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テンカウント 6巻とは?

出版社:新書館
発売日:2018/3/26
作者 :宝井理人

「キスしてみて嫌じゃなかったら俺のこと好きって認めてくれますか?」
 
時を重ね、体を重ね、確実に距離が近づいていく二人。
 
城谷が黒瀬を誘って外出した先で二人は、城谷が潔癖症となったきっかけに関わる女性と遭遇する。
 
様々な気持ちが蘇る中、城谷は……!?
 
そして、手帳の10項目に書いたのは……?
 
無愛想なカウンセラーと潔癖症の社長秘書の恋、ついに完結!!
 
雑誌掲載時のカラーを再現したデジタル版限定仕様!

 

テンカウント 6巻のネタバレ

テンカウント34話のネタバレ

お久しぶりです

いきたい店があると言って黒瀬を誘い出した城谷だが、相変わらずペースを黒瀬に狂わされていた。
 
早く行きましょうとため息をつきながら城谷は一人先に歩き出す。
 
そんな二人の後ろを女性が通りがかる。
 
わざと女はカバンから鍵を落とすと素知らぬ顔でその場を立ち去る。
 
城谷は自分が誘ったのだから今日は黒瀬のペースに飲まれてはダメだと思い直し黒瀬に呼びかける。
 
城谷が振り返ると黒瀬は女性と何やら話をしていた。
 
黒瀬は女が鍵を落としたことに気づき渡していたのだった。
 
知り合いかと思った城谷だがその女を見て表情をこわばらせる。
 
そこにいた女はかつて自分の父と自分の関係を引き裂いたあの時の少女だったからだ。
 

10年ぶりの再会

そっぽを向いた城谷だが10年もあっていなければバレないだろうと考えるが、黒瀬が”城谷さん”と言ったことで女は城谷があの時の”ただくん”であることに気づいてしまう。
 
城谷は社交辞令的に軽く挨拶をしてこの場を早く立ち去ろうとするのだが、女は”よかったら私もご一緒していいかしら”と二人の間に割り込んでくる。
 
戸惑う城谷をよそに、せっかくまた会えたことや鍵を拾ってもらったことを口実にお茶くらい奢らせて欲しいと言ってくる。
 

テンカウント35_36話のネタバレ

割り込む彼女

女に促されるまま三人でカフェに行くことになってしまった城谷たち。
 
ここに来るまでに城谷と黒瀬の間で視線でのやりとりがあった。
 
彼女の申し出をどうするか城谷に求める黒瀬。
 
城谷が予約している店の時間にはまだ余裕があり彼女の申し出を無下にするのも悪いと思い、カフェで少しだけ話をすれば気がすむだろうと承諾した城谷だったのだが・・・。
 
彼女の座った席順が城谷を押しのけて黒瀬の隣であり、やたら身を乗り出して親しげに話しかける姿を見て城谷はムカムカしてしまう。
 
仕方なしにも城谷は彼女に一緒にいる人は黒瀬さんですと説明し、黒瀬には小さい頃交流があった植田さんですと紹介をする。
 
そんな城谷をよそに植田はペラペラと自己紹介を始める。
 
流石に過去の話はしないだろうと心配をしている城谷に、植田は黒瀬と城谷はどう言う関係なのかを聞いてくる。
 
戸惑う城谷の横で黒瀬が代わりに説明をする。
 
オーダーしていたドリンクが運ばれてくるとおもむろに黒瀬は一口グラスに口をつける。
 
植田はもう少し切り込んで黒瀬のことを聞こうとしてくる、彼女は黒瀬に興味を持っているようだった。
 
黒瀬は自分は臨床心理士だと植田に言い、それに植田は大げさに反応しながら会話を楽しむ。
 
そんな二人を見ていて城谷は面白く無くなっていく。
 
黒線が臨床心理士だと言う話から、植田は昔城谷のお父さんも心療内科系の本を読んでいたことがあったと話だす。
 
その話題に触れて城谷の表情が曇っていく。
 
久しぶりに嫌な気分になた城谷だが、もう前のように戻りたくないと強く念じ植田に言い返す。
 
あの頃よりは”大人になった”こと、今は”黒瀬が支えてくれる”ことなどを。
 
しかし植田はそんな城谷をあざ笑うかのように”今は黒瀬がお父さんの代わりなのね”と言いその言葉に耐えられなくなった城谷は近くにあったグラスの中身を飲み干して断言する。
 
