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Contents
わたしの幸せな結婚 9話とは？
出版社：スクウェア・エニックス
作者 ：顎木あくみ(著), 高坂りと (著), 月岡月穂
異能の家系に生まれながら、その能力を受け継がなかった娘、斎森美世。能力を開花させた異母妹に使用人のように扱われていた。親にも愛されず、誰にも必要とされない娘。唯一の味方だった幼馴染も異母妹と結婚し家を継ぐことに。邪魔者になった美世は冷酷無慈悲と噂される久堂家に嫁ぐことに…。「小説家になろう」発！ 和風ファンタジー×嫁入り。結婚から始まる恋愛の物語。
わたしの幸せな結婚 9話 “嫌いなのは・・・” のネタバレ
勇気が足りない・・・
出かけた街で、バッタリ香耶に会ってしまった美世。
顔を見た瞬間に、恐怖が蘇ってくる。
まさかこんな所で、美世に会うなんて思ってもいなかった香耶。
美世を見下し、嘲笑うかのように嫌味を言う。
今頃どこかでのたれ死んでいるのかと思っていたが、命があっただけ儲け物である。
相変わらずみっともない格好で、清霞には捨てられたのだろうと思った。
何もできない美世が清霞に釣り合うわけもなく、かわいそうだと罵る。
一緒にいる幸次は、口が過ぎる香耶を止めようとするが言うことを聞かない。
さらに続ける香耶は、お金に困ったときは地べたに這いつくばれば貸してあげると言った。
言い返したい美世は、頭の中に清霞とゆり江の顔が浮かんでくる。
これまで斎森家で、香耶に口答えすることは許されなかった。
でも、もう斎森の家には戻らない。
ならば言い返しても大丈夫だと思い、拳を握りしめる。
そして、美世の口から出てきた言葉は「申し訳ありません」だった。
嫌いな自分
清霞には、謝るなと言われた。
でも謝ることしかできなかった自分に、腹が立って仕方ない。
清霞とゆり江と一緒にいるようになり、少しは自分が変われたと思っていた。
だが実際香耶に会って、恐怖に支配されて今までは流すこともなかった涙を流しそうになる。
二人の優しさに触れていくうちに、きっと心が脆くなったのだろう。
ここで涙を見せて、弱くなった姿を香耶へ知られると喜ぶだけだ。
その時、ゆり江が戻ってきた。
ゆり江は香耶たちを見て、知り合いなのかと尋ねる。
香耶もゆり江に対し、同僚かと聞いた。
香耶は笑顔で、ゆり江に妹だと挨拶をする。
こんな笑顔を見れば、誰だっていい人に見えてダマされるだろう。
ゆり江も香耶の味方になってしまうのか、清霞もそのうち味方になってしまうのかと頭を過ぎる。
そして、今度はゆり江が香耶に挨拶をした。
美世と同僚なんて恐れ多く、のちに清霞の妻となる人。
紛れもなく、美世は九堂清霞の未来の妻である。
驚き、表情が曇る香耶。
清霞のような人が、美世ごときで満足するはずがない。
内心納得いかないが、香耶は作り笑顔で去って行った。
その後ゆり江は、優しく微笑み帰ろうと声をかける。
何もできないし言い返せずに、情けない自分。
ゆり江は美世のことを不審に思い、清霞の妻として相応しくないと思ったかもしれない。
相応しくないことくらい、美世自身が一番よくわかっている。
だけど清霞とゆり江に、失望されることがすごく怖い。
こんな自分が、大嫌いだ。
化けの皮が剥がれる瞬間
清霞は、斎森家を訪れた。
突然の訪問にも関わらず、清霞を迎え入れた父。
用件は何なのかと、清霞に問う。
清霞は正式に美世と婚約し、ゆくゆくは結婚する意思を示す。
そのため、斎森家と久堂家の関係をはっきりさせたい。
この結婚は本来なら、お互いの利害関係が成立する。
だが清霞は、斎森家への還元に抵抗を持っていた。
どういう意味なのかと答える父、この縁談で斎森家への見返りはないということだ。
そこで、清霞は条件を提示する。
もし父たちが、美世に対して心から謝罪するのなら結納金を多めにしたいと考えていた。
父の後ろに座り、清霞の話を聞いている継母は鬼の形相になり拳を握りしめている。
香耶の持つ異能はさほど力はなく、これから斎森家は下り坂になるだろう。
帝から命じられるお役目を果たすのは難しくなり、辰石家も同じような状況で支え合うのは難しくなる。
先のことを考えれば、父は手に入るものはすべて欲しいはず。
謝罪などする気はない父だが、清霞は縁を切るか謝罪するかの二択を与えた。
だが、斎森家が美世をどれだけ苦しめたのかは調べがついている。
そのことだけは、頭に置いておいてほしいと言う。
今この場で判断ができない父は、少しだけ時間がほしいと頼む。
その頼みを聞き入れる清霞だが、そう長くは待てない。
そして清霞は、この部屋を出て行った。
その頃、香耶と幸次が街から帰ってくる。
香耶はすごく機嫌が悪そうで、幸次がなだめていた。
幸次は美世を庇い、美世はまだ久堂家から追い出されていないことが気に入らない。
どうせ幸次は、美世の味方である。
ならば、わざわざ優しい言葉などかけられたくない。
幸次にそう訴えるが、全く否定もしなかった。
ここは嘘でもそんなことはないと言って、香耶を慰めるところ。
でも幸次は、気が利かない。
さらに腹を立てた香耶、そこへ父の部屋から出てきた清霞が前を通り過ぎる。
清霞は香耶に冷たい視線を送り、香耶は清霞の綺麗な顔立ちに心を奪われた。
わたしの幸せな結婚 9話の感想
偶然にも会ってしまった二人ですが、相変わらず香耶の嫌味はひどいです。
幸次が一緒にいながら、香耶を止めることもできませんでした。
美世のみすぼらしい格好から、清霞に捨てられたと思い込んでいる香耶。
ゆり江が美世のことを、未来の妻と言ってくれたのでスカッとしました。
ゆり江も斎森家での美世のことを多少わかっているので、当て付けのように答えたのでしょう。
でも美世は、まだまだ強くなれていません。
人の温かさを感じ、涙を流すことができるようになりました。
感情を抱けるようになったのはよかったのですが、嫌味を返せるようになりたいですね。
今までの生い立ちが邪魔をするのですが、それを跳ね返すようになってほしいです。
清霞とゆり江をもっと信じて、失望されるなんて考えなくていいのですよ。
美世は、間違いなく清霞とゆり江に大事にされています。
自分に自信を持って、もっと堂々となれるといいですね。
そして美世が買い物に出かけている間に、清霞が動き出しました。
斎森の父と話をする清霞、ストレートな物言いでこちらもスカッとしました。
清霞が出した条件に、どんな返事をするのか気になります。
やはり、お金は欲しいでしょうね。
継母の表情も、すごいものでした。
美世を苦しめていた状況が、すぐに浮かんでくる勢いです。
最後に清霞と香耶が、顔を合わせました。
これがこれからの、波乱の幕開けになってしまいそうですね。
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