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Contents
僕の初恋をキミに捧ぐ 5巻とは?
出版社:小学館
発売日:2006/10/1
作者 :青木琴美
自分より症状の軽かった照の死に衝撃を受け、逞は繭と別れる決意をする。そして、時は流れ、逞と繭は高校生に。いまだに逞からの別れを受け入れられない繭の切ない思いは募るばかりで…!?
僕の初恋をキミに捧ぐ 5巻のネタバレ
22話 素直な心 のネタバレ
約束の場所
昂は逞に迫って、繭と約束した陸橋の場所を聞き出していた。
お前はどうせ行けないんだから、代わりに行ってやるよと言う昂。
逞は一度それを無視して立ち去ろうとしたが、足を止めて昂の問いに答えた。
その声は震えていた。
寮に帰る気になれなかった逞は、公園のブランコで考え事をしていた。
そこへやってきたのは律だった。
お前繭のこと好きなら行けばいいじゃんと律が言う。
そんな律に、お前は病気のお父さんのそばにいるお母さん見るの、嫌じゃなかったの?と聞く逞。
そうだなぁと律は空を見上げて思い出を漁った。
父さんのそばでいつも楽しそうに笑っていたのが母さんだった。
そして母さんの笑顔を見て父さんも笑って…だから全然不幸だとは思わなかったと、律は言った。
だから繭もきっと、どんなことがあってもお前といる時の方が幸せなんじゃねーの?と律は言うのだった。
次の日は、繭との約束の日だった。
一晩考えて、逞はある決断をしていた。
放課後、教室を出ようとする逞に律は尋ねる。
繭のところへ行くんだよな?
そう聞かれた逞はまっすぐ前を見たまま、俺は照ちゃんのところに行く、と言った。
俺がいないと照ちゃんを悲しませてしまうし、繭のために俺は側にいてはいけないと思った逞。
俺なんか行かない方が良いんだと思ったその時、繭と約束していた陸橋が偶然見えた。
逞は電車の窓に張り付いて陸橋を見た。
お前といた方が繭は幸せなんじゃないの?と言う律の言葉が頭に響く。
繭のところに行きたいと、逞は思っていた。
そしてそのためには、照ちゃんに言わないといけないことがあると逞は思った。
今思えば、この時、俺はまっすぐ繭の所へ行けばよかったのだと今では思う。
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23話 最初の死 のネタバレ
照ちゃん
5時を過ぎても逞は来なかった。
繭は絶対に逞は来ると信じていた。
逞が来たら、今度こそ四つ葉のクローバーを見つけて逞に渡そうと繭は思っていた。
逞とずっと一緒にいたい、その一心で繭はクローバーを探すのだった。
逞は照ちゃんになかなか切り出せないまま、病院の庭にやって来ていた。
これってプチデートなのかな?とはしゃぐ照ちゃん。
そして逞の隣に座った照ちゃんは、特等席だと嬉しそうに笑った。
早く言わないと、と思った逞は、俺はもう照ちゃんと付き合えないと言うのだった。
他に好きな子がいるんだと、絞り出すように逞は言う。
俺はこんな体だから、諦めようかとも思ったけどどうしても好きで、諦められなくて誰にも渡したくないんだと逞は言う。
それを聞いて、照ちゃんは逞の服を引っ張って抵抗した。
逞がいなきゃ寂しくて死んじゃうよ!と照ちゃんは言うのだった。
逞は涙を流す照ちゃんに向かって、大丈夫だよと言う。
いつか必ず照ちゃんだけを好きになってくれる人が現れるよと逞は笑った。
照ちゃんは急に苦しがった。
発作かもしれないと照ちゃんは逞に寄り掛かったが、逞はもう照ちゃんの仮病には付き合ってあげられないと言って去ろうとした。
その時だった。
ヒューと、北風が吹くような音がして逞は振り向いた。
それは気管が狭くなって呼吸がうまくできない音だった。
倒れ込む照ちゃんに駆け寄る逞。
逞は病院の先生を呼ぼうとして立ち上がった
しかしその時、照ちゃんの呼吸が止まったのだ。
逞は照ちゃんに人工呼吸をするのだった。
一方で繭は四つ葉のクローバーを探していたが見つからない。
雨も降って来て、繭の胸はざわざわしていた。
そこへやって来たのは、なんと昂だった。
あいつは来ないよと言いながら繭に傘を傾ける昂。
もともと来る気がないんだと昂は言った。
だから諦めて俺のものになれよ、と昂は繭を後ろから抱きしめた。
病院では、逞は心臓マッサージと人工呼吸を繰り返し、なんとか照ちゃんは息を取り戻した。
照ちゃんはニッコリ笑って、だから逞がいないと死んじゃうって言ったでしょ?と言う。