”黒瀬は父の代わりではない”と。
 
城谷はそう言い捨てるとその場を立ち去ってしまう。
 

静かな報復

城谷の後を追おうとする黒瀬を植田は引き止める。
 
黒瀬の手に自分の手を置いた植田は黒瀬に城谷はお父さんにべったりだったと言う。
 
いい大人なのにと言いながら黒瀬に身を寄せる植田に黒瀬はにこりと微笑む。
 
その笑顔にドキッとしてしまう植田だが、耳元に唇を寄せてきた黒瀬に”あんたみたいなビッチは好きじゃない”と言われ顔を引きつらせる。
 
植田を置き去りにして黒瀬は城谷の後を追う。
 
一人ベンチに腰掛ける城谷を見つけた黒瀬は、植田とはもう別れてきたことを告げる。
 
その時に城谷は昔からあの人が苦手だったと答える。
 
そんな城谷にそうでしょうねと黒瀬はしれっと答えるのだった。
 
城谷が手を組む癖を指摘しすぐにわかったのだと。
 

俺のコーヒー飲みましたよね?

一通り城谷が話し終えると黒瀬は”さっき俺のコーヒー飲みましたよね?”とじっと城谷を見つめてくる。
 
先ほど城谷が飲み干したコーヒーは黒瀬のオーダーしたものだった。
 
以前に回し飲みができたらキスをすると黒瀬は言っていた。
 
ジリジリと壁際に押しやられる城谷。
 
非常階段のあたりで壁際まで追い込まれ周りをがっちりホールドされた城谷は”待ってほしい”と言うが、もう随分と待ちましたと黒瀬に言われてしまう。
 
 
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テンカウント37_40話のネタバレ

初めてのキスは・・・

キスをして嫌でなければ俺のことを好きと認めて欲しいと黒瀬に言われた城谷は、そっと黒瀬の首筋にキスをする。
 
今はこれくらいですと言う城谷にじれた黒瀬は、ぐっと城谷の顎を引き寄せ強引に唇を重ねる。
 
舌を出すように言われ素直に従う城谷に黒瀬は息もできないほど深く唇を重ねる。
 
ひとしきりキスを堪能した後、黒瀬はデートの続きをしようと言うが予約の時間はとうに過ぎてしまっていた。
 
城谷が予約していたのはホテルのラウンジだった。
 
黒瀬はそれを聞いて呆然とする。
 
なんとか時間をずらしてもらおうとホテルに電話をしてみるものの、人気のある店だったため断られてしまい黒瀬は残念がる。
 

ありがとう

昼を食べそびれた二人はコンビニでおでんとアルコールを買うと夕暮れの川沿いのベンチで遅い食事を取り始める。
 
黒瀬が食事をしている姿をじっと見ている城谷は先ほどのキスのことを考える。
 
嫌じゃなかったと、気持ちよかったと城谷は思う。
 
もし植田と接触した今日のように黒瀬を誰かに取られたらと思うと再び不安になってしまう城谷だが、その様子を見て寂しそうなそぶりを見せる黒瀬に城谷は黒瀬をこれ以上傷つけてはいけないと思う。
 
