にこもっていた。
 
それは兄が隣国タンバルンのラジ王子をこの宮廷に招いたことを知ったからだった。
 
ゼンは兄が何を考えているのかが分からず思い悩んでいたのだ。
 
一方で、ゼンが出した手紙を見てラジ王子が20日後に来ることを知った白雪。
 
以前ラジ王子は白雪に愛妾になれと命令し、毒リンゴまで使って白雪を手に入れようとしたのであった。
 
その記憶が蘇り、白雪はラジ王子とは絶対に顔を合わせないように心に決めた。
 
20日後、ラジ王子は無事到着し庭へと招待された。
 
それを壁外から覗き見る白雪。
 
庭では茶会が始まっており、飲み物を片手に皆が語らっていた。
 
イザナはラジ王子に、白雪との関係を単刀直入に尋ねた。
 
イザナは以前ラジ王子が白雪を愛妾としようとしていたことを知っていたのだった。
 
そして白雪は今この城にいるから会っていかないかとラジ王子に言うイザナ。
 
それを陰で聞いていた白雪は、イザナが白雪にこの国を出て行って欲しいと考えているのだと悟った。
 
しかしラジ王子はその申し出を断った。
 
その理由を問い詰められ困ったラジ王子は、ゼンが婚約者として白雪を考えているからだと咄嗟に答えた。
 
その言葉で現場の空気は一気に凍りついた。
 
ゼンはラジ王子を広場から連れ出し、言葉の真意を問い詰めた。
 
ラジ王子は、ゼンと白雪が恋仲であると思っていたのだ。
 
ラジ王子との話が終わり広場に戻ったゼンは兄をまっすぐ見つめて、ラジ王子とは話が噛み合っていなかったのだと弁解した。
 
そしてゼンは白雪との婚約を考えてはいないと、ハッキリ答えたのだった。
 
イザナは表情を変えず、ゼンを見ていた。
 

白雪の苦悩

 
イザナの言葉を思い返し、自分にはもう居場所がないと落ち込んでいた白雪。
 
ため息まじりにうつむいた白雪は、自分の首にかかっている宮廷薬剤師のネックレスに気付いた。
 
その時、白雪の頭にゼンの優しい笑顔が浮かんだ。
 
自分が宮廷にいる理由はゼンがどんな風に生きているのかを見たいと思ったから。
 
そんな気持ちを思い出した白雪はゼンの名前を呼びながら駆け出した。
 
ゼンを見つけ、抱きつく白雪。
 
どうしたと聞かれ、理由を言わずに白雪は抱きしめ続けた。
 
そんな白雪にゼンはそうかとつぶやき、白雪を抱きしめ返した。
 
 
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10話のネタバレ

ゼンからの助言

抱きしめてしばらく経った頃、ゼンはイザナと何かあったのだろうと白雪に尋ねた。
 
白雪は、自分がゼンと一緒にいられる立場なのかを考えろと警告されたことを伝えた。
 
それに対して謝るゼン。
 
なぜ謝ったのかを聞かれたゼンは、自分が兄に対して敵意を持てないからだと言う。
 
ゼンの夜会が近いため歩きながら話す2人。
 
そこでゼンはラジが白雪とゼンは婚約していることを公に言ってしまったことを白雪に伝えた。
 
それに対して、私は怯まないし大丈夫だと白雪は答える。
 
そんな白雪を抱きしめ、ゼンはお前の望むように動けばいいとささやいた。
 
俺もそうする、と笑顔を見せるゼン。
 
そこでゼンは白雪と別れ、夜会へ向かった。
 
夜会へ向かうゼンは、兄との思い出を思い起こしていた。
 

イザナの過去

イザナは昔、スイとリドという二つの領の間に城が欲しいと言い出したことがあった。
 
リドとスイはその城をめぐって我先にと宮廷へ献上物を送り、互いに競い合った。
 
結局イザナは城が欲しいがために領民に対して法外な取り立てを行った悪評の領主を罰して辞任させた。
 
そして、新しい適切な領主を立てたのだった。
 
全ては悪評のある領主を一掃するための策だった。
 