逞はその時、照ちゃんの様子がおかしいことに気がついた。
だんだん目の光を失っていく照ちゃん。
逞は愕然としてそれを見つめていた。
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24話 人知れず のネタバレ
約束
逞のことは諦めろと言われた繭だったが、そんな昂を振り解いてクローバーを探し続ける繭。
あと1時間だけ、待つと繭は心に決めた。
一方、病院では照ちゃんの母親が泣き喚いていた。
冷たくなった照ちゃんに抱きつき、母親はなんでうちの子が…と嘆いた。
それを逞はじっと見ていた。
2時間経っても逞は来なかった。
この場所を俺に教えたのも逞だったし、逞はもともと来る気がなかったのだと繰り返す昂。
そんな昂に、もう黙ってと言った繭は、昂に近付いた。
もういいから、私にキスしてくださいと繭は頼んだ。
無理やりでもいいから、私に逞を忘れさせてと繭は言った。
昂は絶対に忘れさせてやると言って繭の頬に手を添える。
逞…大好きよ…と心の中でつぶやきながら、繭は昂とキスをするのだった。
それを見ていたのは、何と逞だった。
今日は厄日だな…とつぶやいた逞は、すぐに寮へ帰るのだった。
数日後、逞は照ちゃんの葬式に出席していた。
葬式には学校のクラスメイトも参加していたが、照ちゃんはほとんど学校へ行っていなかったため面識はなく、半ば面倒くさそうに立っていた。
遺影の中の照ちゃんはとても暗い印象で、照ちゃんの笑顔はどうしても思い出せなかった。
そんな逞に近付いて来たのは照ちゃんの母親だった。
逞に見せたのは、照ちゃんが看護師に撮ってもらった写メだった。
こんな風にとてもよく笑う女の子だったと、逞は思い出した。
寂しがりなところはいつも心配だったが、会えばとびきりの笑顔を見せてくれるのが可愛かった。
どうして僕は照ちゃんを好きになれなかったんだろうと、逞は涙を流すのだった。
一方でテニス部の部室では昂が繭にキスをしていた。
激しいキスに息切れる繭。
口開けろよ…と言われた繭は躊躇いながらもその通りにした。
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25話 好きな子 のネタバレ
罰ゲーム
昂とキスをする時、舌が入ってくるたびに繭は犯されたような気がした。
どんどん汚れていく気がして、もう二度と逞のもとには戻れないと思った繭。
一方の昂も、逞を忘れさせるために何をしたらいいのか分からなかった。
忘れさせてやりたいと思うのに、何をやっても逞に負ける気がして、でも強引にキスしかできなくて…とルームメイトの耕太郎に話す昂。
耕太郎はクスッと笑って、こんな気弱な昂初めて見たよと言った。
そして耕太郎は、初恋…なんだなと昂に言うのだった。
次の日、定期テストで逞は一位になった。
いつもは繭が一位を取るのだが、繭はそれどころではないほど気を病んでいたのだ。
毎回のテストで1位だった者は昂の罰ゲームを受けなければいけないが、昂は好きな女の下着を取ってこいと命令した。
好きな人が校内にいなかったら?と逞は聞いた。
しかし昂は、罰ゲーム何だから好きな子なんてどうでもいいだろ?と逞に言う。
そして追い討ちをかけるように、お前は長く生きられないんだから好きになったって仕方ないだろと付け加えた。
去っていく昂を追いかける繭。
逞にあんなこと言うなんて、絶対に許さない!と言われて昂はやっと立ち止まった。
許さないってどうするの?俺と別れるの?と昂は振り向いて言う。
そして一つ覚えて欲しいことがあると言って昂は話し始める。
俺は繭、は逞のことを好きで、あいつを忘れるために付き合っていることは分かっている。
だが逞のことを心配している繭を見るのは耐えられない。
繭があいつを思い続ける程、俺はあいつのことを傷つけたくなるんだ。
そして昂はそんな俺のことを嫌いにならないでくれと言って、キスをするのだった。
その夜、逞は繭の部屋に来ていた。
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26話 さよなら のネタバレ
聴診器
私の部屋に何で来たの?と聞かれた逞は、その場に座り込んだ。
近付いた繭に、好きな子なんかおらんと言う逞。
もしおったとしても、こんな体じゃどうにもならん、と逞は関西弁で言った。
そんな逞に、繭は言った。
逞が関西弁を使う時は必ず何かを隠している。
今度は何を隠しているの?