黒瀬の手をぎゅっと握った城谷は思いつく精一杯を伝えようとする。
 
黒瀬と会う時は落ち着かないがいろんなことができるかもしれないと言う期待。
 
また変なことされるかもしれないが黒瀬に触って欲しいと思うことはおかしなことではないと分かったこと。
 
黒瀬のことが好きだと、不安恐怖症が治らず10項目が埋まらなければずっと黒瀬がそばにいてくれると思っていたことを告げる。
 
城谷の告白を聞いた黒瀬が涙を流す。
 
城谷の泣き虫が移ったと黒瀬は呟き、ありがとうと城谷に感謝を述べる。
 

ホテルで・・・

二人はホテルに向かうと部屋に着くなりキスを貪る。
 
すでに息が上がっている城谷をベッドに寝かせ、勃ちすぎている城谷の屹立を一度イかせると黒瀬は城谷の頭を撫でる。
 
すると城谷はホッとしたような表情を見せる。
 
黒瀬は不意に”城谷さんの10項目は頭を撫でられる”ですかと呟く。
 
そんな黒瀬に城谷は”ずっと撫でていてください”と言う。
 
城谷の希望に沿っていると、いつの間にか腕の中で城谷は眠ってしまう。
 
また生殺し状態になってしまった黒瀬は眠っている城谷に囁きかける。
 
城谷に声をかけた本当の理由は昔好きだった潔癖症の男によく似ていたから、似ている城谷を助けたら自分の罪が浄化されるのではないかと思い声をかけたと。
 
でも城谷の方がわがままで変に子供っぽく目が離せなくて、あの人に全然似てないと黒瀬は言う。
 
狸寝入りをしていた城谷は黒瀬の思いがけない本音に赤面してしまう。
 

思わぬ再会

翌日黒瀬と別れた後城谷は久しぶりに父に電話をかける、今まで連絡もしないでごめんなさいと・・・。
 
黒瀬は一晩眠れず寝不足のままふらりと本屋に立ち寄り雑誌を買おうとしていた。
 
”頑張ってください”と声がする方を黒瀬が振り向くと、そこではとある作家がサイン会を開いていた。
 
そして黒瀬はハッと息を飲む。
 
サイン会の席に座っていたのは幼い頃黒瀬が恋をした潔癖症だった男、西垣だったからだ。
 
彼の前に行きサインをもらい握手をした黒瀬は”今の西垣さんはとても素敵だ”とペンネームではない西垣の本名を言って去っていく。
 
一瞬間をおいて西垣は本名を口にした黒瀬に反応するが、その時にはもう黒瀬は店を立ち去った後だった。
 

テンカウント41_42話のネタバレ

嘘でしょう?

