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わたしの幸せな結婚 8話とは?

出版社:スクウェア・エニックス
作者 :顎木あくみ(著), 高坂りと (著), 月岡月穂

異能の家系に生まれながら、その能力を受け継がなかった娘、斎森美世。能力を開花させた異母妹に使用人のように扱われていた。親にも愛されず、誰にも必要とされない娘。唯一の味方だった幼馴染も異母妹と結婚し家を継ぐことに。邪魔者になった美世は冷酷無慈悲と噂される久堂家に嫁ぐことに…。「小説家になろう」発! 和風ファンタジー×嫁入り。結婚から始まる恋愛の物語。

わたしの幸せな結婚 8話 “旦那さまへ贈り物” のネタバレ

悩む美世

デートの翌日、美世はゆり江に相談をしている。

昨日清霞から櫛をもらったので、何かお返しをしたい。

でもどんな物を渡せば、喜んでもらえるのかわからない。

この家でお世話になり、感謝の言葉でもいいのだろうけど形になる物を渡したいと思った。

ゆり江は嬉しそうに、普段清霞が使える物で手作りがいいのではないかと提案する。

だが目の肥えた清霞に、手作りの物を渡してもみすぼらしいと思われないかと不安になった。

そう思われるのなら仕方ないが、できれば喜んでもらいたい。

ゆり江はそんな美世が、心優しい女性だと思った。

清霞は美世からの贈り物ならば、なんだって喜ぶだろう。

これまで清霞を育ててきたであろうゆり江に、強く肯定されて喜んでもらえる気がした。

そんな美世に、ゆり江は手作り作品の雑誌を持ってくる。

中をざっと眺めてみると、作り方がわかりやすく書かれていて美世も作れそうだ。

その中で目に留まったのは、組み紐だった。

これはきっと、清霞の綺麗な髪には似合うだろう。

そして、ゆり江も大賛成してくれた。

心配性の清霞

その日の夜、美世は清霞へ買い物に出かけたいと尋ねた。

足りない物でもあるのかと心配する清霞
だが、自分で選びたい物があるのだと話す。

昼間にゆり江と一緒に行くつもりの美世だが、清霞は心配ですぐには返事をしない。

仕舞いには、自分が一緒ではダメなのかと聞く清霞。

今回ばかりは、清霞への贈り物の計画を知られたくない。

しぶしぶ了承する清霞は、くれぐれも知らない人間にはついて行かないように念を押す。

大袈裟な清霞だが、どことなく機嫌が悪そうだった。

守るために

買い物の日、いつものように美世は玄関で清霞を見送る。

清霞は足を止め、美世にお守りを渡した。

肌身離さずに持ち歩くように言われ、心配してくれることが嬉しく美世の頬は緩む。

心配でたまらない清霞は、不機嫌になり出かけた。

一方辰石家では、最近家の中の雰囲気が悪い。

その原因は、物事が思うように進まずに父の機嫌が悪いこと。

兄は我関せずで、母は引きこもり。

使用人たちは、父の機嫌を損ねないように気を使っている。

幸次は普段から穏やかだと言われていて、実際ほとんど怒ることがない。

怒りを抱かないわけではなく、美世のために抑えていた。

香耶は幸次に、買い物に行こうと誘ってくる。

香耶の向けてくる笑顔に、怒りを感じる幸次。

こんな女と結婚して、これからの人生を共に歩まなければならない。

美世を虐げてきたこの女が、心底憎い。

だがその怒りを我慢して、優しく穏やかな自分でいる。

それも全て美世のため、危害が及ばないようにそうするしかない。

美世を守れるのは、自分だけだと幸次は思っていた。

悩むことの楽しさを知った美世

街へ出かけ、雑貨屋に行った美世。

組み紐の材料が、たくさん並んでいて驚いている。

こんなにたくさんあったら、どれにしようか悩んでしまう。

ゆり江は、時間はたっぷりあるためゆっくり選んでいいと言った。

清霞の薄い髪の色には、濃い色が似合いそうだ。

派手な色はきっと好まないと思い、黒か紺あたりかと考える。

でもそれでは、普段と何らかわり映えがない。

清霞のために、悩む時間がすごく特別で幸せである。

これまで誰かのために何かをすることはなく、命じられたことをひたすらこなしてきた。

誰かの喜ぶ姿を想像して、選ぶことがこんなに楽しいのだと初めて知る。

長くは続かないが、そんな時間を与えてくれた清霞には感謝しかない。

そんな清霞のために、いい色が見つかった。

初めて作る組み紐、こんな物はもらっても嬉しくないかもしれない。

それでも清霞が、どんな顔で受け取ってくれるのか楽しみである。

買い物が終わり帰ろうとした時、ゆり江は塩がなくなっていたことを思い出す。

ゆり江は美世をその場に待たせて、一人で買いに行った。

待っている美世は、行き交う人々を眺めながら心細くなる。

立ち止まっている自分が取り残されている気分になり、ゆり江について行けばよかったと思う。

その時、美世は声をかけられる。

忘れることもできない嫌な声、振り返ると幸次と一緒の香耶がいた。

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わたしの幸せな結婚 8話の感想

櫛のお礼と、お世話になっていることへの感謝の気持ちを形にしたい美世。

ゆり江の提案と、後押しがあり手作りの組み紐を作ることにしました。

初めて作る美世、清霞が喜んでくれるのか不安です。

ですがゆり江は、絶対に喜んでくれると言いました。

ゆり江に言われたら、何となそんな気持ちになりますね。

今まで誰かのために、何かを作ることなんてありませんでした。

だから、すごく楽しみなんでしょうね。

大切な人への贈り物で、悩むことがこんなに楽しいのだと知りました。

悩む時間が、すごく幸せです。

普通の人ならそんなに大したことではありませんが、今まで普通の生活もできなかった美世です。

今の生活は、全てが別世界に感じてしまいますね。

買い物に行きたいと、清霞に話しました。

心配性の清霞は、どうしても一人で行かせたくない様子です。

できれば一緒に行きたいようですが、今回は一緒に行くことはできません。

だからゆり江と一緒に行くのだと、言いました。

今までの結婚相手として来た女性には、そんな感情は湧き上がらなかったようですが美世は違います。

まだ好きだとは感じていませんが、清霞が心配する姿を見ていると好きになっていることがわかります。

出かける日、お守りまで渡しました。

何事もなく、無事に帰って来ることを願っているんですね。

組み紐をもらったとき、清霞がどんな反応をするのかすごく楽しみです。

街で美世は偶然にも、香耶に会ってしまいました。

嫌な感じで、嫌な予感がします。

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