逞はじっと繭の目を見つめる。
本当は繭のことが大好きなんだと、逞は目で訴えた。
しかし逞にはそんなことは言えず、別に何も隠してなんかないと言うのだった。
繭は押し入れから聴診器を取り出した。
昔、お医者さんごっこして遊んでいたよねと言う繭は、聴診器を逞の胸に当てた。
ドキドキしていますと言った繭の目には涙が溢れそうだった。
二十歳で死んだりしない、大丈夫よと繭は振り絞るように言った。
こんな体じゃどうにもならないなんて言わないでと、繭は涙ながらに訴える。
俺の心臓うるさいやろ、と逞は言う。
お前と一緒におるからや、と逞は顔をそらしながら言うのだった。
繭、俺…と逞は言いかけて、やめた。
そして繭の聴診器をすくい上げて、恥ずかしいからもう聞くなと言った逞はその場から走り去るのだった。
逞は明らかに何かを隠していたが、それが何なのかは繭には分からなかった。
繭は夏休みに入り、久しぶりに実家に帰った。
自分の部屋に行こうとする繭に、逞をお前が立ち直らせたのか?と尋ねる父親。
繭には何のことか分からなかった。
あんなことがあったのに検診の時にも明るく振る舞って…と言う父親。
繭が何のことかを問い詰めると、照ちゃんが亡くなったことを父親は伝えた。
あんなに元気そうだったのに、どうして…と繭は言う。
大きな発作が起きたら急に死に至るのが心臓病なんだと、父親は言う。
逞の前でそのまま死んでしまったんだと、父親はその時の状況を説明した。
そして照ちゃんの亡骸を目の前に立ち尽くしていた逞は、繭のもとに行かないと、とつぶやき、病室を出て行ったそうだ。
あの日、逞に会わなかったのか?と聞かれた繭は愕然とした。
そして繭は居てもたってもいられず、逞のもとへ向かった。
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27話 成長 のネタバレ
4年後
逞に会った繭は、あの日本当は陸橋に来たのかと逞に聞いた。
逞は陸橋に行って繭と昂がキスをしているところを見て、昂様になら繭を任せられると思ったのだと言った。
そして繭をゆっくり離した逞は、今までありがとうと言い、その場を去っていった。
それから何も変われないまま秋になり、冬になって、繭と逞は高校2年生になった。
繭は付き合っていた昂とは別れていた。
別れを切り出したのは昂だった。
お前のことが好きだから、別れてやってもいいと呆気ない最後だった。
繭は逞から突き放されて4年が経つが、まだ逞に好かれることを望んでいた。
前みたいに、繭のそばにいるとドキドキすると言って欲しいと繭は思っていた。
しかし逞は近くに寄ってくる繭に対し、ウザいから向こうへ行けと言うのだった。
繭が向こうに行ってしまって、次に逞に近付いたのは律だった。
律は逞に貸していたデジカメを奪い、フォルダを見て驚いた。
そこには繭の写真がたくさん保存されていたのだ。
逞も4年の月日が経って、繭のことが忘れられずにいたのだ。
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僕の初恋をキミに捧ぐ 5巻の感想
何と繭の恋のライバルである照ちゃんは無念にも亡くなってしまいました。
さっきまで元気だったのに急に死んでしまうのが心臓病の怖いところ。
自分より軽い病気だったのに急に死んでしまった照ちゃん。
それを見て、逞がどう思ったのかは計り知れません。
そしてそれに気付かず、逞に振られたと思いながら昂と付き合うことを決めた繭。
昂にキスをされるたびに心の中で逞と叫ぶ繭は、昂にキスされるたびに逞が胸に刻まれているようでした。
そして逞も昂と繭の恋愛を認め、繭は諦めると心に決めました。
繭のことが好きだと何度も言おうとするも、結局言えないというシーンは心が締め付けられる思いになりました。
そして舞台は飛んで高校2年生へ。
グッと成長した2人は見た目も心も変わってしまいますが、お互いを思う気持ちは全く変わっていませんでした。
逞の寿命が迫る中、2人の恋の行方はどうなるのでしょうか。
次巻の展開に期待が高まります。
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