この間のお詫びをしないとと考えていた城谷は黒瀬の勤め先で黒瀬を待っていたのだが、代わりに出てきた院長に黒瀬は今日非番でいないとを告げられる。
 
そしてもう一つ、黒瀬が病院を辞めてしまうことを知らされて驚く。
 
驚いた城谷は黒瀬の自宅を訪ね、出てきた黒瀬の胸に飛び込む。
 
どうして医院を辞めてしまうのかを詰め寄る城谷に、黒瀬は本当は不安恐怖症は完治しにくいのだと言う。
 
そんな黒瀬に城谷は黒瀬のことを好きになれたから自分のことも好きになることができたと訴える。
 
言葉で伝えるのは下手だからと言って黒瀬は城谷にキスをする。
 

テンカウント43_46話のネタバレ

自分だって・・・

どうして城谷が医院にいたのかを不思議に思った黒瀬が尋ねると、城谷はこの前のお詫びに食事に誘おうと思って医院に赴いたことを話す。
 
すると黒瀬は笑い、城谷にキスをする。
 
黒瀬のベッドに行くと、今日は寝ちゃダメですよと念を押され城谷は黒瀬に尻を突き出すような格好をさせられる。
 
ジェルはもうなくなったと言われ黒瀬は直に城谷の秘部を舐め濡らしていく。
 
指で秘部を弄られている間、チラチラと城谷は黒瀬の下着の中で大きくなったペニスを気にする。
 
黒瀬のものを触ったりした方が良いかを尋ねる城谷に、黒瀬はそんないやらしい人でしたっけと言う。
 
そんな城谷にいいですよと言うと黒瀬は体制を変え自分がいつもしていることをするようにと言う。
 
城谷は自分だって好きな人に欲情するのだと言って黒瀬を驚かせる。
 
 
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テンカウント47話のネタバレ

ご褒美

黒瀬のペニスを口に含む城谷。
 
そんな城谷を黒瀬は後ろから抱きかかえると”もう挿れさせてほしい”と懇願し、城谷を後ろから突き上げる。
 
激しく城谷を責め立てる黒瀬はご褒美をずっと待っていたと言う。
 
そんな黒瀬に城谷は”大好き”と言う。
 

新たな旅立ち

黒瀬は本当に病院を辞め、臨床心理をさらに学ぶため大学院の博士課程に進むことを選んだ。
 
なぜそうしようと思ったのかを尋ねる城谷に黒瀬は城谷に出会ってしまったからだと答える。
 
その返答に城谷は赤面する。
 

行きましょうか

現在の黒瀬は城谷にとって友人でもカウンセラーでもなくなっていた。
 
黒瀬と待ち合わせをしていた城谷は本屋へ出かけると、お目当だった新刊の本を手に取り電子書籍化されるのを待たなくて済むことに喜びを感じていた。
 
黒瀬は近くにあった、西垣の新刊を手に取る。
 
興味を示した城谷は今度読んでしっかり感想を聞かせてくださいと黒瀬にせがむ。
 

温まる

喫茶店でニコニコとコーヒーを堪能しながら城谷は”温まる”と一言呟く。
 
対面する席では黒瀬が城谷の10のリスト全てに斜線を引いていく。
 
しかし黒瀬は城谷に嘘をついていたと言う。
 
城谷の病気は良くなっても完治はしにくいと言うことを。
 
それに対し城谷は知っていましたと微笑むと、自分も嘘をついていたことがあるから”おあいこ”ですねと言う。
 

次のテンカウント

黒瀬は新たに城谷に10の番号を降るように言い、今度は城谷が黒瀬にして欲しいことを書いてくださいと言う。
 
城谷が願うのであればなんでもすると言う黒瀬。
 
城谷は赤面し、震えながらペンを握ってリストを埋めようとする。
 

描き下ろし 黒瀬くんと城谷さんとのネタバレ

片耳ピアス

城谷がじっとショーウインドウのピアスに見入っている。
 
黒瀬はこの色は城谷さんに似合いますよと言ってピアスを勧める。
 
黒瀬の方が似合うと言う城谷に黒瀬は”じゃあ一緒につけましょう”と言う。
 
家に帰ってお互いが片方の耳にピアッサーで穴をあけることになるのだが、城谷は心臓が止まりそうな勢いでビクビクしている。
 
城谷は黒瀬の耳にピアス穴を開けた後、自分も黒瀬に穴を開けてもらう。
 
ピアスをつけて似合うかどうかを聞いてくる黒瀬に、城谷は改めて自分は黒瀬に恋をしていたのだなと言う。
 
潔癖症の人間が恋をできるとは思わなかったと、”ありがとう”と心から城谷は黒瀬に礼を言う。
 
 
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テンカウント 6巻の感想

まさかの植田との再会によって苛立ちを覚えてしまう城谷。
 
彼女が黒瀬に興味を持ち接近していく様に、嫉妬してムキになる城谷が可愛らしいです。
 
どこか子供っぽさが抜けないところがまた城谷の良さですよね。
 
思いがけない植田との再会で城谷は嫌な思いこそしますが、このことをきっかけにして過去のトラウマを多少なり払拭することができたのではと思います。
 
この再会は城谷にとってある意味良かったのではないかと思いました。
 
ずっと嫌な思い出だった・・・、と心に仕舞われているだけと言うのは嫌ですものね・・・。
 
思い余って黒瀬のグラスにまで口をつけるほどの苛立ちようで、またしても事故のような形でリストをクリアしていきますが・・・。
 
そのことを見逃さない黒瀬、後からキスを迫られないわけがないと確定的な伏線に読み手はよしよしと思ってしまいました。
 
植田のビッチぶりも彼女の表情などからすごく良く伝わってきます。
 
本当に表情を描くことにも長けた作者だと思いました。
 
色々と難題をクリアしていき、最終的に初めに書いた10の項目すべてに斜線を引けるほど城谷の症状は良くなります。
 
お父さんとも和解ができ、黒瀬とも晴れて恋人になることができ・・・。
 
今まで本当に苦労して辛かった城谷に心から良かったねと言いたくなります。
 
一方の黒瀬も新人作家となって現れた初恋の人と再会があり彼が無事立ち直り、また自分のことを悪く思っていなかったことを知りさぞかしホッとした事と思われます。
 
この時やっと黒瀬自身自分が思っていた罪が許されるきっかけを得たと思ったのではないかと思います。
 
その罪を許すと確定的にしてくれたのが城谷の告白だったと思います。
 
あの時の黒瀬の涙に城谷の心の傷以上の深みを感じてしまいた。
 
心の傷がわかる人同士と言うのは、どこかで傷ついたことがあるから分かり合えるのだと思います。
 
傷ついてきたもの同士、新しいリストを作ってこの先幸せに過ごしていってほしいと心から願いました。
 
 
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