城を作るというのも嘘で、献上された資金は各領地へと返されたのだ。
 
このように、イザナは昔からクラリネスの王としてふさわしい能力を発揮していた。
 
幼いゼンはそんなイザナを見て、自分もイザナの隣に立てる自分になりたいと奮起したのだった。
 

兄弟

次の日、イザナに剣の相手を頼むゼン。
 
剣を高らかに響かせながら、ゼンはイザナになぜ白雪を邪魔者扱いするのか尋ねる。
 
それに対して、イザナは言った。
 
城内の者はゼンと過ごす白雪を見て赤髪以上の価値を期待するが、それがないと分かれば周りがゼンを見る目は冷ややかになる、と。
 
ゼンはどんな壁でも越えていくのが白雪のいいところだと反論し、白雪との出会いで自分の生きる道は揺らがないと言った。
 
剣の相手を終え背中を向けたイザナは、ならば白雪を置いてゆけとその場を去るのだった。
 

白雪とイザナ

一方、帰る準備をしていたラジ王子を腹痛が襲う。
 
痛みを我慢してさまよっていたラジ王子は、そこで白雪と出会った。
 
お互いに驚愕する2人。
 
その時、ラジ王子は腹痛で座り込んでしまった。
 
そんなラジ王子を連れて治療室へ連れて行こうとしたが、ラジ王子は白雪の同行を断り行ってしまった。
 
それを見ていたイザナは、白雪がラジ王子とお似合いだと言い現れた。
 
イザナを恐れる気持ちをこらえながら深呼吸する白雪。
 
そして私はタンバルンに帰るつもりはないと言い放った。
 
それは残念だと白雪に近付いたイザナは、白雪と見つめあった。
 
そしてイザナは白雪のまぶたにキスをし、嫌になったかと聞くのだった。
 
からかわれていると感じた白雪は嫌になんてならないと反論する。
 
そして、ゼンと出会えた国だから、嫌になんてならないと言うのだった。
 
 
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11話 のネタバレ

白雪の護衛

白雪は、何やら後ろを気にしながら急いで宮廷を移動していた。
 
それを見た怪しい男は自分に気付いたのかと驚きながらも、笛を鳴らして小包を城壁の外に投げ上げた。
 
その瞬間、それをキャッチするゼン。
 
怪しい男はすぐに衛兵に確保された。
 
その小包には手紙が入っており、白雪の身辺の情報が逐一外部へ報告されていたのだ。
 
白雪の噂は広まっており、その怪しい男は白雪に取り入って得があるのかを探っているのだった。
 
怪しい男に気付いていながらも自分の力で何とかしようとする白雪に微笑み、ゼンは白雪の頭を撫でた。
 
そして白雪が関心の対象になっているのは変わらないが、構えることはないと伝えるゼン。
 
そこへ、2日間の外出を終えたオビが帰ってきた。
 
ゼンは白雪のことを狙う者が増えるのではないかと心配するが、ゼンにも業務があり白雪を護衛することができない。
 
そこでゼンは、オビを白雪の護衛に任命した。
 
後日それを知らされた白雪は、嫌ならオビを追い返しても良いと言われる。
 
そうして、オビと白雪の日々が始まった。
 
作業中、ずっと白雪の隣にいるオビ。
 
業務のためにオビは白雪に付いてロカ園へ向かった。
 
そこに咲いているロカの香りは頭がぐらぐらするため、それを防ぐ薬を飲んでからマスクを装着しロカ園の中へ入った。
 
ロカの実を回収する白雪に、オビはこの実で合っているかを頻繁に尋ねる。
 
そんなオビに白雪は合っているよと笑いかけた。
 
オビはハッとして白雪が付けているマスクを取った。
 
驚く白雪を見て我に帰ったオビは、手が勝手に動いたのだと弁解する。
 
収穫した後、荷物を地下倉庫に運び整理するオビと白雪。
 
オビは白雪に、ゼンが王子じゃなかったら良かったとは思わないのかと聞いた。
 
白雪は手を止め、オビと目を合わせないまま次言ったら侮辱ととると厳しく言った。
 
白雪が去った後、オビはゼン王子はまったくすごいねとつぶやくのだった。
 

白雪の本音

 
夕方、薬室長は液体薬だと言って白雪に試飲をさせた。
 
しかし、それは度の強いお酒で薬室長のいたずらだった。
 
酒に弱い白雪は酔いで倒れてしまい、酔いが覚めるまで城に残っていた。
 
窓際で外を見ていた白雪は突然立ち上がり外へ出る。
 
前を歩く白雪に、オビはゼンが王子であることをどう思っているのかを尋ねた。
 
白雪は、王子でいることはゼンらしいと答える。
 
周りの人がいて、ゼンに魅力を感じるから付いていって、だからゼンはゼンなのだと言う白雪。
 
白雪がいてこそのゼンだとも思うと、オビは返す。
 
それを聞いて、白雪は我慢していた思いを爆発させた。
 
白雪は自分がゼンのそばにいたら、ゼンが馬鹿にされると思うととても嫌だった。
 
そして自分がいたい場所は決まっているのに、動き方が分からない自分に腹が立っていた。
 
そしてラクスド砦の管轄を下されたことにも、何にもできない自分に白雪はもどかしさを感じていた。
 
白雪がふらふらと歩き出したのも、どうなるかは分からないがラクスドに行ったら何かが変わるかもしれないという思いからだった。
 
そんな白雪に、動き方が分からないなら探しに行けばいいと言うオビ。
 
そしてラクスドに行きたいなら連れて行くと申し出るが、実はオビはもうすでに2日間の自由外出の際ラクスドへ行っていた。
 
ゼンたちが気にしていたこともあり、オビは様子を見に行っていたのだ。
 
ラクスドの兵士たちは、ゼンや白雪に様々な伝言を伝えるようオビに託し、口を揃えてしっかりやりますと言ったのだった。
 
それを聞いて元気になった白雪は、オビにありがとうと言い笑顔を向けるのだった。
 
自分が感謝されたのかと少し驚くオビ。
 
その時、白雪は急に倒れ込んで寝てしまった。
 
オビは白雪を背負いながら、ゼンと白雪の笑顔を思い出した。
 
そして、厄介なところに居座ったなと笑うオビであった。
 
そこへ事情を聞いてやってきたゼンは、白雪の安らかな寝顔に笑みがこぼれた。
 
白雪が寝ている間、ゼンはオビから白雪がラクスドに行こうとしていたのだと聞く。
 
心配させていたんだなと下を向くゼンだったが、一日護衛を果たしたオビにお手柄だと酒を注いで渡した。
 
そしてオビにある物を投げて渡した。
 
それはクラリネス第二王子付伝令役の身分証であり、ゼンはそれを使って城に出入りし白雪の護衛をするように命じた。
 
ゼンはオビを信じ、正式に仲間として迎え入れたのだ。
 
後日これをゼンは白雪に伝えた。
 
白雪のことをもっとうまく守れるようになるからなと話すゼンに、白雪は胸をときめかせるのだった。
 
 
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12話 のネタバレ

美しい鳥

ウィスタル王城では領主のブレッカと領民のトグリルが、ある問題を解決したいと集まっていた。
 
その問題を聞いたゼンは当事者同士の話し合いが適切だと判断し、王子としての介入を避けた。
 
トグリルは悔しそうにその場を立ち去り、庭で笛を使いポポという美しい鳥を飛ばしていた。
 
そこで白雪に会ったトグリルは、白雪に事情を尋ねられポツポツと話し始めた。
 
その問題とは青と緑の羽を持つきれいな鳥に関するものだった。
 
ポポというトグリルの相棒であるその鳥は、一年半前からその領主によって乱獲が行われていた。
 
その鳥の羽が高く売れるからだった。
 
その領の伝統的な漁業ではその鳥は必要不可欠であり、トグリルは領主にやめるよう求めたが領主は応じなかった。
 
そこで王子に合わせることで解決しようと思ったトグリルだったが、当事者で話し合ってくれと突き放されてしまったのだ。
 
一方で、ゼンも苦悩していた。
 
領地ごとの支配は領主に任せられており、王子が介入するような話ではないのだ。
 
夕方、空を見上げる白雪はあることを思いついた。
 
それは、笛で鳥を操る技術が国の役に立つならその鳥を保護する理由になるのではないかということだった。
 
それを聞いたゼンは次の日の朝、トグリルと領主を集めた。
 
ゼンはトグリルに、笛を使って鳥を目的地まで飛ばす方法を尋ねた。
 
トグリルが言うには、目的地に鈴を用意しその鈴と同じ音を聴かせれば間違いなくそこへ飛んでいくようだ。
 
それを聞いたゼンは、それを国の連絡手段として用いたいと申し出るのだった。
 
そこで、ゼンはある試験をすることを決める。
 
それはトグリルのポポを飛ばし、城から10km地点にある見張り台まで文書を持たせ、見張り台でそれを確認した者が城へ帰すというものだった。
 
これを時間内に行うことができれば連絡手段として採用するということだ。
 
見張り台へ行くのは白雪と領主、そして1人の兵士だった。
 
白雪は見張り台へ出発する際、ゼンと目を合わせ笑顔を交わした。
 
そしてトグリルに待っているからと手を振り、見張り台へと向かったのだった。
 
見張り台に着いた白雪に、領主は取り引きをしないかと話し始めた。
 
領主は白雪のことを支持するよう周りに呼びかける代わりに、トグリルの鳥はここへ来なかったことにしてほしいと頼んだのだ。
 
カッとなり鳥は来ますと叫ぶ白雪。
 
領主は逆上し、白雪の首にかかっていた鈴をひったくり海へ捨てた。
 
これがないとポポは見張り台の場所が分からない。
 
そして領主は白雪を部屋に閉じ込めてしまった。
 
兵士は領主に逆らうことができず呆然としている。
 
これが位の違いだと高笑いする領主に、白雪は言う。
 
何かを守ろうとしている人の懸命さも目に入らないような地位なんてこの
見張り台より低い、と。
 
そして白雪は部屋に唯一あった窓を開け、足をかけるのだった。
 
 
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赤髪の白雪姫 3巻の感想

イザナに警告を受けてから、白雪は自分がゼンの邪魔になっているのではないかと思い始めます。
 
この城は出て行かないとイザナにはっきり言ったものの、自分の立ち位置に苦しむ白雪。
 
これに似たジレンマを抱えた方もいるのではないでしょうか。
 
そして、それをついにゼンに打ち明けます。
 
抱きしめ合う2人。
 
これを恋仲と呼ばずして何と言うのかとも思いますが、やはりゼンの立場的にも恋人だと公言することができないのでしょう。
 
ゼンは白雪に、自分らしく行動すればいいと言われます。
 
そう言われてもやっぱり自分のせいでゼンの評価が下がってしまうと思ってしまう白雪。
 
それほどゼンに対する想いが強いということなのでしょう。
 
ゼンはオビを白雪の護衛として任命しますが、オビも少し不可解な行動を取っていました。
 
ロカ園で白雪のマスクを急に取ったのはなぜでしょう。
 
笑いかけられることが何らかのヒントになっているのではないかと思いますが、真相は分かりませんでした。
 
最後の部分ではトグリルの思いを何とか実現したいと、ポポを使った試験が行われます。
 
トグリルから見張り台に使命されたのは白雪。
 
白雪はトグリルと出会って数日ですが、瞬時に信頼されるという特性を持っているようです。
 
果たして鈴を捨てられ部屋に閉じ込められるというピンチの中、白雪の願いは叶うのでしょうか。
 
気になる続きに目が離せません。
 
 
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